木涜山塘街にある蘇州園林、古松園。
古松園は木涜の四大富豪のひとり、蔡少漁が建てた個人邸宅です。
古松園の敷地内に姚建萍刺繍芸術館があります。
大きいものから小さいものまで、様々な図柄、色とりどりの刺繍が展示されています。
オープンしたのは2004年なのだそうです。
でも、その存在は去年まで知りませんでした。
古松園の中に初めて入ったのも去年ですし。。
古松園の一番奥、池の向こうにある大きな建物が姚建萍刺繍芸術館です。
蘇繍(江蘇省蘇州)、湘繍(湖南省)、蜀繍(四川省)、粤繍(広東省)は、
中国四大刺繍と呼ばれています。
その中で蘇繍は最も古くからあるものとされ、蘇州では宋代にすでに産業化されていたようです。
2006年に中国の国家級無形文化遺産リストに登録されています。
姚建萍さんは蘇繍(蘇州刺繍)の伝承者です。
中国国内だけでなく国際的な著名人で、その作品は様々な賞を受賞されています。
また、英国を訪問した習首席夫妻がバッキンガム宮殿での晩餐会で、
エリザベス女王とフィリップ殿下の肖像を刺繍にした姚建萍の作品をプレゼントしたのだそうです。
余談ですが、この英国のくだりを調べるために中国語の記事を百度で翻訳してみたところ、
文章の中に主席の名前もしくは夫人の名前が入っていると翻訳できないことに気付きました。。
蘇繍には、両面の絵柄や色などが異なる両面刺繍、”双面三異繍”があります。
2人の職人が協力しながら1枚の生地の表と裏にそれぞれ異なる柄を刺繍します。
蘇繍以外の中国四大刺繍の特徴(全てネットからの受け売りです。。)は、
粤繍は色鮮やかな複雑な構図に花、鳥、動物などが描かれています。
湘繍は生き生きとした絵柄や強い質感が特徴です。
蜀繍は人物、風景、動植物などを立体感のある絵柄に仕上げています。
蘇州市は刺繍産業の伝統を守ることと、若い世代へ受け継ぐことにも力を入れているそうです。
伝統的なもの以外にちょっと今どきな感じの作品も展示販売されています。
(誰もいないので買えませんが)
ここで蘇繍を買いたいなら隣の建物にお店があります。
値段を見ると、最も安い文字の刺繍で600元ぐらいから、
絵柄のものは小さな刺繍でも数千元の値段がついています。
古松園の入園料は15元~20元ぐらいだったかと思います。
蘇州の休閑カードが利用できる場所には、古松園も含まれています。
古松園の中には姚建萍刺繍芸術館以外に刺繍の工房や王立鵬美術館もあります。
姚建萍刺繍芸術館を訪れる人は少ない(そもそも古松園に来る人が少ない)です。
また刺繍のお店と違って、ずっと同じ作品を見ていても声をかけてくる人がいないのでゆっくり見学できます。