田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

ウイーン楽友協会のヒラリー・ハーン

2009年04月30日 | 音楽三昧

少し気温が上がって、大分過ごしやすくなりました。
薪ストーブを焚き続けて10時間。室温が25℃を越え、ようやくゆったり生活できるようになりました。家全体が冷え切ってしまうと、暖め直すのにこんなに時間がかかるとは思ってもいませんでした。

26日、ウイーン楽友協会でヒラリー・ハーン嬢のヴァイオリンコンチェルトを聴きました。

昨今、世界的なソリストとして最も注目されている米国のヒラリー・ハーン嬢のコンチェルトが聴けるというので、旅先で我儘を言い、ツアーを抜け出して聴きに行きました。評判に違わず、すばらしい演奏でした。

アーチスト
Wiener Symphoniker
Yakov Kreizberg, Derigent
Hilary Hahn, Violine

プログラム
Felix Mendelssohn Bartholdy
 ・Overture "Die Hebriden", op. 26

Jean Sibelius
 ・Concert for Violine and Orchestre d-Moll, op. 47

Dmitri Schostakowitsch
 ・Symphonie No.6 h-Moll, op. 54

聴衆は、圧倒的に熟年世代で占められ、日本のコンサートとは大分異なる雰囲気でした。つまり、当地では会員制度が普及していて、コンサートは、これらの会員中心に運営されているように感じました。聴衆の耳も肥えていて、演奏の良し悪しに敏感に反応するようでした。

ちなみに、今回のコンサート。ハーン嬢が登場したシベリウスのコンチェルトでは、拍手が鳴り止まず、ソリストによるアンコール演奏がありましたが、続いて演奏されたショスタコヴィッチの第6番では、さっさと席を立ち、アンコールもなく、すぐお開きとなりました。

それにしても、このホールの音の良さには感心しました。
毎年正月に、ウイーンフィルによるニューイヤーコンサートが中継されるので、ホールの様子はご存知の通りです。

ちょっとライブ過ぎるのではと思われるのですが、そこで演奏されるハーン嬢のヴァイオリンの何とも魅力的な音。管楽器の浸透力のすばらしさ等々、このホールならではの音の良さに聞き惚れました。写真は、ハーン嬢の公式
HPから借用しました。 


Standing ovation~キーシンリサイタル

2009年04月29日 | 音楽三昧

旅行で10日ほど留守にしました。
昨夜帰宅すると、まだ、積雪が3~40cm残っています。
留守中には雪も溶けて、花壇には、花があれこれ咲いていると思っていたので、ビックリでした。

また、とても寒くて震え上がりました。室温は12℃ほど。
早速、薪ストーブに火を入れましたが、5時間焚いても本格的な暖かさが戻りません。

19日、サントリーホールでキーシンのピアノリサイタルを聴きました。さすが世界のキーシン。プロコフィェフの難しい「戦争ソナタ」などもあったのですが、さらに凄みを増した演奏の虜になってしまいました。

プログラム

プロコフィェフ:バレエ「ロメオとジュリエット」からの10の小品OP.75より 
 ・少女ジュリエット
 ・マキューシオ
 ・モンタギュー家とキャピュレット家

プロコフィェフ:ピアノソナタ第8番変ロ長調Op.84「戦争ソナタ」
 ・第 1楽章:アンダンテ・ドルチェ
 ・第 2楽章:アンダンテ・ソニャンド
 ・第 3楽章:ヴィヴァーチェ

ショパン:ポロネーズ第7番変イ長調Op.61「幻想ポロネーズ」

ショパン:マズルカ Op.30-4,0p.41-4,0p.59-1

ショパン:12の練習曲Op.10より
 ・第 1番:ハ長調
 ・第 2番:イ短調
 ・第 3番:ホ長調「別れの曲」
 ・第 4番:嬰ハ短調
 ・第12番:ハ短調「革命」

