冬休みの作文指導をしていて、構造図を書くことで書く内容の整理をさせるようにしています。構造図が難しい子には箇条書きでも良いので書くことを書き出させます。こうすることで思考が収斂し本当に書きたいことと書く筋道が見えてきます。マインドマップを作文指導に生かすというお話も聞きますが、これはマインドマップの「ツリー構造で整理する」という部分よりもむしろ、マインドマップで「材料を引き出すことができる」というところを主に使われているようです。
もともと、マインドマップは記憶法として開発されました。記憶するために物事を整理するという発想です。中心から時計回りで枝葉を出していくような形で、情報を整理していきます。 これは、欧米に伝統的な「世界はきれいに分類できる」という世界観に基づいています。欧米の本の伝統では、第1巻に1篇2篇3篇があり、その第1篇の中に1章2章3章があり、その第1章の中にABCがあり、そのAの中に、(A)(B)(C)があるというように、全体が整ったツリー構造で構成されているものが多くあります。世界は、混沌としたものではなく合理的に分類されうるものだという考え方が根本にあるのです。
ツリー構造は、2次元と3次元の中間のような形になっています。この2.5次元のツリー構造を3次元的にビジュアル化したものがマインドマップの図と考えればわかりやすいと思います。マインドマップは、ツリー構造をビジュアル化したものですから、整理したものが頭に入りやすくなっています。したがって、本を読んでその本の内容を整理するときに活用すると、読んだものがよく理解できるという効果があります。ただし、方法的には、時間がかかりすぎるという面もあります。
いずれにしても、思考の文字化は自身の考えを明確にし、不足している情報の発見や補充に役立ちます。マインドマップにしろ構造図にしろ道具としてうまく利用し、一人でも多くの子供達が文字と遊び文字に喜ぶ人になっていって欲しいと思います。私たちが、溢れる情報の割りには脆弱な思考しか持ち合わせていないことを認識することは、学習だけに限らず謙虚に生きるという意味においても本当に大切なことです。
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今年も今日で終わりです。拙い文に一年間お付き合い頂いてありがとうございました。今年は、東北大震災などでスランプに陥りましたが、ナントか立ち直り、改めて文章を書くことの意味を考えさせられた年でもありました。この思いを大切に来年も綴り続けていきたいと思います。思いに沿えばお尋ねください。皆様にとって、来年も良いお年でありますようにお祈り致します。