のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

Death Valley

2009-03-01 | 旅日記
 本日は大自然を訪れる日。兄は行き先に、私も未だ行ったことのない場所、デスバレー国立公園を選んでくれました。昨晩が遅かったので午前11時の出発。実は目的地と出発時間を決定後、私は帰宅して調べると、この公園はアラスカに次いで二番目に大きい国立公園であることが判明。「行き帰りに時間は掛かるけれど、着いたら見るのはすぐでしょ。」というものでもなさそうでした。
 行きは景色が良いという南回りのルートを選んで行くことにしました。彼らはお腹が空いていないというので、とりあえずお腹が空くまで先に進むことにしました。途中でサボテン屋さんの話になり、ちょっと寄り道。そしてラスベガスを抜け、砂漠を走り続けました。遠く先まで何もない真っ直ぐな一本道はこの国の広さを感じさせます。こんなに何もないところなのに自転車を走らせている人が数人見られました。
 Pahrumpという街に入って行きました。そこにはカジノがあるようで、大きな看板が立ち並んでいました。「この街はどうして出来たのだろう…。」などと話しながら、その街を通り過ぎました。
 次目指すは、Shoshoeという街。ガイドブックには、この先にガソリンスタンドがないと書いてあったので、給油することに決めていました。ここは街というより、通り過ぎる人が必要なものだけ揃っているサービスエリアのようなところでした。そのような場所なのでガソリンの値段はラスベガスより1ドルほど高値。でも、ガイドブックに従って満タンにしました。そして、食事もとることにしました。一軒だけある食事処は観光バスが着いていたこともあり、人手が足りないようでした。ようやく注文したタコスやハンバーガーなどの簡単な物もなかなか出てこないで、1時間半も、こののんびりとした街でゆっくりすることになりました。
 さて、ここで兄が国際免許証をホテルに置いてきたことが分かり、今日は、あまり頼りにならない私が一日運転し続けることが分かりました。
 いよいよデスバレーに向かいます。西半球の最低地点に向かうというだけあり、帰りのことを考えると、自分の足で登るのではなくてもげっそりするほど山をぐんぐんと下りて行きました。
 そして、ついに白い荒原が見えてきました。Bad Waterと呼ばれる場所の端に着いたようです。左手に広がるその場所を見ながら進み、しばらくして道端に車を停めてみました。この白さは塩です。その大塩原に降り立って、その白を取ってなめてみると確かに塩。でもどうしてここに塩があるのかという疑問は、最後まで解けませんでした。帰ってから調べてみると、私の予想通り、かつてここは海であり、それが隆起して塩水湖となり、それが干上がって今の大塩原になったということでした。
 それにしてもあんなに先まで平らで何もないとは…。大自然にぽつりと立つ私達。
 そこに一輪の黄色い花が咲いていました。アメリカ南西部にのみ自生するというHairy Desert Sunflower。花好きな母のために写真撮影。この大自然を写真に納めるのは難しいのですが、花はまだ、写真に納まりました。本当は風に揺れているところを見せてあげたかったです。
 またしばらく車を走らせると、バッドウオーターの観光地点に到着。そこには駐車場があり、人々が大塩原の中央に向かって歩いた所は、塩の結晶が踏みつぶされて、より白くどこまでも続く道になっていました。大塩原を取り囲む山には海面を示す標識があり、駐車場に向かって戻ってくるときに見えるようになっていました。ここは海抜マイナス85.5メートルの地点なのです。
 それにしても本当に良い季節にここへ来ました。真夏には気温が50度を超える日もあるというこの場所へ、ラスベガスが暑くなる前に来ることができ、暑くもなく、寒くもなく、デスバレーで気持ち良く過ごすことができました。
 さらに車を走らせると、デビルスゴルフコースの標識。ここは行ってみようと話していたことろ。急いでギリギリで左折をしました。左折をするとすぐに凸凹道。四輪駆動は必要ないけれど…と思って買った車ですが、大自然の中に来る時は役に立つようです。そして大塩原の中央まで入っていくことができました。
