田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

心地良い~石田衣良著「再生」

2011年06月30日 | 読書三昧

人気作家のちょっといい話12話。
06年12月から2年半にわたり「野生時代」に連載された短編小説12編を収めています。



そこには、秩序が崩壊した現代社会にあって、仕事や人間関係に悩みながらも、明日を信じて必死に生きる人々が描かれています。

著者はあとがきで、「多くの人と同じものを見て、同じように苦しむ力。それが作家にとって一番信頼できる能力なのです。」といっています。それが、この小説を心地良い暖かいものにしています。

物語のひとつをご紹介すると、

"彼は、高校卒業後40年清掃車を運転してきた。定年後は、毎日好きな将棋を指して暮せると思った。しかし、2週間で飽きた。

そこで、タクシー運転手になるべく講習を受け、運転や接客などの実技はパスしたものの、地理の試験はどうしても受からない。

熟年世代の彼に東京の地理をすべて暗記するのはきつ過ぎる。そこで自転車で都内を隈なく走り回り、8回目の試験に挑戦する~"

ご一読をお勧めします。


大きくな~れ

2011年06月29日 | 田舎暮らし

毎日、はっきりしないお天気が続いているためか、野菜の生育ももうひとつで、期待通りにはなりません。

そんな中、ひとりズッキーニだけは、大きな葉を四方に延ばして、花をつけています。今朝、20cmほどになった幼果をとりましたので、早速、炒め物にして食べてみようということになりました。

トマトもキュウリもそこそこの丈にはなって来ましたが、果実をつけるのはもう少し先になりそうです。早く大きくな~れ、といった心境です。


白星発進~なでしこジャパン

2011年06月28日 | ギャラリー

昨夜行なわれた女子ワールドカップサッカーBグループ第1戦、日本対ニュージーランドの試合をテレビで観戦(応援)しました。

日本は、幸先よく初戦に勝って勝ち点3をあげました。
同グループの他の試合、メキシコ対イングランドは、1対1で引き分けました。

この試合、両者の実力差がはっきりした試合でした。
日本は、終始ボールをキープして、はやいパス回しから相手ゴールを攻めるのに対し、ニュージーランドは、大きな縦パスを前線に出して、それをフォローするという一本調子の攻めに終始しました。

前半12分には、この大きな縦パスから中央にあがったクロスを頭で合わされ失点してしまいました。

ただ、日本のボール支配率65%が示すように、実力差ははっきりしているで、順調に行けば予選突破は間違いないと思いました。

蛇足:この大会の開幕戦、グループAの地元ドイツ対カナダの試合も(録画で)見ましたが、7万人の大観衆で埋まったベルリンのメインスタジアムでの壮絶な戦いでした。結果は、ドイツが2対1で勝ちましたが、ランク6位のカナダも強いチームだと思いました。


頑張れ!~なでしこジャパン

2011年06月27日 | ギャラリー

2011 FIFA女子ワールドカップが開幕しました。
日本代表チームは、世界ランク4位でシードされたため、ランク1位の米国、2位のドイツ、3位のブラジルとは別のグループBで予選を戦います。

初戦の相手はニュージーランドで、今夜10時キックオフです。

昨夜はNHKBS1で、昨秋の広州アジア大会の決勝戦、北朝鮮との試合が再放送されました。

後半28分、右コーナーキックに岩清水選手が頭で合わせて見事なゴールを決めると、これを最後まで守りきって初優勝を果たしました。すばらしい試合でした。

こうした実績と練習で鍛えた技術とチームワーックで、先ずは予選を突破して欲しいと思います。写真等は、ネットから借用しました。


アリさんのがんばり

2011年06月25日 | 田舎暮らし

昨日の午後から薪割りをはじめました。
今日は晴天が戻り、しかも気温は17~18℃と涼しく、絶好の薪割り日和となりました。

また、作業している場所がちょうど日陰になっていて、直射もさけることができるのでラッキーです。

例年、強い日差しと虫害に悩まされながらの作業ですが、今年はそれもなく、冬場に焚く薪ストーブのぬくもりに思いをはせながら、終日、作業に没頭しようと思います。


変な一日

2011年06月24日 | 田舎暮らし

昨日は木曜日のシニア特売日。
いつものスーパーへ買出しに行き、鮮魚売り場を覗くと、体長40cmを越す大きな生き「ヒラメ」が3尾、タライの中でパクパク息をしていて驚きました。近くの岩内港に上がったようです。

「噛み付かれると痛いですよ」との注意書きがあって、思わず笑ってしまいましたが、1尾1,980円では小生らには贅沢とパス。3枚におろした小型の「真ゾイ」を購入(340円)しました。

