1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

沖縄旅行のこと その3

2007-10-29 16:40:09 | Weblog
飛行機の席は確保できました。
次はホテルです。
石垣島に飛行機が到着するのが夜8時です。石垣から小浜島に渡る船は終了しているので石垣で1泊しなければなりません。石垣空港の周りには車椅子で行けるホテルはありません。空港からホテルに移動するにはリフト付の介護タクシーが必要でしたので石垣のタクシー会社に電話をして介護タクシーをさがしました。石垣で1台だけあると言うタクシー会社に問い合わせると営業は夕方の5時までという返事でした。事情を話しましたが、営業時間は変えられないという事で断られました。
1つの難関を越えると次の難関が待っていました。
ここから先に進むことは出来ません。
石垣で泊まる予定にしていたEホテルに断りの電話を入れました。「残念ですが…。」そこでこの旅行は終わるはずでした。
ところが次の日、そのEホテルのフロントのSさんから電話がありました。
「何か方法がないかと探していたら福祉関係の会社に介護タクシーがありました。これでお嬢さんをホテルにお連れできます」と。
地獄に仏とはこんな時に使うのでしょうね。
Sさんのおかげで難関をクリアできました。

娘は手術の後から床ずれのため、お尻に大きな穴が開いていました。肉がえぐれて骨が露出していたのです。そのため、普通のベッドマットでは横になる事が出来ませんでした。床ずれ患者用のエアマットが必要でした。このマットは病院にさえありませんでしたのでフランスベッドのレンタルを利用していました。そんな特殊なマットが離島にあるわけがありません。
いま病院で使用しているものとは別にもう一つレンタルして島に送ることにしました。マットが用意でき、後は宅急便で送るだけでした。
ところが宅配業者に電話をすると「いまは12月で荷物が混んでいます。沖縄までなら間に合いますが、石垣にはその日にお届けする事が出来ません。」という返事が返ってきました。
「ここまでか?」
エアマットの手配などでお世話になっているフランスベッドの営業の方に何か方法がないか聞きました。「いつも使っている運送業者なら間に合うと思う。そこに頼めば?」とアドバイスをもらい連絡をとると何とか間に合わせられるということでした。
これで石垣島にエアマットが届けられることになり石垣島まではたどりつく事ができました。
次はリクライニングできる介護ベッドです。たとえ床ずれのためのエアーマットがあっても寝たきりでは痛みが出てきます。娘は10分おきにベッドを倒したり起こしたりして体重の移動を行います。そうすることで傷に力が集中しないようにしているのです。
石垣島のホテルにはバリアフリーの部屋があり、そこに介護用ベッドがおいてありました。
しかし、小浜島には介護ベッドがありません。いつもお世話になっているフランスベッドのレンタルも沖縄本島までしか運べないと言います。
もう一度石垣のSさんに相談しました。
空港からホテルまで介護車を出してくれる福祉業者の方が、介護ベッドを小浜島まで船で運んで組み立ててくれると言うのです。
毎回、難関をクリアするたびに涙があふれました。不可能だった沖縄旅行を可能にしてくれた人々のやさしさに感謝しました。
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