田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

世界を不幸にするアメリカの戦争経済

2008年08月29日 | 読書三昧

ニセコは、今日もはっきりしないお天気です。
このところの気まぐれお天気にはうんざりです。

東海・関東地方には大雨による被害が広がっているようです。
被災された皆様にお見舞い申し上げます。

掲題の著書は、2001年のノーベル経済学賞を受賞した米国の経済学者
スティグリッツ氏が、元米国商務省の財務官だったビルムズ女史の協力
を得て書き上げた衝撃の書で、世界的ベストセラーとなっているという。

2003年3月、ブッシュによって始められた道理なきイラク戦争によって、
米国民が負担する戦費は、12年にわたるベトナム戦争を上回り、傷病
兵や負傷兵の治療費や退役軍人の手当てなどを考慮すると、少なくとも
3兆ドル(約300兆円)にのぼるが、未だ戦況は混沌とし復興のきざしさ
え見えない。

この実りなき戦争に費やされた膨大な経費は、米国経済だけでなく、原
油の高騰やサブプライム問題による金融危機、先進国と途上国との格
差の拡大等々、世界経済にも深刻な影響を与えている。

 1.本書は、イラク戦争が膨大な戦費を費やしているだけでなく、それが
 不正義の戦争であることを鋭く指摘している。この結果、米国の名声
 は地に落ち、米国こそ戦争の脅威と認識する国々が増えている。

 2.イラク戦争は、テロとの戦争として来たが、敵を一人殺害すればテロ
 リストを二人生み出す結果となっている。戦争でテロをなくすことは出
 来ない。

 3.米国民は、米国による戦争が、少数の志願兵と民営化された戦争請
 負人によって遂行される(自分には直接関係のない)気軽なものと理
 解し、戦争仕掛人に開戦と戦争継続への同意を与えてしまった。

 4.イラク戦争の継続に必要な資金は、年間17億ドルとされているが、
 こんな単純なキャッシュフローで戦費をみてはいけない。傷病兵や負
 傷兵の治療費、退役軍人の手当て及び、兵員や軍備の補充に必要
 な膨大な経費は、当世代だけでなく次世代への負担となって重くのし
 かかる。

 5.戦費は、プラスの効果を生まない。これを次代を担う人材の教育や
 経済振興や公共投資に使えば、それは次の飛躍の土台になりうるが
 戦争による破壊は、生産的な価値を生み出さない。

等々、イラク戦争の持つ負の価値を総合的に明らかにしている点で
極めて新鮮である。一読をお勧めしたい。


伊藤和也さんの死を悼む

2008年08月28日 | 田舎暮らし

26日、日本のNGO「ペシャワール会」の一員として、アフガニスタン東部
で農業指導などに従事していた伊藤和也さんが現地の武装グループに
拉致され、行方がわからなくなっていました。

何とか無事で居て欲しいと願っていましたが、昨夕になって、遺体で発見
されたとの報道が流れ、いたたまれない思いです。

国内にあってはラガーナイフを振るって無差別殺人に走る若者がいる中、
アフガンの厳しい環境の下、現地の人々とともに民生向上に無私の努力
を続けてきた伊藤さんのような若者がいることに感銘を覚える一方、その
崇高な目的の挫折に暗然としてしまいます。

伊藤さんのご冥福を心からお祈りすると共に、ご家族やNGO関係者の
皆様にお見舞いを申し上げる次第です。


夏野菜の出来はさんざんでした。

2008年08月28日 | 田舎暮らし

どうもお天気がはっきりしませんね。
今朝は、蒸し暑さで目が覚めました。

今年は、天候不順と手抜きで、菜園の夏野菜はさんざんな出来です。
マァ期待通りだったのは、キュウリとミニトマトだけでした。

トマトもナスもピーマンもシシトウも思ったほど実がつかず、なかなか
熟しません。

特に、豆類は全滅で、種を蒔いた後、山鳩にすっかり食べられてしまっ
たようで二度蒔きとなり、まだ花も咲いていません。

そんな中で、モロッコインゲンだけは、辛うじてサヤが大きくなり、美
味しくいただいています。

来年は、もう少し身を入れて、野菜作りに励みたいと思っています。


秋の気配

2008年08月26日 | 田舎暮らし

今日のニセコは、はっきりしないお天気です。
朝夕の涼しさから秋の深まりを実感できます。

これは、拙宅横のナナカマドの実です。
年によってなり方が異なりますが、今年は豊作のようです。



食べてみると、ただ酸っぱいばかりで少しも美味しくないのですが、
食べ物の少ない冬場には、小鳥たちにとって貴重な餌になります。

ベランダから400mmの望遠レンズで撮りましたが、高い梢になる
小さな実なので、ひとつひとつの実の様子まではよくわかりません。

コスモスなども、どちらかと言えば集団として見てしまいますが、それ
ぞれの花はどれも個性的です。美しい花の集団の中でも、とりわけ
自分に関心を持って欲しいという願いにあふれています。 

