『私は、恩師の新井助信先生との出会いによって法華経に導かれて目を見開かされ、そして妙佼先生という、またとない修行の友に磨かれて、今日の幸せに導いていただきました。それにさらに佼成会というサンガのみなさんに助けていただいて今日を迎えさせていただいているわけです。
その私と同じように、みなさんもまた、さまざまなご縁によって今日があるわけで、その縁のありがたさをもういちど振り返り、かみしめていただきたいと思うのです。
自分をこの世に生みだしてくださった両親、この法に遇いえたその縁をつくってくださった導きの親御さん、そして、どんな人も幸せに導く法をお説きくださった教主釈尊の大恩……考えていくと、自分がどれほどの大恩によって生かされ、支えられ、導かれているか思い知らずにいられません。
ふだん、つい忘れがちな過去をあらためて検証し直して、自分が受けた恩をかみしめる瞑想修行がありますが、一年の終わりを迎えて、一日、じっくりと自分を振り返ってみたいものです。
そこから真の自他一体感がわき起こって、さらに新たな精進の決意が湧いてくるのです。』
庭野日敬著『開祖随感』より