赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

百条委員会 委員の事前査定 コラム(205)

2017-03-01 14:40:24 | 政治見解



コラム(205):百条委員会 委員の事前査定


都議会に百条委員会(豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会)に23名の都議が委員に選任されましたが、彼らがどこまで問題の真相究明の力があるか、その本気度を政党別に事前査定してみます。


東京都議会自由民主党(11名)

百条委員会設置に最後まで反対した自民党都議団は、最初から真相を究明するつもりはありません。豊洲利権に関与した都議19名は全員自民党議員です。(current topics(197):豊洲利権に関わった人びと、ご参照)。しかも、委員長の桜井浩之氏をはじめ、利権に絡んだ議員の4名が委員になっています。自分で自分の罪状を暴くはずはなく、本気度はゼロです。

また、百条委員会の設置を執行部に求めた有志の会の代表が、内田茂氏の盟友の野村有信氏であり、当然のことながら事前に打ち合わせを済ませています。

さらに、内田氏は夏の都議選に不出馬表明をしましたが、都連での実権を手放す意思はありません。したがって、自己保身と自民党都議団の自己保存のため、石原慎太郎氏をスケープゴートに仕立て、自分たちに批判の矛先が向かわないよう仕組んだだけのことです。

全国中継される都議会で、豊洲の闇に強く迫ることのできない自民党議員の姿は、国民に大きな失望感を与えることになると思います。


都議会公明党(4名)

百条委員会は党の威信をかけて鋭く問題の本質に迫ると思われます。4名の議員の中で、理事の上野和彦氏は、従来から都議会自民党との関係が深いので糾明力はありませんが、他の公明党議員の追及に期待が持てそうです。


東京改革議員団(3名)

2会派に分かれていた民進党の議員団が合流して、東京改革議員団と名称を変更しました。小池都知事の都政改革寄りであることを印象付けようとしていますが、民進党議員はもともと、政策に関わる研究や学習を怠っているので、まともに追及する能力はありません。


日本共産党東京都議会議員団(3名)

従来から一貫して豊洲移転を問題視していた共産党は他の政党に比べ、調査資料や数値データなどを豊富に持っています。石原氏に対する訴訟弁護士団との連携で、新たな事実が暴露される可能性も高く、真相究明の起爆剤になると思われます。


都民ファーストの会 東京都議団(1名)

幹事長の音喜多駿氏の質問スタンスは、政党としての自己主張やパフォーマンスとは違い、都民の立場で筋の通った正当性の高い質問になりそうです。




百条委員会は都議選の最大の焦点

上記の表は、百条委員会のメンンバー表ですが、本気で事実を究明する意思のある都議に○印を付しました。本気度のある政党は、公明、共産、都民ファースト、生活者ネットワークの計8名で、23名の委員中の1/3です。

豊洲移転の経過と責任の所在、利権に関与した人物を徹底的に究明し、闇に隠された真実を明らかにしていくには必ずしも万全の態勢とは言えません。

2月27日のcurrent topics(236)で、豊洲移転のキーマンである石原、浜渦両氏が出席しない可能性について言及しました。たとえ彼らが来なくても、都の職員や東京ガスの関係者から重大な証言を引き出せる可能性があるので、粛々と行われなければなりません。

闇を徹底的に洗い出し、膿を出し切ることが百条委員会の真の目的です。


自民党都議団は何人かの評論家などの口を借りて、「百条委員会を都議選の争点にするな」と言っています。しかし、今回の百条委員会のテーマこそが、国民が一番知りたい部分であり、一番解決してほしい部分でもあります。したがって、来る都議選の最大の争点になることは明白なのです。

都民の立場に立って安心安全を優先させようとするのか、既得権益を守ろうとする立場に立つのか、その一挙手一投足が注視されていることを忘れてはなりません。



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