 


これは、小さな花にも大きな花にも共通しています。

 


今年も咲きました。カサブランカ

2008年08月25日 | 田舎暮らし

今日のニセコは、お天気が少し回復してきました。
昨日の雨で空気がきれいなせいか、日差しが眩しく感じられます。

今年も菜園の隅のカサブランカが大きな花を咲かせています。
一昨年も、昨年もちょうど同じ時期に、記事にしていますから、季節の
移り変わりの正確さに驚かされます。

カサブランカは、スペイン語で「白い家」を指す言葉。うつむき加減の
大きな白い花は、地中海の家並みを連想させます。

また、ハンフリー・ボガートとイングリット・バーグマンの名画「カサ
ブランカ」を思い出させます。白い大輪のユリは、バーグマンあの美し
さと哀しさにふさわしいと思います。

このカサブランカの故郷は、お隣の「真狩村」です。
同村は、ユリ根の生産日本一を誇りますが、細川たかし(歌手)の出身
地としても知られています。

また、この7月に開かれた洞爺湖サミットの際には、各国首脳のご夫人
方が、同村のレストラン「マッカリーナ」で道産の食材を使った昼食を
楽しまれたようです。

5~6年前に、3ヶ購入したユリ根が年毎に増えて、ご覧のような勢力と
なり、この時期の菜園を華やかに演出してくれています。


変な風景

2008年08月24日 | 田舎暮らし

今日のニセコはおかしなお天気です。
未明に激しい雨があったのですが、時々薄日も射しています。
ただ、気温はグッと下がって、窓を閉めきった室内でセーターを着てい
ます。

庭のコスモスは今を盛りと咲いていますが、種まきの遅れた向日葵も
同時に開花しています。



その足元では、露草も咲くという北国ならではの変な風景です。

このまますぐに寒くなるという訳ではなさそうですが、いずれにしても、
一雨毎に秋は深まって行くでしょう。


感動をありがとう!

2008年08月21日 | 田舎暮らし

北京オリンピックソフトボール競技で日本は、宿敵米国を打ち破って
遂に、頂点に立ち金メダルを獲得しました。おめでとう!

この決勝戦は、日本が先行する理想的な展開となりました。
日本選手は、昨日の豪州戦とはうって変って、その持ち味を発揮する
生き生きとした動きが印象的でした。

それにしても、昨日からの3連戦を一人で400球以上を投げ抜いた上野
投手の頑張りにはとても感動しました。

激闘を戦い終わって、歓喜する選手たち(NHK総合TVから)
関連する記事が、倶知安町のHPにもあります。


いよいよ決戦ですね!

2008年08月21日 | 田舎暮らし

今日のニセコは、照ったり曇ったりのお天気です。
気温は随分下がって、涼しいくらいです。

昨夜、北京オリンピックのソフトボール競技をテレビで観戦しましたが、
選手の皆さんの熱い戦いに感激しました。

オーストラリアを相手に、何度も勝つチャンスがあったのに思うに任せ
ずイライラしましたが、最後には、満塁からの適時打でさよなら勝ちし
て、今日の決勝戦に進みました。

このソフトボールのナショナルチームは、このニセコ(倶知安町)で強
化合宿を行ったこともあり、応援にも自ずから力が入ります。今夜の
決勝戦では、宿敵米国を打ち破って、優勝して欲しいと思います。

合宿の様子は、ご近所のじゅんさんのブログでご覧になれます。

決勝戦で力投する上野投手(NHK総合TVから)


勝手カボチャ

2008年08月20日 | 田舎暮らし

今日のニセコは、大雨のち晴れのお天気です。
屋根を打つ雨音を聞きながらの朝寝坊でした。

昨年、4株植えたカボチャが思うように実を結ばなかったため、今年は
カボチャの栽培をあきらめたのですが、コンポストに投入されるのを免
れた幾粒かの(カボチャの)種が、側の地面から芽を出し、勝手に大き
く育ちました。

