雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

原発と放射能の本 10 小野周監修・天笠啓祐文『原発はなぜこわいか』高文研

2012年06月27日 05時49分03秒 | 原発を考える1
原発と放射能の本 10 小野周さん監修・勝又進さん絵・天笠啓祐さん文『原発はなぜこわいか』高文研、1980年12月5日第1刷、220ページ、定価1000円、

 増補版が1986年に発行されています。今現在で、ネットで見たら、在庫があるようなので、紹介します。

 今から32年前ですから、ぼくが結婚した直後に買った本です。なぜ買ったのは今となっては記憶の外です。でも、原子力と放射能の本としては、わかりやすい本です。帯に「絵と文章で立体的に説く万人のための入門書」とありますが、的確だと思います。

 目次は以下の通りです。

 1 原子の世界へ
 2 原子力の発見
 3 原爆から水爆へ
 4 原子力発電の歩み
 5 原子力発電の宿命
 6 見えない恐怖・放射能
 7 破局への予感

 目次でわかるでしょうか?できあがった完成形として原発を描くことが多い本と比べても、原発をその発生から展開へとプロセスで描くという点は、非常にすぐれている点だと思います。

 高速増殖炉が挫折して現在の軽水炉に移行していくことも、リアルに事故も含めて叙述されています。

 原発労働者が作業中に「生理的要求」(つまり「オシッコをしたくなったら」)というマンガは傑作です。

 巻末の「参考図書」も参考になります。まあ、「全部読むべし」ですね。

 同じような原子炉開発のプロセスをリアルに描いた本としては、高木仁三郎さんの『プルトーンの火』教養文庫、がお勧めでですが、単行本としては出ていないようなので、高木さんの著作集(1巻5000円と高いので、図書館で借りてください)で読んでください。

 

 

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