昨日はまた、小雨が降ったりやんだりのはっきりしないお天気でしたが、日暮れとともに激しい雨に変わり、気分が滅入って仕方ありません。

また、先にNHKの「仕事ハッケン伝」が面白いとご紹介したのですが、昨夜の放映分は、前半、なかなか思うような展開にならずヤキモキしました。

ただ、後半になって出演したタレントもようやく吹っ切れたようで、それらしい結論が出てヤレヤレといった感じでした。

その内、テレビにもパソコンにも飽きて早めにベットにもぐり込みました。そして「良く寝た」と思って目覚めたら午前2時でした。

そこで、テレビをつけてオリンピックを目指すサッカーB代表の対クェート戦を応援することにしました。

しかし、これも現地の気象条件の過酷さ(40℃)からか、選手にいつものスピード感がなく、結局、1対2で負けてしまいました。幸い、先のホームでの得点差(3対1)に救われ、最終予選には出場できるようです。

というわけで、あれこれ変な一日でした。


面白い!~清川 妙著「兼好さんの遺言」

2011年06月23日 | 読書三昧

著者の清川女史は、今年90歳。
奈良女子師範(奈良女子大)を卒業後、教員生活を経て30代半ばから文筆活動に入りました。古典文学に造詣が深く、流麗な文章で綴る行き届いた解説に共感するファンが多いそうです。

本書は、著者が少女の頃から親しんで来た「徒然草」に記された幾多の人生訓の中から、人生のそれぞれの場面で教訓とすべき事柄を網羅したすばらしいガイダンスです。

とりわけ、残り少ない時間を生きる熟年世代に対する良質の応援歌となっています。ご一読をお勧めします。

老いて智の若いときにまされる事、
若くして貌(かたち)の老いたるにまされるがごとし(第172段)

人、死を憎まば、生を愛すべし。
存命の喜び、日々に楽しまざらんや。(第93段)


宮崎正隆著「木霊の宿る空間」

2011年06月22日 | 読書三昧

副題に「長崎県の巨樹・巨木を訪ねて」とあるように、著者の宮崎氏は長崎県在住の高校教諭で、長年にわたり、島原半島や五島列島を含む同県内及び、対馬などに散在する巨樹・巨木の実態や地元文化とのかかわりなど調べ世に問うて来ました。

著者は、「地域の人の暮らしと共存しながら、悠久の時を重ねてきた巨樹・巨木。その傍らに佇んで耳を澄ますと、精霊の囁きがきこえてきそうな不思議なやすらぎにつつまれる」といいます。

小生らも、近所の山歩きでダケカンバなどの大木に接すると、これに似た感慨を覚えることがあります。

また、同書では、長崎出島の商館医シーボルトが、「江戸参府紀行」に記した長崎街道の大クスノキ(幹回り16.9m、直径5.3m)などについても紹介されています。

ご近所の方から借用したご本ですが、先般、著者の案内で五島列島の巨樹・巨木を訪ねる旅をなさった由。写真は本書からの転載です。


サクラ草

2011年06月21日 | 田舎暮らし

今年も、今年も自然は何の疑いもなく、庭中にきれいなサクラ草を咲かせました。

この数年、家内があちこちに移植したこともあって、行者ニンニク同様、サクラ草が敷地のアチコチで咲き出し、サクラ草屋敷のようになっています。独特の風情のあるオダマキも咲いています。

これらの花が咲くと、菜園の野菜も一斉に芽を出したり、背伸びしたりして、とてもにぎやかになります。

キュウリやトマトの芽欠きや、ジャガイモやニンジンの間引きが待っています。


吉田秀和著「マーラー」

2011年06月19日 | 音楽三昧

昨日、札幌の本屋さんでみかけて購入しました。
気難しい評論家が、気難しいマーラーについて、戦後すぐの時代から種々書いたものを文庫にまとめたものです。

今年はマーラー没後100年にあたるそうです。近年のブームに輪をかけた喧騒さがやってきています。

マーラーについて、著者は、

"マーラーはむずかしい。私には。
私には、まだ、彼がよくわかったとは言えない。
では、なぜ、彼のことを書くのか? 

