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赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ドル崩壊と大不況!?

2023-08-18 00:00:00 | 政治見解



ドル崩壊と大不況!? :230818情報


2023年春、アメリカやスイスで相次いだ銀行の破綻と株価急落。

一見、単なる金融の問題と思いきや、この一連のニュースには信じがたい事実が隠されていると指摘する人がいます。その方は、2008年のリーマン・ショックが起きた時、その数年前から水面下で起きていた“ある出来事”と酷似しているというのです。

どういうことなのか、解説をしていただきました。




★米中通貨戦争の行方

私は最近、皆さんに「気をつけてください」と警告しはじめました。

リーマン・ショックが起こる前の2005年、私は「アメリカ発の危機が起こり、アメリカは没落しますよ」という内容の本を出しました。その3年後、「リーマン・ショック」から「100年に1度の大不況」が起こり、「アメリカ一極世界」は崩壊しました。

なぜ、私はこの動きを予測できたのでしょうか?

「アメリカ不動産バブル崩壊」は2006年。
「サブプライム問題顕在化」は2007年。
2005年には、何の徴候もなかったのでは?

あったのです。なんでしょうか? 「ドル体制に挑戦する動き」です。
具体的には?
・1999年、欧州共通通貨ユーロ誕生。
・2000年、サダム・フセインが、イラク原油の決済通貨をドルからユーロにかえる。
       ユーロ紙幣、硬貨流通開始。
・2003年、イラク戦争開始。

拒否権を持つ国連安保理常任理事国のうち、フセインをそそのかしたフランス、ロシア、中国が、イラク戦争に反対。それでアメリカは、国連安保理を無視して開戦。しかも、開戦理由(フセインは大量破壊兵器を保有している、アルカイダを支援している)が大うそであることが後に判明。アメリカは速やかにフセイン政権を打倒し、イラクの原油決済通貨をユーロからドルに戻しました。しかし、世界の「ドル離れ」は止まらなかったのです。

・2006年、ユーロの紙幣流通量がドルを超えた。
・2007年、原油価格高騰でウハウハだったプーチンが、「ルーブルを世界通貨にする」と宣言した。
・2007年、イランが原油のドル決済を停止。
       その他、南米共通通貨、アフリカ共通通貨、湾岸共通通貨などの創設が議論されるようになっていました。

・2008年1月、ジョージ・ソロスは、「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終焉を意味する」と超爆弾発言。そして、2008年9月15日、「リーマン・ショック」から「100年に1度の大不況」がはじまったのです。

これで、「アメリカ一極時代」は終焉し、2009年から「米中二極時代」がはじまりました。


▼再び起こっている「ドル離れ」

さて、前回の危機は、1999年のユーロ誕生。2000年、フセインがイラク原油の決済通貨をドルからユーロにかえたこと。2003年、イラク戦争。という感じではじまっていきました。「ドルに対抗する通貨ユーロが誕生し、広まっていったこと」が危機を誘因したのです。

そして、再び世界で「ドル離れ」が起こっています。ドル体制、今回の敵になっているのは「人民元」です。

何が起こっているか、いくつか例を挙げておきましょう。

・SWIFTから排除されたロシアが、「人民元圏」にくみこまれた。
・ブラジル、アルゼンチンが、 中国との貿易を人民元で行うようになった。
・南米共同体で、「南米共通通貨構想」が復活してきた。
・中国中央アジアサミットで、「運命共同体」を 創ることが合意された。
中央アジアが将来「人民元圏」に組み込まれることは、ほぼ確実。

さらに、『フォーブス』6月5日付。
<インド、パキスタン、イランを含む9カ国の中央銀行から成るアジア決済同盟(ACU)は、既存の主要な国際決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)に代わる新たな金融メッセージシステムを今後数週間で立ち上げる計画だ。現在ACUの議長国を務めるイランの関係筋によると、先月24日に首都テヘランで開かれた会議で、1カ月以内に新制度を立ち上げることで合意に至った。>

「アジア決済同盟」(ACU)

皆さんご存知でしたか? ウクライナ戦争でロシアが排除されて困った国際決済システム「SWIFT」に替わるシステムです。ちなみに中国には「CIPS」というのがあります。

ACUの参加国は、バングラデシュ、ブータン、イラン、インド、モルディブ、ネパール、パキスタン、スリランカ、ミャンマー 要するに、この9か国が取引するときは、「SWIFTをつかわず、ACUでやりましょうよ」と。メンツを見ると、インドが参加しているのがとても気になります。

しかし、他のメンツを見ると、「ドル体制にとってそれほど脅威ではないかな」と思えるかもしれません。ですが、これは「ドル離れという大きなトレンドの一つ」ととらえるべきです。

というわけで、前回の危機は、「ドル 対 ユーロ」の戦いだった。これから訪れるかもしれない危機は、「ドル 対 人民元」が原因になる可能性が高いのです。

この戦い、今何が起こっていて、これからどうなるのでしょうか?



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