山城巷と山城歩道は十八梯から10分~15分ほど歩いた場所にあります。
山城巷の路地も上半城と下半城とを繋いでいます。
十八梯を下って下半城に来たので、今回は坂道と階段を上ることになります。
地元の人はこの場所を”梯坎”と呼ぶのだそうです。梯坎は四川の方言で階段の意味らしいです。
山城巷も山城巷伝統風貌区と名付けられて観光地化されていますが、
ここにはまだ人が暮らしている古い住宅やアパートが残っています。
あちらこちらに小さな路地があります。
路地の奥には住居を改築したようなお店があったりします。
時間もお昼前近くになったので人がいっぱいになりました。
ほとんどの人が上りを避けているのか、前から来る人が多くてなかなか進めません。
所々に小さな広場はありますが幅の広い道はありません。
小さな広場には観光客向けの店が並んでいます。
この巷は明清代ごろにできたようです。
清代にはフランス人宣教師によってカトリック教会の仁愛堂や仁愛病院が建てられました。
また通行人のための街灯を設置し、巷を照らしたことから天灯巷と名付けられました。
山城巷の名になったのは1972年のことです。
古い建物はほぼ残っていません。
仁愛堂は当時の設計図面に基づいて再建されているようです。
山城巷の一番上に重慶初の西洋式病院として建てられた仁愛病院がありました。
今は広場のようになっていてその跡だけが残っています。
仁愛堂と仁愛病院跡の間には鐘楼があります。
3階建てだった鐘楼は完全な破壊は免れて現在まで残されているようです。
山城歩道は山城巷の長江側の崖に沿って設けられた遊歩道です。
明代に造られた重慶で現存する最も古い城壁と、通遠門の呼ばれる城門があります。
下の方(仁愛堂に向かう路地ぐらい)までは人でいっぱいですが、
上の方まで来ると少なくなるので、ここまで来てから長江側の景色を眺めるのがよいかと。
大混雑の山城歩道と仁愛堂の間になぜだかここだけ人が少ない路地を見つけました。
この路地を奥まで進むと行き止まりになりますが、
奥の建物の中が通り抜けできるようになっていて無料の休憩スペースもあります。
ここは周囲の大混雑とは無縁の穴場です。山城巷に行かれる方は是非見つけて頂ければと思います。
建物の階段を上がって屋上に出ると展望台になっています。
屋根伝いに歩いて、路地を跨いで隣の屋根につながる橋を渡ると仁愛堂の方に出ることができます。
仁愛病院跡からまだ上半城に向かって坂道と階段が続いています。
この路地もまた上から降りてくる人で溢れていて通り抜けるのが大変でした。
長江沿いの下半城から山城巷、山城歩道を上って上半城に向かおうとしたのですが、
急斜面や路地の両側にある高層マンションなど、GPSが補足しにくく、かつマルチパスが発生する環境。
スマホナビの歩行者モード泣かせといえる重慶独特の地形と構造で、ナビ自体が迷子になって、
山城巷から抜け出すのにひと苦労したのでした。そのおかげで穴場?も発見できましたが。。
ちなみに梯坎を百度翻訳で日本語に訳すと、”梯子峠”と訳されました。これある意味間違いではないです。