新・本と映像の森 173 ことばと詩 5 ポール・ゴーギャン ① 絵とことば
フランスの画家ポール・ゴーギャンには有名な絵とことばがある。ことばは
「われわれは どこから 来たのか
われわれは 何なのか
われわれは どこへ行くのか」
というものだ。引用は松岡正剛さんの『千夜千冊』1226夜「佐治晴夫・宇宙の不思議」(2008年3月6日)による。というより、松岡正剛さんの『千夜千冊』1226夜を昨日、偶然見て、このことばを思い出した。
松岡さんの同じページに「トマス・アクィナス以来の有名な問いを絵にしたもの」とあるので、中世のトマス・アクィナスにまで少なくともさかのぼりそうだ。今は詳しくはわからない。
これがボクが、ついこのあいだ「新・本と映像の森 170 ことばと詩 3 パルミロ・トリアッティ」でとりあげたトリアッティのことばに類似することは、ボクにとっては新発見です。
というより、アクィナス=ゴーギャンの「問い」に対する、トリアッティとしての1つの「解答」のように見える。
アクィナス=ゴーギャンの問い。
「われわれは どこから 来たのか
われわれは 何なのか
われわれは どこへ行くのか」
トリアッティの解答。
「われらは遠くから来た
そして遠くまで行くのだ」
ボクはトリアッティの言う「われら」というのは「共産主義者」と今まで解釈してきました。しかしアクィナス=ゴーギャンと対比するなら、それは思い込みであって、「われら」を「人類」と解釈すべきようにも思えてきました。
気になるのはトリアッティは、アクィナス=ゴーギャンの問いの真ん中の第2点「われわれは何なのか」を欠落させていることです。それとも、まったく別物だったりして。
すべては今後の文献批判が決することです。何かわかってきたら、続報を書くつもりです。