四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

現代の秀歌(その1)

2012-10-08 20:48:59 | 歌の花束

 朝日歌壇の選者4人が去年の年間秀歌各10首を選んでおられます。その40首から私の好きな10首を、僭越ながら選んでみました。激戦を勝ち抜かれ新聞に掲載されるだけでも凄い短歌なのに、更に絞られた最優秀の年間秀歌なのです。

私が好きな10首を分析すると、母に関する歌、老病の歌、政治社会に関する歌が各3首ずつ、魂祭の歌が1首となりました。


○独り居に母を残して帰る時いっしょうけんめい母は笑えり   滝 妙子

    最も心に響いた作品です。「いっしょうけんめい」の措辞に目が潤みます。親不孝でしたから。

○嬰児(みどりご)を初めてぎゅっと抱きしめるこの蠢(うごめ)きが胎動の正体   黒河内葉子

○胸の上生まれたばかりの息子抱く命の重み3224    小島 梢

    二首共におんなならでは歌えない、男は身体では分からない母性の尊い歌です。私たち男も

    母親の苦しみから命を頂きました。

○日本へ帰ったはずの沖縄をまだ沖縄を返していない   和田國基

    無慈悲な地上戦と米軍占領時代、更にその上戦後の日本を守る為の米軍基地の負担。

    私は精神的に沖縄県に負い目を感じております。

 

 

 

 

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