すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。
ロシア情報③―「プーチン失脚」という情報 その2:230812情報03
午前9時のブログに引き続き、「ロシア敗北」という情報をお伝えします。
▼プーチンの後継者は誰???
では、誰がプーチンの後継者になるのでしょうか?
〈スティール氏によると、そうした要望に応えられる最有力候補は、ロシア連邦保安庁(FSB)のアレクサンドル・ボルトニコフ長官(71)だという。プーチン氏と同じくKGBの元将校であり、側近としてプーチン氏に長年仕えてきた人物だ。
2008年に同庁の長官職に就いて以来、ボルトニコフ氏は絶大な権力を思う存分に使ってFSBを「懲罰の剣」に変えたといわれている。
英シンクタンク「ドシエセンター」によると、FSBはいまや「プーチン政権の頭脳であり心臓と呼ぶことができ、国家の中の国家といえる存在になった」という。〉
これがMI6の見解です。プーチンも元FSB長官ですから、ボルトニコフがなってもおかしくはありません。しかし、私の意見では、ボルトニコフより安全保障会議書記パトルシェフの方が、影響力は強そうです。
ちなみにパトルシェフは、前FSB長官。彼らのどちらが権力を握っても、他の人物を大統領に据えて「黒幕」になる可能性があります。
〈別の後継者候補としては、オリガルヒの中からイーゴリ・セチン氏という人物の名前も挙がっている。同氏は現在、ロスネフチというロシア最大の石油会社の社長で、第2次プーチン内閣では副首相を務めたこともある。
またプーチン政権でロシア首相を務めたこともあるビクトル・ズプコフ氏(81)や、モスクワの南に位置するトゥーラ州の知事であるアレクセイ・ダイミン氏も後継者候補に挙がっている。〉
この3人が後継者というのは、あり得ない気がします。プーチンによってロスネフチのトップになったセーチンは、プーチンと一緒に没落するでしょう。
ズプコフは、年を取りすぎている。
トゥーラ州の知事、アレクセイ・ダイミンとありますが、ロシア語ではアレクセイ・ドューミンです。彼は、プーチンの元ボディーガードで、信頼を獲得した人物。プーチンに対する忠誠心で有名です。ということは、プーチン失脚と同時に、没落する運命のように見えます。
▼プーチン失脚後のロシアは?
では、プーチン失脚後のロシアは、どうなるのでしょうか?
元FSB長官プーチンの最有力後継者候補が、現FSB長官と、前FSB長官であるという現実が、未来を示しています。要するに、「プーチン路線が継承される可能性が高い」。
〈米ハーバード大学ケネディ行政大学院のカルダー・ウォルトン研究員は、ロシアが変わっていくことには否定的な見方をする。
タイム誌に述べている。「ロシアは独裁者の束縛から解き放たれ、西側諸国との関係を正常化し、民主主義の道を進むと考えたくなる。だがその考え方は間違っている」、「歴史が示唆するように、ロシアがそうなる見込みはほとんどない」。プーチン氏が去っても、ロシアという国家は強力な保安機関であるため、西側のような民主国家にはならないというのだ。〉
正直、私もそう思います。しかし、歴史では、しばしば予想外の事件が起こります。希望を持って行きましょう。実際、世界は、200年前100年前に比べて、どんどんよくなっているのですから。
いかがでしたでしょうか。
立場による見方で、ロシア勝利と見る人もいれば、ロシア敗北と見る人もいます。情報が入り乱れる中で、真実はなかなか見えてきません。何が起きているのかは相当時間がたたないとわからないのかもしれませんね。
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ロシア情報②―「プーチン失脚」という情報 その1 :230812情報02
0時のブログでは、ロシア側に立つ意見=「ロシアの完全勝利」という情報をお伝えしましたが、これからは反ロシアの立場に立つ、ロシアに長らく留学経験を持ちソ連崩壊を目の当たりにした政治学者の意見をお送りします。長文になりますので、午前9時と12時に分けてお伝えします。
★英秘密情報部MI6が描くプーチン政権崩壊の仕方
ウクライナ戦争が長引いています。そして、ウクライナの反転攻勢、なかなかゼレンスキーの思い通りには進んでいないようです。とはいえ、この期間に、
・プーチンに、国際刑事裁判所から逮捕状が出た。
