田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

さすが~司馬遼太郎著「短編全集11」

2011年11月30日 | 読書三昧

文壇の大御所、故司馬遼太郎氏の「短編全集」全12巻の内、67~8年に記された第11巻を読みました。

同氏の執筆活動が最も旺盛だった40歳代の作品で、「豊臣家の人々」第5~9話に加え、「惨殺」や「故郷忘じがたく候」など、よく知られた短編が収容されています。同氏はこの時代、これらの短編の他、巨編「坂の上の雲」を新聞に連載していました。

物語~「淀殿・その子」天正11年(1583年)4月24日、北の庄城が落ち、母お市の方、義理の父柴田勝家は自刃して果てた。茶々(後の淀殿)ら姉妹三人は、敵方、秀吉の下におくられる・・・

綿密な時代考証と同氏独特の語り口で読者を引き込んで行きます。久しぶりに心地よい読後感を味わいました。一読をお勧めします。


悩みあります?

2011年11月29日 | ギャラリー

新聞(朝日)の週末雑学版によると、現代人は誰も彼も「悩み」を抱えているという。さてさて、あなたはいかが?

現代人悩みランキング

・1029票 健康~健康ブーム全盛の時代は、不健康時代?
・ 791票 仕事・職場~不安定な雇用、リストラ、給与カットに 
       激務、成果主義、人間関係と職場は悩みで一杯
・ 768票 資産~資産も貯蓄率も低迷、年金の繰り延べ検討など
・ 533票 性格・生き方~今の行き方で良いのか、悩みはつきない
・ 475票 子育て~進学・いじめ・引きこもりなど心配ばかり
・ 438票 親族~付き合いは減るも、問題起こると深刻化
・ 356票 夫婦仲~2分に1組が離婚する時代なのだ
・ 331票 介護~少子高齢化が進み、介護する側の負担も増える
・ 312票 住居~理想の家など持てるはずもない
・ 262票 経済問題~世界経済も混迷、見通し暗し

以上は、10月下旬、同新聞の読者サービスのウエブサイトで実施。
2,344人からの回答を集計したものという。

今、日本は右を向いても左を向いても、悩みのタネばかり。老若男女が頭を抱え、精神を病む人も後を絶たない。自殺者も年3万人台をキープ。何をそんなに悩むのかと思うほど現代は混沌としている。

あなたの悩みは何ですか?
何、悩みなんてない!


日替わりお天気

2011年11月28日 | 田舎暮らし

当地はこのところ、お天気がめまぐるしく変わっています。
晴天と雨・雪の日が日替わりでやって来ます。

今朝早く目覚めると、東の空を茜色に染めて太陽が昇って来ました。
風もなく、暖かな日差しが降りそそいでいます。雪で厚化粧したお山(羊蹄山1,898m)もよく見えています。

スキーセンターではリフトの整備が進んでいますし、シーズン券の発売を始めましたとの案内が届いたのですが、このお天気模様では、いつ滑れるようになるかわかりません。

暮らしの面からすると大雪や吹雪きはない方が良いのですが、そうかと言って、いつまでもこんな調子では困るな~という思いもあって、少々複雑な心境です。


モーツアルト「クラリネット協奏曲」

2011年11月27日 | 音楽三昧

長年、この曲を生で聴きたいと思っていました。
昨日、ようやく念願かなって聴くことができました。

札幌Kitaraで催された札響名曲シリーズ2011-12「愛しきアマデウス」で、交響曲第35番「ハフナー」他と共に演奏されました。クラリネットは、ベルリンフィルでカラヤンなどと共演したドイツ人のカール・ライスター氏でした。

この曲は、モーツアルトの最晩年、死の2ヶ月前に完成したという内容の濃い名曲です。そして、人生を達観したかのような美しくも爽やかなハーモニーに深い感動を覚えます。

プログラム

 ・歌劇「フィガロの結婚」K.492 序曲
 ・クラリネット協奏曲イ長調 K.622
 ・ディヴェルティメントニ長調 K136
 ・交響曲第35番ニ長調 K.385「ハフナー」