 悪魔のゴルフコースは、塩と泥が混じり合い、固まって激しい凸凹となったその場所では、人間はゴルフはできないが、悪魔ならできるであろうということで名付けられたようです。先ほどの場所とはまた違った表情を見ることができました。そして、先程よりも中の方まで入ってきたので、ぐるりとどの方向を見渡しても、どこまでも広いのです。そしてこの広大な荒原に、私の車はとても似合います。カシャッと一枚。広告に使えそうな写真が撮れました。
 本線に戻り、さらに車を走らせていると、駐車している車がたくさん見られます。「あれがビジターセンターかな。」「そうだとしたら粗末すぎるんじゃない。」などと言いながら右折して、私達も車を停めることにしました。
 Golden Canyon。塩原側とは全く違う表情の渓谷。名前の通り金色に見える山が頭上高くそびえる渓谷を入っていくことができました。以前、この道は舗装されていたということですが、鉄砲水で流されてしまったそうです。でもこの方が趣があり、私は好きです。どこまで進もうか考えて、戻って来る方に伺うと、先に赤い岩が見られるということ。それが見えるところまで行くことにしました。しばらく歩くと赤い山が現れ、そして折り返すと、行きは日差しの加減が丁度良かったようで、帰りには行きに見た金色とは違った色になっていました。
 もう日も暮れてきていました。とりあえずビジターセンターへ向かったのですが、到着した時は5時を過ぎ、到着する直前に予想した通り、センターは閉まっていました。
 さて、次の予定もありますし、ラスベガスへ帰ることにいたしましょう。帰りは北のルートを行ってみることにしました。持っていた二つの地図は同じように道を示してはなく、また、アメリカの道路標識はあまり親切ではないので少々心配でしたが、思った道を進むことにしました。途中、一番心配だったところに着くと、大きく通常とは少し違う、ラスベガスの方向を示す標識が出ていて、そちらに向かいました。
 辺りはだんだんと暗くなり、まだ少しは明かりがあるうちに街へ着きたいと思いながら進みました。デスバレー国立公園を出ても、塩原のように見える中を過ぎて行きました。暗くなる前に一台の車に抜かされ、日が落ちた後の真っ暗な道では、その車のテールライトがとても頼りになりました。
 しばらくすると、街に出ました。そして、その街は行きに通ったPahrumpという街であることが分かりました。思っていた道順ではこの街を通らないはずです。どうやら近道で帰ってきたようです。そして丁度街に居る時に電話が鳴り、兄達が今晩観る“O”のショーを、私もライトブースから観られることになりました。後にもしやと思い訊いてみると、友人は何度も電話を掛けていてくれたようです。繋がらなくても諦めずに掛け続けてくれた友人に感謝です。
 そこからは、行きに通った道を戻ることになりました。そして、予想外に費やしてしまった昼食時の1時間半を取り戻すかのように、ラスベガスの街にはデスバレーから2時間ほどで戻ることができました。
 夕食をタウンスクエアのレストランでとりました。小さいサイズを頼んだのに、大きくて、さらに味付けが濃く、残すのが嫌いな我々はだいぶ頑張りましたが、食べ切ることができませんでした。途中席を立った時に見たチョコレートケーキ一切れは、パウンドケーキ一本分ぐらいありました。ここのデザートも注文してみたかったのですが、今回はお預けです。
 さて、本日最後のイベントは“O”。私は劇場の客席上のライトブースへ行きました。以前来た時より、座席などが良くなっていて、さらに各自にヘッドフォンが用意されていて、ガラス越しの音楽を聴くのではなく、クリアな音を聴くことが出来るようになっていました。上からは兄達が座っているのも見えました。
 ショーが終わると兄達と合流し、友達の案内でバックステージを見させて頂きました。ショーが終わってお疲れのところ、とても丁寧に案内をして頂き、また彼女達のエネルギーを頂くことが出来、とても楽しく貴重な時間でした。
 自分の車で初めての長距離ドライブも、楽しく無事に戻ってくることができました。280マイル、良く走りました。