1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

沖縄旅行のこと その1

2007-10-26 12:04:02 | Weblog
娘は「病気が治ったら海に行きたい」と言っていました。「海と広い大きな空が見たい」と。
沖縄の旅行雑誌を見ていた娘と私の友人は1枚の写真に釘付けになりました。
広い窓から美しい沖縄の海と空が見えるホテルの部屋の写真でした。
娘は、その頃にはもう寝たきりで起き上がる事ができませんでしたから、部屋のベッドに寝ていても海と空が一望できるその部屋が一目で気に入りました。
「絶対にここに行く!」
そこは八重山諸島の中央にある小浜島でした。西表島のとなりに位置する小さな島です。名古屋から沖縄那覇へ、そこから飛行機を乗り継いで石垣島へ。さらに船で小浜島へと渡らなければなりません。
余命3ヶ月と宣告されて、さらに床ずれのため移動の困難な娘をその島まで運ぶのは至難の技です。
旅行会社に相談しましたが「たぶん無理でしょう。」という返事が返ってきました。
しかし、あきらめてなんていられません。それこそ「わらにもすがる思い」でJALに電話をかけました。
「車椅子の方や病気の方にご搭乗いただく事ができます。ストレッチャーを座席に取り付け、そちらに体を固定していただきます。お医者様の診断書を添えてお申し込みください。」という答えでした。
早速手続きをはじめたところ「ストレッチャーを取り付けた機体は1日中そのままで飛び続けます。そのため実際の利用便だけではなく、その機体の運航に関係するほかの区間にも座席の確保が必要となります。一部の機体ではストレッチャーの装着が不可能な場合がございます。 お客さまの場合、名古屋→那覇間・那覇→石垣間の2航路についてお調べしてからご搭乗が可能かどうかお返事いたします。」
その返事が搭乗日の4日前になると言うのです。
ストレッチャー1台を取り付けるのに座席約10席を確保しなければなりません。4日前に座席がそんなに空いている保証はありません。ホテルだってキャンセル覚悟で予約しなければなりません。
小浜島はとても遠いです。

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