・中立国だったフィンランドが、NATO加盟国になった。
・中立国だったスウェーデンも、NATO加盟を目指している。(反対だったトルコも、支持に転換した。)
・旧ソ連のウクライナ、ジョージア、モルドバが、EUに加盟申請した。
・欧州が、ロシア産原油、天然ガスの輸入をほぼ停止した。
・ロシアは、原油、天然ガスを激安で、人民元で、中国に輸出せざるを得なくなった。
・ロシアは、穀物合意から離脱し、中立だったアフリカ諸国が反発を強めている。
・プリゴジンが反乱を起こし、ロシア国内の「プーチン最強神話」が崩壊した。
・中国が、旧ソ連の中央アジア諸国と 「中国中央アジア運命共同体」を作ると宣言した。
つまり中国は、ロシアの勢力圏だった中央アジアを奪った。などなど。
1年半の間に、これほどたくさんの大事件が起こり、プーチンの権威は失墜、求心力はますます低下しています。これを私は、【 戦略的敗北 】と呼んでいます。今回は、イギリスの情報機関MI6がプーチン政権の未来について、何を考えているかについて、JBPress 8月4日付、堀田佳男先生の記事を参考にさせていただきます。
〈「西側諸国はプーチン政権の終焉に備える必要がある」 英ロンドンの情報局秘密情報部(MI6)でロシアデスクを担当していたクリストファー・スティール氏は7月末、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(70)が今後1年以内に政権を追われる可能性あると英メディアに語り、波紋が広がっている。〉
MI6は、プーチンが1年以内に失脚する可能性があると見ているそうです。なぜそういう結論になったのでしょうか?
〈プーチン支配の亀裂は、民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏(62)によるクーデターが頓挫したときに露呈した。スティール氏の上司で、MI6のトップであるリチャード・ムーア長官は今年7月、プリゴジン氏のクーデターが今のロシアのエリート層の深い亀裂を示していると指摘した。これはロシア政府内部が腐敗しているということに等しく、プーチン氏は対応できていないというのだ。〉
「プーチン氏は対応できていない」、まったくその通りでしょう。
6月24日の朝、プーチンは、「裏切り者は罰する!」と宣言しました。ところが夕方には、「お咎めなし」になった。プリゴジンは、どう考えても「国家反逆罪」でしょう。しかし、許されて、ロシアとベラルーシを自由に行き来しています。(もちろん、「暗殺される可能性」は大いにありますが。)
プリゴジンの乱でわかったこと。
「ロシアは、法治国家ではない」
「プーチンの決定は法律を超越している」
「しかし、プーチンの決定は、朝と晩で全く異なる」(朝令暮改)
要するに、「今のロシアは、何の基準もない無法国家であること」が全世界に示されたのです。
▼プーチンは、どう失脚する???
「プーチンは1年以内に失脚する」 では、MI6は、プーチンが「どんな風に失脚する」と見ているのでしょうか?
〈最初に挙げたのがロシア政府内の反乱分子による暗殺の可能性である。同時に、ロシア国外で練られた陰謀によって暗殺されるシナリオもあるという。さらに国内の反プーチン派による武装蜂起によって大統領の座を追放される可能性にも言及した。〉
つまり、
・国内の反乱分子による暗殺
・外国の陰謀による暗殺
・武装蜂起によって失脚する
それぞれ見てみましょう。
・国内の反乱分子による暗殺
これがあるとすれば、おそらく「諜報系」の人が主体になるでしょう。この記事にはありませんが、反乱を起こしそうなグループが三つあります。
一つ目は、安全保障会議書記パトルシェフのグループ。パトルシェフは、ロシアの実質ナンバー2で諜報を支配しています。(名目ナンバー2は、ミシュスティン首相。)彼が反乱を起こせば、成功する確率は、高いです。
二つ目は、軍参謀本部情報総局(GRU)系のグループ。
反乱の日、ロストフナドヌーに入ったプリゴジンは、GRUナンバー2のアレクセーエフと会っています。映像もあります。
プリゴジンは、アレクセーエフに、「ショイグ国防相と、ゲラシモフ参謀総長を受け取りに来た」といいます。するとアレクセーエフは、驚くべきことに、「ザヴェライテ!」(持ってってくれ!)といって微笑んでいるのです。(@1分4秒ぐらいから。)
