田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

抱腹絶倒~コリン・ジョイス著「「ニッポン社会」入門」

2011年02月15日 | 読書三昧

日本についての知識が皆無の英国人記者が、初めて日本に住んだらどんなことになるか、想像しただけでも面白そうです。

まして新聞記者という何につけ興味を示す特殊な人種であってみれば、結果は抱腹絶倒。この本を札幌から帰る電車の中で読み、思わず何度か吹き出して、周囲から変な目でみられてしまいました。

特に印象に残ったのは、日本語の持つ微妙な表現の的確さ、あるいは、日本人が作り出す言葉の妙を紹介しているくだりです。

例えば、「猿も木から落ちる」や「猫に小判」という諺は、その極であると言います。つまり、これほど事態をあるいは、事象を的確に表現した言葉は英語にはないと。

また、「億ション」、「マザコン」、「勝負パンツ」や「おニュー」などなど。こうした絶妙な表現は日本人独特のものだし、著者は、これらを英語に翻訳するアダプターを持ち合わせていないことに誇りを感じるといいます。

ここでは、言葉を例に出しましたが、日本人の外国人に対する異常なまでの親切心や、正確無比の電車運行や公衆トイレの自動洗浄便器など、日頃、そこに埋没して暮していては気付かない日本人とその社会の持つすぐれた諸点についても再認識させられます。
ご一読をお勧めします。