演奏

 ・指揮 児玉 宏
 ・クラリネット カール・ライスター
 ・管弦楽 札幌交響楽団


池澤夏樹著「春を恨んだりはしない」

2011年11月25日 | 読書三昧

ナイーブな感覚で独自の世界を持つ芥川賞作家の池澤夏樹氏が記した、東日本大震災と原発事故に対する心象風景と鎮魂歌です。

この未曾有の国難に対し、文学者や作家がそれなりのコメントを発表したり、見舞いを述べたりしていますが、短期間にこれほどまとまった文章を発表した人を知りません。

それだけ彼の大震災に寄せる思いが強かったということでしょう。

特に、「昔、原発というものがあった」は、先の講演会でも彼自身から紹介され、大きな支持を得ました。一読をお勧めします。


カメムシ戦争

2011年11月24日 | 田舎暮らし

昨夜遅く、ノートパソコンの蓋を閉めてしばらくすると、イヤな匂いがするのでふと見ると、小さなカメムシが1匹、パソコンの蓋の上で裏返しになりもがいています。

察するに、蓋が閉じられた際、転倒して裏返しになったようです。
彼はそれを「苛められた」と錯覚して、例のイヤな匂いを噴出させたようです。

この秋、当地はカメムシが大発生して大変でした。
秋になって朝夕の気温が低くなると、暖を求めて彼らは室内に侵入して来ます。

拙宅は、一見ログハウス風ですが、元を質せばツーバオフォーで、外壁と内壁の間に防湿紙が貼られているため機密性が高く、彼らの侵入をよく拒んでいます。

それでも、10月中頃の最盛期には、1日3~4匹の割合で入り込むので、彼らと神経戦を繰り返していました。

ただ、例えば、ハンドカットやポスト&ビーム構造のログハウスなど彼らに対する防備体制が弱い建物では、1日2~30匹と戦う破目になります。

久しぶりに別荘に来てみたら、室内に数百匹のカメムシがウジャウジャいたというお宅もあるやに聞いています。

自然環境の良い当地ですが、他方では、こうした虫害もあったりして、自然を満喫するのもそれなりの覚悟が必要です。

中には、どうしても虫が好きになれないという方もいて、そうした方々には、この秋は恨みの季節だったかも知れません。


龍馬ぜよ~山本一力著「龍馬奔る~少年編」

2011年11月22日 | 読書三昧

高知県出身で軽妙な語り口で知られる著者が、「龍馬」を書いたのだからさぞ面白いにちがいない。

との読みは大いに当たって、何か心地よい講談を聞いているような思いで一気に読み終えました。

物語~天保6年(1835年)11月15日、土佐高知の坂本家に男子が誕生、「龍馬」と名づけられた。母「幸」は、すでに1男3女をもうけていたが、38歳の高齢にも拘らず待望の次男を生んだ。龍馬は家族や周りの人々の深い愛情を受け、日に日にたくましく成長していく・・・

誕生から12歳での母の死まで、龍馬の少年時代が克明に描かれています。一方、龍馬に遅れること2年5ヶ月。後に回天の同士となる中岡慎太郎が誕生、その幼少時代の逸話も語られています。一読をお勧めします


雪再来

2011年11月21日 | 田舎暮らし

ここ二日ほど暖かく、雨も降って周囲の雪はすっかり消えてしまったのですが、昨夜からまた寒気が入って吹雪き模様です。

今朝は、家内がベランダの雪かきをする音で目覚めました。
気になってローカルの天気予報を見ると、終日、雪だるまマークが並んでいました。

気温も零下で、今日は寒い一日になりそうです。
室温を上げるには、床暖房だけでは十分ではないので、朝食後、薪ストーブに火を入れました。

ただ、雲間から日差しもあるので、少しは好転するものと期待しています。予報図は、ヤフー天気予報からお借りしました。


底なし沼~湊かなえ著「夜行観覧車」

2011年11月19日 | 読書三昧

09年度の本屋大賞を獲得して300万部のベストセラーとなった「告白」の著者による衝撃の「家族」小説というのですが、小生には、壊れてしまった現代の家族を象徴する底なし沼を見る思いでした。

