1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

抗がん剤の治療のこと その3

2007-10-23 00:56:01 | Weblog
先生の好意で、お正月を家で過ごすことができた娘は、元気を充電して病院に戻りました。年明けにはCTとMRIを撮り、手術の計画を立てる予定でした。
昨年、抗がん剤投与後に撮った写真ではがん細胞が死滅し、病巣部と健康な骨の間に、くっきりと境が出来ていました。
ところが年明けに撮った写真では、死滅したがん細胞と新しいがん細胞が混在しているのです。境もはっきりしません。
この写真を見て先生の顔が一瞬にして曇りました。「残念ですが、薬が効かなくなっています。」
やっと天国に這い上がってきたのに、いきなり地獄に突き落とされた気がしました。
先生方も「このまま治療を打ち切るか、手術に踏み切るか」迷われたようです。白血球の値が低いこともあって抗がん剤投与はしばらくお休みでした。
4月に入ってから幸いにも肺に転移がなかったので、手術に踏み切ることにしました。今回は左上腕骨と右ひざ関節の2箇所。上腕骨はほとんど肉腫に侵されていたので鎖骨代用、肩関節は人工関節を入れました。普通、骨肉腫の手術は1箇所なので摘出と再建手術で4~5時間で終わるそうですが、娘の場合2箇所しかも腕の再建に時間を要したので14時間かかりました。
それから1ヵ月後に、左ひざ関節と骨盤の手術をしました。
じつは上腕骨と両膝関節のことは娘に話してあったのですが、骨盤にも広がっていることは娘に話していませんでした。苦しい抗がん剤投与が無駄だったとはとてもいえなかったのです。
しかし手術の後、目を覚ました時に骨盤にもメスが入っていたと知ればもっとショックでしょう。手術の前日、骨盤にも出来ていることを話しました。
娘は「なんで隠すの。私の体のことなんだから、隠さないで全部話して。」と怒りました。その後、先生からお話があるときは必ず娘も同席しました。
翌日、2度目の手術も無事終わりました。



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