ショパン:12の練習曲Op.25より
 ・第 5番:ホ短調
 ・第 6番:嬰ト短調
 ・第11番:イ短調「木枯らし」

アンコールは7曲。
モーツアルトとプロコフィェフが2曲、ショパンが4曲。1時間にも及ぶアンコール演奏は、初めての経験でした。

会場に灯が入ってからも、去りがたい聴衆は総立ちで、彼のすばらしい演奏に拍手を送っていました。

もうひとつ、気がついたこと。
やはりこのホールは、音がいいですね。
いつもの札幌Kitaraに比べ、演奏される音が曖昧にならず、ピシッとピントが合っていて小気味良く、演奏に身をゆだねることができます。
 


ヤチブキの咲く春

2009年04月18日 | 田舎暮らし

朝の眩しいほどの日差しも、10時頃にはなくなって、お天気は下り坂です。午後には雨になるようです。

もう咲いているに違いないと、近くの沢筋に下りてみました。お目当ては、ヤチブキ(エゾノリュウキンカ)です。

昨年よりは、少ないようでしたが、それでも水の少ない沢筋で、けなげに咲いていました。

この花を見ると、北国に住む私たちは、春の到来を確信するのです。今は、けなげに見えるヤチブキですが、2週間も過ぎると、もう沢筋を埋め尽くすように生え広がって、わが世の春を謳歌するようになります。

一緒に咲く蕗の薹も、ジャンボでたくましさを感じさせます。

薄汚れた雪面には、蔓アジサイの枯花が咲いています。



北国の遅い、確かな春の佇まいです。

 


椎茸のほだ木作り

2009年04月17日 | 田舎暮らし

今日のニセコは、朝からピッカピカの晴天です。
昨日までと違い、今日はグッと暖かくなるそうです。

昨年春、3年ほど前に仕込んだほだ木から、美味しそうな椎茸がニョキニョキ出てきて、その生命力の不思議さに感動しました。

そこで、この春もほだ木を作ろうと思い、ご近所の方に無理強いして、ご一緒していただくことにしました。

手順書によると、ほだ木の原木は、本来なら秋口までに伐採して乾燥させて置くとのことでしたが、思い立ったのが真冬だったので、兎に角、樹木が目覚めない3月中旬には(原木を)用意しようと、周囲の林に入り、適当な太さのミズナラの枝を数本伐採しました。

これを雪の上に1ヶ月ほど放置し、先日、この原木を90cmの長さに切りそろえ自宅に運び込みました。拙宅では、12~3本、ご近所の方のところでは、30本ほどの原木ができました。

これは、ホームセンターから購入した椎茸の種菌(種駒)です。1パックに種駒が400ヶ入っています。1本の原木に20~30ヶ植えるとして、15本ほどのほだ木ができる勘定です。ご近所の方には、2パック購入していただきました。

連休明けにも、専用の錐(9.2mm径)で原木に孔を空けながら、種駒を打ち込んで行こうと思っています。

こうして作るほだ木から、椎茸が収穫できるようになるのは、うまく養生すれば、ふた(二)夏を過ぎた秋口から、何もせず放っておくと、3年後の春から収穫できるようになります。何とも、気の長い話です。

しかし、実際に、椎茸がニョキニョキ出てきた時の感動は忘れられません。美味しさも格別です。以後3~4年間、毎年、春と秋に収穫できます。

 


「出星前夜」は落選~本屋大賞

2009年04月16日 | 読書三昧

 朝起きて階下に行くと家内が「雪よ!雪」と言う。
道理で寒いわけだと思いつつ、ベランダを見るとうっすらと雪が積もっていました。
 

先日、何回かに分けて、公道に面した花壇の雪かきをして、ようやく花をつけたクロッカスですが、今朝は、この寒さに震えていることでしょう。

「全国の書店員が選んだ一番売りたい本」をキャッチフレーズに、2004年に設立された「本屋大賞」。今年の受賞作は、湊かなえさんの「告白」に決まった。

事前の報道で、飯嶋和一氏の「出星前夜」がノミネートされているというので、期待していましたが、一方、かなり重い内容なので、読者層を考慮するとちょっと無理かなとも思っていました。

