太平老街は蘇州市の相城区、陽澄湖の西側に位置する小さな老街です。
清代に架けられた(再建された)太平橋が名前の由来になっているそうです。
太平老街をメインストリートとした集落は河沿いにあります。
河に架かった橋を渡って老街に入ります。
案内板を見るとそこそこ面積があるように見えるのですが、
太平老街の通りの長さは700mもないのであっという間に終点になります。
太平古鎮の見どころのひとつが円柱形の荻渓倉です。
明代に建築されたとされる荻渓倉は朝廷用の食料備蓄倉庫で、かつては30棟以上あったのだそうです。
現存している倉庫は1970年代のもので、荻渓倉以外にも大きな穀物倉庫が建てられています。
現在は、文化施設などとして活用されているようです。トイレも円柱になっています。
古鎮にある建物の多くは今でも人々が普通に暮らしています。
入り口付近には観光客向けっぽい店はありますが中にはありません。
老街で観光客向けと言えるのは、お菓子、青団子、大根餅を作って売っている小さなお店ぐらい。
気さくな感じのおじさんとおばさんがやっている店で大根餅を買ってみました。
荻渓文史館では太平古鎮の歴史、生活や文化を紹介しています。
置いてあるものは、江南の古鎮でよく見る生活用品や農耕具などで特に変わったものはありません。
訪れる人は多くないので興味のある方ならゆっくり見学できてよいかもです。
南宋時代の官僚だった王皋の旧居が保存、公開されています。
王氏一族の子孫は代々この地に住み続けていたそうです。
太平古鎮のもうひとつ見どころが宋代に植えられたとされる銀杏の古木。
秋になると太平禅寺の入り口、利民橋のたもとに植えられた大きな銀杏の写真を撮りに来る人で賑わいます。
太平禅寺はもともと王氏によって明代に建立された一族を祀る祠でした。
時代とともに永里庵、後猛将堂などと呼ばれ、2004年に太平禅寺という名に改称されました。
この辺りはまだ公共交通で行くにはちょっと不便な場所にあります。
小さな古鎮なので、30分もあれば老街と周辺を一回りできます。
というか、こんな不便な所まできて30分で終わってしまうと。。
新しい喫茶店ができているので、こういう場所でのんびりするのもよいかもしれません。
今は老街の入り口が整備されて新しい駐車場や公園が造られています。
太平禅寺にはお寺の麺もあるようです。機会があれば食べてみたいと思っています。
太平老街の近く(4kmほど離れた場所)に盛澤湖月季園という大きなバラ園もあるのですが、
公共交通ではこちらに行くにもちょっと不便なので、車がないとなかなか足が向きにくいのが残念です。