雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森(推理8) 55 北森鴻『狐闇』講談社文庫、2005年

2017年04月19日 12時50分00秒 | 本と映像の森

新・本と映像の森 55(推理8) 北森鴻『狐闇』講談社文庫、2005年

 きたもりこう、きつねやみ、556ページ、定価本体819円。

 古美術を売買する、おなじみの「旗師」、宇佐見陶子(とうこ)が窮地に陥る。

 6月に入って第1回目の神奈川県平塚での市(いち)で陶子は、客の依頼で、2枚の海獣葡萄鏡を競り落とす。

 ところが、マンションへ戻ったら、その鏡は三角縁神獣鏡にすりかえられていた。
 
 そして、陶子と関係者の身におきる怪事件。

 陶子は、手に入れた村山槐多の絵を元にした複製サギを疑われ、しかも飲酒運転で交通事故を起こすよう仕組まれる。

 サギ犯と疑われ、骨董業者の鑑札も取り上げられる陶子。

 みずからの汚名を解いて、青銅鏡の謎を解明しようと、静かな心の炎を燃やす陶子。

 仲閒は、親友のカメラマン・横尾硝子、民俗学者の蓮丈那智、古代鏡研究者の滝隆一朗。

 謎を解いていく彼らは、明治の堺県知事(当時の「県令」)・税所篤(ざいしょ・あつし)の古墳盗掘を知り、やがて権力の闇に直面する。

< 目次 >

冬の狐
神獣鏡
罪と罠
死風景
時の巡礼
闇からの招待
夏の狐


   < 過去の「本と映像の森」から、北森鴻さん作品 >

 本と映像の森73 北森鴻さん『緋友禅~旗師冬狐堂~』文春 - ...

 本と映像の森 135 北森鴻さん『うさぎ幻化行』東京創元社 - ...

 本と映像の森 182 北森鴻さん+『邪馬台』新潮社、2011年 - ...

 本と映像の森 191 北森鴻さん著『孔雀狂想曲』集英社、2001年 - ..

本と映像の森 210 北森鴻さん『虚栄の肖像』文春文庫、文藝春秋社、2010年

     ☆

『狐闇』は、p91,108あたりで「魔鏡」について、述べている。これについては別項目で。

 なお、この本では (詳細カテゴリー) を古代には入れませんでした。どんなに古代資料を正確に描こうとしていても、この作品は全体としては物語であって、歴史ではありませんんから。