新・本と映像の森 170 ことばと詩 3 パルミロ・トリアッティ
パルミロ・トリアッティはイタリア共産党の有名な指導者で1964年に休暇中にソ連の保養地・ヤルタで脳出血で急死した。
「われらは遠くから来た
そして遠くまで行くのだ」
ボクが初めて、このことばを読んだのは1970年代だと思う。たぶん、最初は歴史学者・羽仁五郎さんの『明治維新史研究』の冒頭ではないかと思う。いま、奧の部屋の本棚の奧の列にたぶん突っ込んであるので、もし出てきたら確かめたい。
つぎに見たのは、たぶんマンガ家・白土三平さんの『忍者武芸帳 影丸伝』のラスト・シーンだった。こっちが先という可能性もある。
百姓一揆の指導者・影丸が捕らわれて、五体割きの刑になる直前、『忍者武芸帳 影丸伝 8』小学館文庫、原作1962年9月完結、のp266から。
影丸「美しい空だ……」
「前にも1度このような…」
「あのときも
同じように
羽虫が耳のわきを…」
ブイーーン
(一部略)
・・・・・・
影丸死刑の見届け人・蘭丸(信長のお小姓です)の耳元で誰かがささやく。
影丸『蘭丸……』
蘭丸「やつの声だ!」
影丸『蘭丸……
われらは遠くから来た
そして遠くまで行くのだ……
わかるか……』
蘭丸「語らずして心をつたえる夢声伝心の法……
あいわかった。しかと伝えようぞ!」
☆
ボクは「われらは遠くから来た」のを知っている。だから過去も1千年や100万年や150億年の「遠く」を見ておきたい。
ボクは、それほど「遠くまで行く」ことは、ない。だから「そして遠くまで行く」その「遠く」を見たいと願う。
なおパルミロ・トリアッティのことばの原典・原文章は不明。誰か、わかる人いたら、ぜひお知らせください。