今年の受賞作は、まだ読んでいないので何とも言えないのですが、例えば、昨年の受賞作、小川洋子さんの「博士の愛した数式」は、とても良かったし、その後映画化され、大ヒットしました。

全国の本屋さんで働く書店員の皆さんが、今年は「これを読んで!」と推薦する本は、人間の日々の生活に根ざした物語の良さ、構成の巧みさがあります。

次は、今年のノミネート作品です。wikipediaから借用しました。

 1 「告白」 湊かなえ(双葉社)
 2 「のぼうの城」 和田竜(小学館)
 3 「ジョーカー・ゲーム」 柳広司(角川書店)
 4 「テンペスト」 池上永一(角川書店)
 5 「ボックス! 」百田尚樹(太田出版)
 6 「新世界より」 貴志祐介(講談社)
 7 「出星前夜 」飯嶋和一(小学館)
 8 「悼む人」 天童荒太(文藝春秋)*直木賞受賞作 
 9 「流星の絆」 東野圭吾(講談社)
10 「モダンタイムス」 伊坂幸太郎(講談社)

 


上杉隆「ジャーナリズム崩壊」を読む

2009年04月14日 | 読書三昧

今日のニセコは、時々薄日の射すお天気でした。
雪面を渡って来る風は冷たく、先日までの暖かさはどこへ行ってしまったのでしょうか。

徹底した取材と精緻な分析で、既成のジャーナリズムを向こうに回して鋭い論陣を張るフリージャーナリスト、上杉隆氏の「ジャーナリズム崩壊」を大きな驚きと共に読みました。

日頃、NHKの政治報道のうさん臭さや、また、産経・読売等の右寄りジャーナリズムに怒りを感じながら、日々のマスコミ報道に接していますが、なぜ、日本のジャーナリズムが、自らの使命である「権力の監視」を放棄し、与党政治家に擦り寄り、各社横並びの金太郎飴的報道に堕しているのか、今日まで知る機会がありませんでした。

著者は、自らの経験を踏まえ、日本のジャーナリズムが持つ決定的な弱点は、全国紙や放送メディア等の記者で構成され、政府、省庁、警察、行政、政党等に設置されている「記者クラブ」にあると指摘します。これが取材先と持ちつ持たれつの関係を生み、海外特派員やフリーランスを締め出しつつ、既存の権力構造と癒着しているといいます。

また、同氏は、日本のジャーナリストの養成過程にも問題があると指摘します。つまり、マスコミ各社は、社会経験のないまっさらな新卒者を採用して、自社のカラーに染め上げつつ、組織に従順な人材を養成している。ジャーナリスト精神よりは、問題を起こさずサラリーマンとして勤め上げることを期待する人材養成になっていると指摘します。

権力に都合の悪い記事を書くよりも、自社の組織に順応し、その流れの中で立身出世に生きがいを見出すような記者から、事の本質を見抜いた鋭い政治・社会批判は生まれて来るはずがないと言い切ります。一読をお勧めします。

上杉隆氏の略歴
・1968年福岡県生まれ
・NHK報道局勤務の後、著名政治家秘書5年
・ニューヨークタイムズ東京支社勤務
・2002年からフリーランスの記者として活躍
・主な著作
 「田中真紀子の恩讐」(小学館)
 「小泉の勝利 メディアの敗北」(草思社)」
 「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」(新潮社)

 

 


とても良かった~ドラマ「駅路」

2009年04月12日 | 田舎暮らし

今日のニセコは、強い日差しの射す良いお天気です。
ただ、風が強いので、周囲の立ち木がゴウゴウと鳴っています。

昨夜、フジTV系で放映されたドラマ「駅路」はよかったですね。久しぶりに、視聴後の余韻を楽しむことができるドラマでした。

松本清張の原作を向田邦子が30年も前に脚色し、「北の国から」の制作で知られる杉田成道氏が演出した完結もので、見ごたえのする人情味溢れるドラマに仕上がっていました。

