1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

最後のメールのこと

2008-02-08 06:19:45 | Weblog
母さん、今日のお昼は

2月8日午前9時57分これが本当に最後のメールです。
朝あの子がぐっすり眠っているのを確認して病院を出た直後に来たメールです。

あの子は好き嫌いがとても激しい子でした。
病院の食事は2年間ほとんど食べていません。最初は私が作ったお弁当。そのうちそれにも飽きてしまって「コンビニで何か買ってきて。」と言うようになりました。
ルームメイトのカズちゃんのご主人が毎回差し入れてくださるおかずも楽しみの一つでした。個室に入ると、この差し入れが食べられないので残念がっていました。
カズちゃんは娘より数ヶ月先に入院されていました。おばあちゃんと孫くらいの年の差がありましたが娘はカズちゃんと呼んでいました。カズちゃんは膠原病のために骨がもろくなり手術をしないと寝たきりになると先生から言われていました。
とても危険な手術でした。
「一か八かでやってみるわ。」持ち前の明るさでそう話されたカズちゃん。
手術は成功し、カズちゃんが退院される日、今まで弱音を吐かなかったあの子が言いました。「みんな私より後から入院してきたのに先に退院してしまう。カズちゃんまで退院しちゃう。」
返す言葉がありませんでした。

寒くなると温かいものをほしがりました。昼食は、コンビニで「レンジで暖める」ラーメン・うどん・ペペロンチーノ・カルボナーラ。夜は母作のおかずにトン汁といったメニューでした。

ここ数日は口の中にできた腫瘍のため噛む事がままならなくなっていましたので冷奴やうどんを食べていました。この日のメニューは確か「冷奴とコーンスープ」でした。

いそいで病院に戻ります。
コメント
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