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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

嫁ぐ

2015年10月12日 | 中学受験 行雲流水録

10月某日、娘が嫁ぎました。思えば20年余。彼女と一緒に暮らしてきました。長いといえば長い、短いと言えば短い、そんな日々でした。ただ一つ思うことがあるとすれば、巷間よく言われる「親はなくても子育つ」というのはウソだということです。確かにこの言は、苦労の状況の中でも子どもたちが逞しく育つ様を言い表しているのでしょう。しかし、近年、頓にこの言を安易に使えない状況が生まれています。

幼児虐待やDVによる被害がよくニュースになります。そんな世情を見て、親子の情愛が希薄になっているのではと危惧されます。そして、そんな状況でも子どもたちは健気におのが生を全うしながら、やはり如何ともし難く最悪の結果に至ることがあります。そんなとき思うのです、絶対に「親がなくては子は育たない」と。少なくとも子どもたちは親なかりせば、ヒトとして成長する時間を得ることは非常に困難になるのだと…。

彼女が2歳半のころ、丹後に海水浴に行ったときには行方不明になって慌てました。海岸線一帯人、人、人の中見つからず、20、30分は捜したでしょうか。6歳の頃には十日恵比寿に行って大タコ焼きのタコが喉に詰まり、逆さにするやら叩くやら右往左往しました…等々。こんなアクシデントも含めて、やはり、「親がなくては子は育たない」と思うのです。少なくともウチではそうだったと思うのです。

幼児期に虐待を受けた子どもが成長したとき、自身の子どもへ虐待する率は非常に高いと聞きます。この負の連鎖はどこかで断ち切らなければなりません。イヌ、ネコでさえ他の種をも優しく育てている事例があるのです。「親はなくても子育つ」などという間違った観念は速く払拭し、皆が我が子に深く慈愛を注いで欲しいと思います。子どもは親を以てただ生きるだけの動物からヒトになりえ、ヒトは子を持って育てることにより自らも育っていくと思うのです。

願わくば娘もいつの日か親として立ち、我が子を育てることにより自分自身も一層成長してほしいものです。私は今娘の嫁ぐ日を迎え過ぎて、私たちを育ててくれたことに本当に感謝だなと…つらつらそんなことを考えているのです。



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