のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

ニルド最後の日に

2009-03-28 | KA
 今日は新緑が目に留まりました。とてもきれいです。でも、ヤシの木の隣に新緑が見られるのは、ちょっと変な感じもしました。さわやかな季節、しばらくはこの緑に元気を頂けそうです。

 一回目のショーが終わると、ロッシェルが一人のアーティストを紹介してくれました。彼は、新しくニューヨークに出来るショーに、クラウン役で出演するとのことでした。ロッシェルは、私のことをダンサーでもあると紹介してくれました。すると彼は「それは観ていて分かったよ。」と。動きを制限しなくてはならない中、そのように言って頂けたことは励みになりました。彼は歌って踊ってクラウンも出来るそうで、多才です。ニューヨークへショーを観に行く楽しみが出来ました。
 今日は、クリエイションから共に過ごしてきたニルドが最後の日でした。彼は、モンテカルロとベラッジオの間に建設中の、シティセンター内に出来る新しいショーに出演するようになります。本人は新たな冒険をとても楽しみにしていて、全く未練はないようでした。「たまにはKAに戻ってこようかな。」というようなことも言っていました。サーカスの人はいろいろと応用が利くので、そういう楽しみ方も出来るようです。
 そして始まった二回目のショー、彼はジェスター役で出演しました。私は、影絵の時に彼のいろいろなことを思い出し、目に涙を溜めました。最後のお辞儀で彼の方を向くと、彼はタタミとリフト5の間にある柵を飛び越えて、舞台の一番前まで来て中央で手を振りました。舞台が下がっていくと、彼をレオが抱え上げ、最後の最後までお客様に手を振りました。
 彼の更衣室の横を過ぎると、大騒ぎをしているのが聞こえました。みんなにシャンペンでも掛けられているのかと思いながら笑って通り過ぎました。
 そして自分の更衣室へ戻ると、こちらでは大変なことになっていました。例の問題の彼女がまた何かをしたようで、口論になっていました。それも、だれよりも彼女に優しいズラが何か危険な目にあったらしく、それは初めてのことではないようで、とても激しく責めていました。
 ズラは、2,3日前に私に彼女のことをこう話していました。「今、彼女と少し喧嘩になっている人がいるでしょ。そのことは分かるけれど、彼女は私に優しく話しかけてくれるから、彼女のことを悪くは言えなくて。」私は、ズラがいつも彼女の話をよく聞いて、気持ち良く会話をしていて感心していました。
 そのズラに彼女が何かをしたというので、私は悲しくなりました。更衣室から一度出て、少しして戻ると、口論はさらに大きく、他のアーティストも今までのいろいろなことを持ち出して彼女を責めていました。もうたくさんです。私はもう一度更衣室を出て、ステージマネージメントに知らせに行きました。そして、その場の口論は止められましたが、たくさんある問題はまだ解決されていません。来週話し合うことになりました。
 そんな悲しい出来事もありましたが、私自身は無事に一週間を終えることができてほっとしました。今日は久しぶりに居酒屋に集まり、お腹をいっぱいにして帰りました。
コメント
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