四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

狂う子の声

2009-11-30 11:49:30 | 生かされて今日
 先日、夕方の電車の中に奇声をあげる十七八の息子を奥の席にお母さんらしき二人連れがおられてました。その奇声は親の悲鳴のように聞こえ、ご両親一族の切ない悲しみを痛烈に感じました。どうしようもない宿命を背負い、どんなにか辛い日々を暮らしておられるのか衝撃を受けました。かわいい赤ん坊が先天的な病におかされ肉体は成長を続けているのです。奇声のたびに南無妙法蓮華経と祈るしかありませんでした。
なぜダーと神も仏もなき不平等に胸が痛みます。60年昔の戦没の兵隊さん、特攻という自爆の道へ運ばれていった「あらがえない宿命」に似て・・・。
 家族のみで負担できない運命ですから、それこそ政治が国が、まわりの善意が支えなければ生きていけないのです。
 『猿を聞人捨子に秋の風いかに』と富士川のほとりに泣く捨て子に食べ物を投げて芭蕉翁は詩人の無力を嘆かれました。
 種痘を発見し天然痘から世を救ったジエンナーの像が、上野にある国立博物館の紅葉の蔭にありました。明日は早くも師走です。
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