クラシック界の帝王と称されたカラヤンも鬼籍に入って20余年。
すでに伝説の指揮者ということでしょうか。
このCDは、彼の生誕100年を記念してリリースされたサントリーホールにおける1988年5月5日のライブ録音なのですが、これが彼の(本邦での)ラストコンサートとなりました。
収録されている曲は、
・モーツアルト 交響曲第39番 変ホ長調 K.543
・ブラームス 交響曲第1番 ハ短調 作品68
で、オーケストラは、彼の手勢ベルリンフィルです。
いずれも、曲の隅々まで気配りの行き届いた完璧な演奏です。
少々、緊張を強いられますが、これ以上の演奏はないのではと安心して身を任せられます。
こうした完璧な演奏を耳にすると、演奏の結果としての音はその場で消え去りますが、録音という手段を通して残された音楽は、絵画や彫刻と同様に人類遺産的価値を持つのではないかと思いました。
終演後のすさまじい拍手と歓声は、当日のコンサートの雰囲気を伝えています。