赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ノーベル賞学者が見る中国の未来

2023-08-07 00:00:00 | 政治見解



ノーベル賞学者が見る中国の未来 :230807情報


中国の未来について、ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンの意見を引用しながら解説する方がいましたので、引用させていただきます。



私は、2005年出版の「ボロボロになった覇権国家アメリカ」で、こんな予測をしていました。
・2008~2010年に危機が起こる。
・しかし、中国は危機を短期間で克服する。
・中国の高成長は、2020年まで。
実際に2008年に危機が起こり、中国は速やかに乗り切りました。そして、概ね2020年まで高成長をつづけたのです。

なぜ18年前に私は、中国経済が「こうなること」を予測できたのでしょうか? それは「国家ライフサイクル」で見たのです。

国家ライフサイクルには、
・前の体制からの移行期(=混乱期)
・成長期(前期と後期がある)
・成熟期
・衰退期
があります。

日本は、1950年から成長期に入り、1990年までつづきました。その後バブルが崩壊し、成熟期、低成長の時代がつづいています。中国は、ざっくり1980年から成長期に突入しています。つまり、中国は「30年遅れて日本の後を追っている」のです。

検証してみましょう。

日本1950年代 = 成長期に突入
中国1980年代 = 成長期に突入

日本1960年代 = 安かろう悪かろうで急成長
中国1990年代 = 安かろう悪かろうで急成長

日本1970年代 = 世界の工場に
中国2000年代 = 世界の工場に

日本1980年代 = 「ジャパンアズナンバー1」「日本はアメリカを超える」と誰もが思い始める
中国2010年代 = 「中国はアメリカを超える」と世界のほとんどの人が考え始める

というわけで中国は、まさに「ぴったり30年遅れで、日本の後を追っている」ことがわかります。

問題は、次です。

日本1990年代 = 「暗黒時代」に突入
そうなると、
中国2020年代 = 「暗黒時代」に突入
ということになります。
これが、私が18年前に見た、「中国経済の未来」でした。そして、実際にそうなっているのです。

(もちろんここでは、「骨子」だけを話しています。実際の分析は、もっと複雑です。)

初めての本から18年経ち、ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンが、日本経済と中国経済を比較しています。中国経済は、90年代の日本のように「暗黒時代」に突入するのでしょうか?

ビジネスインサイダージャパン 8月2日を見てみましょう。

〈中国経済は減速に向かっていると、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンは考えている。クルーグマンは、中国と90年代に経済が衰退した日本との類似点を指摘する。人口動態に強い逆風が吹いていることから、中国の将来はさらに悪化する可能性が高い。

中国経済は大きな減速に向かっていると、ノーベル賞受賞経済学者のポール・クルーグマン(Paul Krugman)は考えている。彼は、2023年に入ってからの期待外れな中国の経済パフォーマンスを、日本の経済力が衰退し始めた90年代の経済的苦境と比較した。

クルーグマンは2023年7月25日に公開されたニューヨーク・タイムズへの寄稿文にこう記している。

「中国は最近失速しているように見えることから、将来的に日本のような道を歩むのではないかと言う人もいる。それに対する私の答えは『おそらくそうはならない。中国はもっと悪くなるだろう』だ」〉


中国は90年代の日本より、「もっと悪くなる」とノーベル賞学者クルーグマンさんがいっています。中国は、世界の覇権を取れないまま、衰退しはじめることでしょう。そしてアメリカも、20世紀に前覇権国家イギリスが衰退したように、21世紀を通じて影響力を落としていきます。

これからは、中国ではなくインドの時代になっていくでしょう。




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