私はマーラーの一部しか知らない。だが、その一部さえ、私の心を強くとらえ、彼の全体について、知れるだけのすべてを知り、味わえるだけのすべてを味わいたいという欲望をかき立てずにはおかない。

だが、私には、いつになったら、それがやれるかその成算がないのである。"

と述べています。

つまり、著名な評論家をしてさえ、こう言わしめるマーラーの音楽とはいったい何なのか? そして、この本を読んだから、もうマーラーの音楽はわかったと思わなくても良いといっているようです。


名手登場~kitaraのみどりさん

2011年06月18日 | 音楽三昧

昨夜、札幌kitaraホールで、五嶋みどりさんとオズガー・アイデン氏とのデュオリサイタルを聴きました。

世界的名手の登場とあって、会場はみどりファンで埋まりました。

プログラムは、

 ・モーツアルト、ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調
 ・ヤナーチェック、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
 ・ラヴェル、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調
 ・クルターク、三つの断章 Op.14e
 ・ベートヴェン、ソナタ第9番 イ長調 「クロイツェル」 Op.47

と盛りたくさんでしたが、やはり、みどりさんには、ベートーヴェンの大曲、「クロイツェル」ソナタが似合います。

あの小さな身体から、どうして大ホールを圧倒し、聴衆を唸らせるような緊張感に満ちた旋律が生まれるのかとても不思議に思いながら、この名曲に聴きいりました。

アンコールはビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」1曲のみでしたが、みどりさんの弓が紡ぎだす美しいメロディーに、会場からはおもわずため息がもれていました。

それにしても、みどりさんが弾くヴァイオリン~1734年製のガルネリ「エク・フーベルマン」は、いい音がしますね。


輪切り終了

2011年06月17日 | 田舎暮らし

先日搬入された材木は、拙宅の2冬分の薪になります。

薪作りの第一段階は、この材木をチェンソーで輪切りすること。
この作業はなかなか大変なのですが、昨日までに無事終了しました。

エンジン付きチェンソーは、材木を効率よく切断する際、欠かせない道具ですが、危険を伴うため、その取り扱いには神経を使います。

この作業を能率よく且つ、安全に行なうには、事前によく点検して(作業の途中で)故障しないようにすること、また、時々ソーの目立てを行なって、切れ味を保つことです。

今回は、作業が順調に進み、2日間、都合4時間ほどで完了させることができました。

今後、この輪切りした材木を、エンジン付きの薪割り機にかけて割る作業が待っています。


??~井上ひさし著「一週間」

2011年06月16日 | 読書三昧

昨年4月、肺がんのため逝去した同氏最後の長編小説。

物語~昭和21年早春、ハバロスクの収容所。
満州黒河で極東赤軍の捕虜となった小松修吉は、語学力をかわれ日本新聞の発行に携わるようになるのだが、その過程で入手した一通の手紙、若き日のレーニンが記した手紙は、公開されるとレーニンとソ連邦に打撃となる重大な秘密を伴うものだった。小松はこれを武器に、理不尽な収容所生活を強要する赤軍当局と闘うのだが・・

暗くなりがちなシベリア抑留という重いテーマを、綿密な時代考証と著者独得の毒舌で痛快に描いています。ただ、体調不良からか脱稿後、改訂・補筆が行なわれず、もうひとつ説得力に欠けるのが惜しまれます。小説新潮(2000年2月~2006年4月)連載。


94.6%の良識~イタリヤ原発拒否

2011年06月14日 | ドラミング

報道によると、原発再開の是非をめぐるイタリヤの国民投票は、94.6%の人々が「反対」の投票をした由。

先に全廃を決めたドイツ及び、スイスについで、ヨーロッパの主要3ヶ国が、「原発No!」を決めたことになります。

それにつけても、現に原発事故に遭遇し、地震被害と合わせ未曾有の国難に直面しているわが国で、脱原発の世論が盛り上がらないのはどうしてでしょうか。

福島県の子供たちから校庭や公園を奪い、農民や漁業者から仕事を奪い、人々が流浪する現実を見ても尚、原発No!と言えない国民性とはいったい何なのか。

そればかりか、原発を廃して火力発電に置き換えると、電気料金が概ね、月千数百円の値上げになる、などという脅しにも似た報道が行なわれています。

原発は、現在に至るも未成熟の技術であり、核廃棄物の処理すらメドが立たず、次の世代に負の遺産となるものです。いまこそ、イタリア国民に習い、原発No!の声を大きくして行きましょう。


拍手!~ブレンデルリサイタル

2011年06月13日 | 音楽三昧


昨日ご紹介した新着ドーナツ。
ザルツブルグ音楽祭25枚組みの内、No.24のブレンデルリサイタルを聴きましたが、すばらしかったです。

プログラムは、ベートーヴェンの第31番とモーツアルトの第14番ソナタ、他ですが、特に、最後のモーツアルトがとても良かったです。アルバムの終曲ということもあり、ザルツブルグ祝祭劇場を埋めた観客の盛大な拍手も入っていて、これに合わせ小生も、大拍手でした。

何がよかったかと聞かれても困るのですが、ピアノを繰るテクニックの巧みさだけではない、何か音楽の心とでも言うべきものを、色濃く伝える演奏だったからでしょうか。

ところで、この25枚ボックス、値段は7,343円。1枚294円です。
この値段でコンサートの感動を疑似体験できるのも、オーデイオの醍醐味です。