アチコチに伸ばしていた枝を整理して2本立ちにさせたらまともに大き
くなって、内1本は傍らの白樺の大木によじ登ろうとしたり、その勢力
の旺盛さには感心しました。

その内、それぞれの枝が大きな実を付けて、今では20cmくらいになって
いますから、このまま行けば立派なカボチャとして収穫できそうです。

人間が植えた(昨年の)カボチャはひ弱で、お天気の具合や、カラスが
花を蹴散らしたこともあり、期待したほどの実を付けませんでしたが、
勝手に芽生えた(今年の)カボチャは元気そのものです。


ズッキーニ

2008年08月19日 | 田舎暮らし

今日のニセコは、はっきりしないお天気です。
予報では、雨になるはずでしたが、先ほどまで日差しがありました。

コピーライターやイラストレーターとして活躍されている和泉貞夫さん
が、朝日新聞の情報誌「暮らしの風」に連載している「新北の食物誌」
がとても気に入って、毎月楽しみに拝見しています。

先日配布された9月号では、最近、北海道でも広く栽培されるようにな
ったズッキーニについて、素敵な絵とエッセイを載せておられます。



ズッキーニと言えば、拙宅でも家内が、町の友人から薦められて、昨年
から栽培していますが、昨年は種から起こして時期外れとなり失敗。今
年は、苗を2本購入してつくったら、そこそこ成功して、このところ、いろ
いろな料理につかったり、隣人におすそ分けしたりしています。

現在は、こんな具合に大きな葉が恐ろしげに生えていますが、次々とな
る実は、優しげで、自己主張しない風味から野菜炒めや、カボチャの煮
つけの付け合せなどに重宝しています。

変わった食べ方としては、表面を細長く削って、スパゲッテイに混ぜ入
れて食べると、その食感がとても良く楽しめます。一度お試し下さい。
和泉卓夫さんのすてきな絵は、こちらでお楽しみになれます。


ススキ

2008年08月16日 | 田舎暮らし

今日のニセコは、お天気が回復して晴れ間がのぞいています。
ただ、湿度が高く、少々むし暑いです。

北国の秋は、ある日を境にどっとやって来ます。
ある日と言うのは、概ね、お盆の中日頃ですので、今から日を追って
秋が深まって行きます。

一昨日、いつもの散歩道でススキを撮影して見ましたが、自然はすでに
秋の準備を急いでいるようでした。

強い日差しを受けて輝くススキの穂です。
まだ若い穂ですから、全体に赤いのですが、光を反射してキラキラ輝い
ています。

これは、ススキの穂の赤ちゃんです。それが、次の写真のように変化し、
赤い穂になります。秋が深まるにつれ、白い花が咲き、白濁化して行き
ます。

ニセコの秋は、ススキの穂の変化と共に深まります。


イタドリ

2008年08月15日 | 田舎暮らし

今朝早く、雨が屋根を叩く音で目覚めました。
すぐに止んでしまいましたが、菜園の野菜には恵みの雨となりました。

イタドリの花がきれいなので、一度、写真に撮りたいと思っていたので
すが、これまで機会がなく気になっていました。

昨日の夕方、散歩に出る直前にそれを思い出し、重いカメラを持って
出かけました。いつも散歩コースにしている舗装道路の両側には、背丈
を越えるイタドリの大きな群落がいくつもあって道幅を狭くするほどです。

強い日差しを受けて、イタドリの花が満開です。まるで、桜の花が咲い
ているようです。

カメラを近づけてみると、とても華やかな花であることがわかりました。
「春に桜~秋にイタドリ」とはちょっと変ですが、どうもそんな感じです。

イタドリには雄花と雌花があって、これは雄花で、上を向いて咲きます。

雌花は、いかにも優雅な感じで下を向いて咲きます。

秋が深まる頃、いっせいに羽のある小さな実をつけて、風に飛ばされて
遠くに飛んで行きます。

詳しくは、こちらを参照してください。


音と心が響きあう~諏訪内晶子さんのベートーヴェン

2008年08月10日 | 音楽三昧

ニセコは、今日も良いお天気です。
オホーツク海高気圧の圏内とかで、とても涼しいです。

諏訪内晶子さんの最新作、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ7番と
9番(クロイツェル)を聴きました。

ご存知の方も多いと思いますが、諏訪内さんは、90年のチャイコフスキ
ー国際コンクールヴァイオリン部門において、最年少優勝を果たした日
本が世界に誇る著名なヴァイオリニストです。

