モディリアーニ展を観たいと思い、大阪中之島美術館に行きました。
モディリアーニは、35歳で亡くなっているため、彼の作品は、それほど
多くは ありませんが彼が残した作品は、ものすごく価値があります。
《少女の肖像(ジャンヌ・ユゲット)》
《小さな農夫》
《おさげ髪の少女》
《ルニア・チェホフスカの肖像》
今回展示されている『髪をほどいた横たわる裸婦』は、現在のところ
日本にあるモディリアーニの裸婦画はこの一点のみです。
1989年に大阪市が19億3千万円で購入したと伝えられています。購入当時、
大阪市民から集めた税金で超高額の絵画を購入する事にすごく批判が
ありましたが、現在モディリアーニの裸婦画は、200億円前後で取引されて
おりかなりの価値があります。
その『髪をほどいた横たわる裸婦』は、前回の開館記念展にも展示されて
いましたが、何と今回は撮影が許されていました。(↓ 私が撮影した写真です)
興奮して何度もシャッターをきりました。
20世紀前期のパリで活動したモディリアーニは「エコール・ド・パリ」の一員
として、ピカソやシャガール、藤田嗣治などと同世代です。今回の展覧会では、
モディリアーニと交流のあった画家ジャン・コクトー、ピカソ、マリー・ローランサン、
アンリ・ルソー、ルノワール、キスリニグ、シャガール、ユトリロ、藤田嗣治などの
多くの絵画なども展示されていて、たいへん見応えがありました。
世界初公開の肖像画を含め、フランス、イギリス、ベルギー、デンマーク、スイス、
アメリカなどから集め、さらに国内の美術館等が所蔵する油彩画や水彩、素描が
一堂に集められていました。なかでも、スウェーデン生まれの伝説的ハリウッド女優、
グレタ・ガルボが生涯にわたって愛蔵した《少女の肖像》は世界初公開でした。
(↓ 私が撮影した写真です)
少しだけ、モディリアーニについて。(中之島美術館の解説とウィキペディアより)
イタリア出身のアメデオ・モディリアーニ(1884-1920)はフランスに渡り、
エコール・ド・パリの一員としてピカソや藤田嗣治などと共に活躍しました。
モディリアーニによる人物像は瞳のない塗りつぶした眼のものが多く、そして
細長い首をしていたり、その容姿がやや異様な事から内面的な本質を鋭く
捉えているように思えます。
彼は亡くなってから評価されましたが、生前は売れない画家で貧困と
生来患っていた肺結核に苦しみ、飲酒などの不摂生で荒廃した生活の末、
35歳で結核性髄膜炎により死亡しました。
亡くなったのは、ジャンヌ・エビュテルヌに結婚を誓約した翌年でした。
妻のジャンヌもモディリアーニの死の2日後に後を追って自宅から飛び降り
自殺しています。この時、妊娠8ヶ月だったとの事です。
何て悲しい、不遇な人生だったんでしょう。
私は、そんな事を知ってからは彼の作品は神秘的なものに思えてなりません。