それで、「GRUはプリゴジンの乱に協力していた。だからワグネルは、アッという間に100万人都市ロストフ・ナドヌーを制圧できたのだ」という説があります。
三つ目は、SVR将軍系のグループ。
SVR将軍は、日本のテレビでも時々紹介されています。クレムリンのインサイダー情報をYouTubeで配信している。彼らのグループもプーチン失脚を狙っているようです。
・外国の陰謀による暗殺
可能性があるとすれば、やはりアメリカ、イギリスが主体でしょう。
・武装蜂起によって失脚する
プリゴジンの乱で元気づけられた軍が反乱を起こす? ワグネルがリベンジをする? ちなみにMI6は、クーデター計画が水面下で進行中とみているようです。
〈「暴力的にプーチン氏を殺害、もしくは失脚させて、別の政治家かオリガルヒを政権トップに据えるという流れがあり、すでにそうした動きが見て取れる」〉
これ、一見「情報戦」とも考えられます。「MI6がそういってますよ」といえば、プーチンが側近に不信感を持ち、粛清を開始するかもしれません。しかし、私的には既述のように、「クーデター計画進行中」と思います。
(正午につづく)
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ロシア情報①―「ロシアの完全勝利」という情報 :230812情報01
ウクライナ戦争をめぐり、日本維新の会の鈴木宗男参院議員は8月10日のBSフジで、「何があってもロシアは負けない。大国で基礎体力がある」と述べ、欧米諸国の対ロ経済制裁についても「ロシアは困っていない。冷静に見るべきだ」と強調。欧米と足並みをそろえる日本政府に関し「米国の言いなりになっている」と批判しました。
この話を聞けば、たいていの人は鼻で笑うでしょう。かくいう私もその一人です。
しかし、長年にわたり親交のある元東大教授からは、「ロシア勝利」との驚くべき情報が寄せられています。東大の元教授はロシアに弟子がおり、彼らから寄せられる独自情報を伝えてきました。以下に、それを掲載し、しかし、別のロシア通からは「プーチン敗北」という情報もありますので、併載します。
どう判断するかは、読者におまかせしますが、私たちに伝わる情報は、つくづくと、立場による主観に基づくものだというのがよくわかります。お盆ということもあり、0時、9時 12時の三回に分けてお伝えします。
ロシアの完全勝利—元東大教授の情報
ロシアの70代の年金生活者、元共同研究者(核物理、計算科学)から、人生で、最高給料で就職したというメイルが来ました。人手不足、人材不足のようです。
世の専門家は、ロシアが理解できていません。ロシアの戦費はGDP数%になったとか、経常収支の赤字が・・・・議論していますが、ドイツとの西部戦線ではGDPの60%を費やしています。食べる物がなかったソ連崩壊のどん底(のモスクワ生活の経験あり)と比べれば、「裕福」な生活が維持できているようです。
「ロシア製マクドナルドもスタバも遜色ないし・・・店頭から消えたものは、無くても生きていけるものばかり・・・」
当初は、1ケ月持てばウクライナの完全勝利でした。ここで収める絶好のチャンスがあったのに、バイデンに誑かされ、戦争の儲けに目がくらみ、イケイケどんどん。
逆に、あと1年持てば、ロシアの完全勝利のようです。西側には兵器が無いようです。
西側の会社は投資リスクから、増産の設備投資は不可能。米国が出せる在庫は、クラスターか劣化ウラン爆弾。
米国も、ウクライナ、中国、イランの3面は不可能で、緊急のイスラエルーイラクに備えて、米ロ間で落としころ、ウクライナを捨てる議論が始まっているようです。
これに比べて、ロシアは兵器産業の民営化に失敗して、近代化に遅れましたが、この前近代体制が、戦争が広い産業(衣食)の活性化になって(20世紀の西側経済)いるようです。
西側のドローンは民需から始まりましたが、ロシアは最初から、単脳(能)の小回りの効かない無人兵器・ドローンで、ハード(爆発力)は西側を凌駕します。この「ランセット」の増産が始まっており、この改良型(元同僚の専門)も年内にできるようです。これは、核兵器よりもリアルなNATOを脅す代物になると思います。
午前9時頃に、真逆の情報「プーチン政権の崩壊 その1」をお送りします。
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