小生も何度か彼女のリサイタルを聴いていますが、その音楽性の豊か
さとテクニックの確かさ、奏でられるヴァイオリンの音色の美しさに魅了
されて来ました。

今回のベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全曲録音シリーズは、「意=
音と心が響きあう~渾身のラフワーク」とうたわれるように、彼女の演
奏家としての成長を問う意欲作となっています。

従来、彼女の演奏は、音楽もさることながら、どちらかと言えば、音の
美しさを追い求めるかのように感じて来ましたが、今回の演奏を聴いて、
ベートーヴェンの作曲意図をより深く理解しつつ、彼女独自の解釈を元
に、それを意欲的に表現しようと試みているように思いました。

このヴァイオリンソナタ全曲録音では、ムターの演奏が話題となりまし
たが、比較してみると、諏訪内さんの演奏は、意欲的であると同時に音
楽の持つ美しさややさしさにも気を使っているように思いました。
クラシックファンにお勧めの一枚です。

尚、彼女のデスコグラフィーの中から他に2枚ご紹介します。

シベリウスのヴァイオリンコンチェルトです。ニ短調とロ短調の2曲が収
録されています。一度、この美しいヴァイオリンをお聴きになると、一辺
に諏訪内ファンになること請け合います。PHILIPS UCCP-1065

バッハのヴァイオリンコンチェルト第一番と第二番他です。諏訪内さんが
バッハを弾くのが意外でしたが、聴いてみて納得の一枚でした。PHILIPS
UCCP-1114


ボランテイア相談員の嘆き

2008年08月08日 | ボランティア

立秋も過ぎ、ニセコは秋の気配が感じられるようになりました。
庭の花壇では、コスモスが咲きだしました。



網膜剥離という難しい病気の啓蒙と、患者同士の交流を目的とした全国
組織に網膜剥離友の会があります。「友の会」では、ボランティア相談員を
配置して、皆様からのお問い合わせにお答えしています。

小生も、その相談員の一人ですが、先日、先輩の相談員であるHさんか
ら電話があり、最近、ご相談になる方のマナーが悪く困っているとのお話
がありました。

これは、分野の違いはあれ、ボランティア活動をなさっている方ならどな
たにも経験のある、古くて新しい問題です。つまり、こちらの善意を無視
するかたちでアプローチされるため、つい「こんなことをされてまで、どうし
て活動しているのか」と懐疑的になってしまうのです。

今回、提起された問題は、網膜剥離の病状や、その対処の仕方について
相談をされる方が、お名前はともかく、年齢や性別、お住まいの地域等の
情報を開示されないため、病状や背景がよく理解できず、的確なアドバイ
スが出来ないというものでした。

少なくとも、これらの情報は、ご自分や親族の方の病状について、他人に
尋ねようとする場合、最小限開示すべき情報だと思いますが、記載がない
ので質問すると、「何故そんなことが必要なのか」と詰問されてしまうという
のです。

また、アドバイスに従って診察や手術を受けたら、その結果を相談員へ
報告してもらえると、次回以降のアドバイスに生かせるのですが、これが
ほとんどないといいます。

取りあえず、対策として、相談にお使いいただく記入用紙を用意して、指
定された項目をすべて記入した後、送信していただくようにシステムを変
更しましたので、これで少しは事態が改善されるものと期待しています。

世の中、なにかと殺伐としている昨今ですが、どの分野にせよ、ご利用に
なる皆さんは、「ご苦労さん!」と一声掛けて、ボランテイア活動に携わっ
ている人々を上手に使って欲しいと思います。


K2で最大規模の遭難

2008年08月07日 | ギャラリー

今日もニセコは、快晴です。
少し風がありますが、湿度も高くちょっとむし暑い感じです。

新聞等の報道によると、この3日、ヒマラヤのK2の登頂に成功した国際
登山隊20名の内、韓国人3人を含む11名が遭難したとのこと。9名の遺体
は収容されたが、雪深い中国側に墜ちた2名は行方不明で、生存は絶望
的という。

各国から参加した20人は、2日、K2(8,611m)の登頂を果たしたが、下山
途中、8,200m付近で、最大の難所となっている氷壁を降下中、上部から
落ちてきた氷塊にロープを切断され滑落した。 

何とも痛ましいニュースだが、先に、K2を描いた笹本稜平氏の「還える
べき場所」を読んだ直後だっただけに、少なからずショックを受けた。
墜死された登山家の皆さんのご冥福を祈りたい。また、関係者の方々に
心からお見舞いを申し上げる。写真は、ナムチャバルク峰(7,782m)でイ
メージです。Record China から借用しました。