物語も、本も、演出も良ければ、(そして、たぶんお金もきちんとかければ)感動をよぶドラマが出来ることを示してくれた点で、一視聴者としては、大いに安心した次第です。

それにしても、人間というのは、何と哀しい存在なのでしょうか。

主人公の若い女性が、定年後の男性と知り合って愛し合うようになるのですが、結局、その女性は、自らの女としての将来にあれこれ悩み、逃避行のデートに出向きませんでした。

そして相手の男性は、この約束の日時を知っていた従妹の女性夫婦に殺され、まとまった金を奪われてしまいます。

日々の人間の暮らしというのは、このドラマのように、あれこれ悩み、愛憎の狭間を行き来するものなのでしょう。そうした等身大の人間を描きながらも、感動と言う果実を実らせる仕事はすばらしいと思います。

刑事役の役所広司さん、不倫女性を演じた深津絵里さんの好演も光りました。深津さんは、「博士の愛した数式」での家政婦さん役も印象に残っています。

 


春の林を歩く

2009年04月04日 | 田舎暮らし

昨日はとびきりの快晴。
気温も8℃くらいまで上がって、いよいよ春本番モードです。

そこで、夕方、近くのゴフル場の周囲を歩いてみました。

お山(羊蹄山1,898m)も春の強い日差しを受けて輝いています。

ゴルフ場の(18番ホールの)池には、キンクロハジロの群れが、春の日を楽しむかのように滑っています。

林の中も、小川がすこし顔を出して、春一番に花を咲かすヤチブキなどが、今は遅しと待ち構えています。

こうして、ニセコの遅い春も急速に準備を整えつつあります。 

 


ナイジェリア詐欺

2009年04月03日 | ドラミング

今日のニセコはとびきりの快晴です。
雪面の反射もあって、強烈な日差しが差し込んでいます。

先日、古いノートパソコンをインターネットオークションで売却したのですが、その際、出品者に対する質問欄に、カナダから英文による照会がありました。

曰く、あなたが出品しているパソコンを、ナイジェリアに住む弟にプレゼントしたい。ついては、あなたの銀行口座に2,000ドルを送金するから、それをパソコンの代金と送料に当てて欲しいと。

エェッ! 何でカナダからこんな引き合いがあるの? 
しかも日本製のパソコンをナイジェリアへ送ってどうするつもり?と思いつつ、メールでやり取りをしていたのですが、その内、出品していたパソコンは、本邦の方が落札し、売却が決まってしまいました。

そこで、カナダからの照会に対しては、「売れてしまったので、対応不能」と書き送ったところ、今度は、他に適当なパソコンを紹介してくれ、それをナイジェリアへ送ってくれ。代金はいますぐ送金する。すぐ口座情報を知らせ、と矢の催促。

せっかくの照会なのでめんどうをみてやってもいいかと思い、他の出品者と連絡をとって商品の予約をした上で、送付方法などの調査をしていたのですが、その間も、先方からは「早く口座情報を送れ、金を振り込む」との督促が続きました。

それにしても、日本語のパソコンがどうしてナイジェリアで必要なのかという質問に、何も答えないまま、口座情報の開示をせっつくことに違和感を持ち、検索サイトで調べてみてビックリ!! この手の手法は「ナイジェリア詐欺」と呼ばれ、古くから存在しているとのこと。

昔は、やれ石油の利権を買わないかとか、高額の闇金があるが利用しないかとか、あの手この手で詐欺を働く国際グループが、ナイジェリアを拠点に暗躍していたようですが、最近は、手口も小振りになって、せいぜいパソコンをだまし取るとか、口座情報を入手して、あわよくばそこから預金を引き出すとかいう手口に変って来ているようです。

上記から、即座にコレポンを中止して、先方からのメールは自動廃棄するよう設定して関係を絶ちました。それにしても、こちらの好意を逆手にとって悪さをする詐欺団には怒りを覚えます。皆様もどうぞお気をつけ下さい。