1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

隔離のこと

2007-12-27 21:41:00 | Weblog
抗がん剤の投与が終わって1週間くらい経つと吐き気も治まり食欲も出てきます。でもその頃から白血球の値が下がってきます。正常な白血球の値は2000~8000/ulですが治療後1週間くらいで1000近くに落ちてしまいます。弱っている時、白血球はさらに下がり続け、娘の場合600にまで下がりました。
1000以下になると、感染予防のため個室に隔離されますが、母親である私はマスクをして病室にいることが許されました。しかし600になると部屋に入ることは許されません。食事を届けるために入室すると5分くらいで追い出されます。
娘はしばらく一人でテレビを見たり、本を読んだりして過ごさなければなりません。
先日の日経新聞の春秋欄にこんな記事が載っていました。

カーテンで仕切った二坪の床は患者用と付き添い用、二つのベッドでほぼ埋まる。国語辞典や算数ドリル、医療器具、ペットボトル、薬がひしめく。小児がんの子と親はこんな狭い空間で病との闘いを強いられるという。
子はつらく親も厳しい。寝にくいベッド。短時間での食事や風呂。着替えも落ち着いて出来ない。出費とストレスが無用ないさかいを生む。
こうした問題に悩まされずに済むような日本初の小児がん専門病院を作ろうと阪大病院の小児科医や患者の親たちがNPO法人チャイルド・ケモ・ハウスを立ち上げた。
施設の中心は治療場所。周りに患者の個室、その外に家族の部屋。家族は外から直接出入りでき、子供は中心部で自由に遊べる。患者と家族の部屋の仕切りはガラス壁なので隔離が必要なときも互いに顔を見ることはできる。

小児がんは不治の病から治る病気に変わりつつあります。
生還した子供たちは抗がん剤の後遺症に苦しみ、治療中の精神的な打撃を引きずって生きていかなければなりません。
今までは生き残ることだけが最終目標でしたが、これからは闘病生活の質を高めていく必要があります。
チャイルド・ケモ・ハウスが現実のものとなるよう祈るとともに「私にできることは何か」考えていきたいと思います。

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