物語~ひばりヶ丘の片隅の高級住宅地にそぐわない小さな家で、中三の彩花(あやか)は、今夜もぶちきれて母親の真弓に罵詈雑言を浴びせ、物を投げつけるなど荒れに荒れていた。しかし、同じ頃、隣家の豪邸でも家庭内暴力で主人が殺されるという事件が起こっていた・・・

思春期の子供を持つ家庭がどこも家庭内暴力に戦々恐々とするような状況だとは思いませんが、彼女の描く世界が支持される背景には、事の大小こそあれ、現代がかかえる深い闇のような世界が存在するのだと納得させられる思いもします。

人間の持つ善意とか誠実さなどは、もう現代の日本では通用しないのでしょうか。来日中のブータン国王ご夫妻の言動に新鮮な感動を覚えるのもこうした背景あってのことでしょうか。


地震大国日本に~

2011年11月18日 | ドラミング

過日開催の「泊原発廃炉訴訟提訴記念講演会」で北大小野教授が、「何故、泊原発は危ないか」という講演で解明した諸点を小生なりにまとめてみると~。

次図は世界の地震と原発の分布図です。黒点が地震の発生を、白丸が原発を表します。

この図から、原発大国のアメリカでもその大部分は、地震のない東海岸に位置していることがわかります。欧州しかりです。

地震は、地球を包むプレートとプレートがぶつかり合う変動帯という地域に集中的に発生します。とりわけ、4つのプレートがせめぎ合う地域は日本以外にはなく(日本は)名実ともに地震大国です。

こうした地域に原発を設置すること自体ナンセンスで、福島の事故は起こるべくして起きたと言えます。

一方、道内唯一の原発が何故、「泊」に置かれたのか?
それは、従来、地震は太平洋岸に集中し、日本海側は安全だと考えられていたためと言います。

しかし、近年の研究で、日本海の北海道沿岸にも(太平洋岸のそれとは)タイプの異なる地震が多発し、しかも、泊沖には、新たに60~70kmに及ぶ活断層の存在が確認され、近い将来、M7.5クラスの巨大地震が発生する可能性があります。

これは、93年7月12日に発生した北海道南西沖地震(M7.8)や、07年7月16日の中越沖地震(M6.8)によっても裏づけられます。前者では、最大遡上高30.6mの津波で200人以上の犠牲者を出し、後者においては、柏崎刈羽原発がひどく破損しました。

次図は、道南における地震の分布図です。(赤丸は泊原発)



この図からも、日本海における地震は、比較的浅い地層で発生する新しいタイプの地震で、従来の学説では処しきれない問題を含んでいます。以上から、泊原発も福島同様重大事故に至る危険性を孕んでいるのです。上図は、いずれも小野教授の講演資料から拝借しました。


大雪です

2011年11月17日 | 田舎暮らし

一昨日降り始めた雪は、その後も降り続いています。
午後には、寒気も抜けて降り止む見込みですが、積雪は早や40cmの大雪となっています。

昨日早朝には除雪車も出動して、まるで真冬並みです。

雪によるスリップ事故も多発しているようで、昨日午後、前夜から行方不明になっていた年寄りと孫娘の乗った車がスリップして河川敷に転落し、横倒しになっているのが発見されました。

幸い、二人とも命に別状なかったようですが、これも同乗していた飼い犬が幼児に寄り添っていたのが良かったと報じられ話題になりました。

特に、気温が比較的高く、積雪の割りには雪が湿っている時はスリップし易いので、運転には細心の注意が必要です。


示唆に富む~吉田文和著「グリーン・エコノミー」

2011年11月16日 | 読書三昧

本書は、北海道大学が07年以降、毎年開催している「サステナビリティ・ウィーク」のために編纂した「持続可能な低炭素社会」を、同大大学院教授の吉田氏が一般向けに執筆しなおしたものです。

人口減少と少子化社会、年金・医療などの社会保障制度の破綻、国と地方の累積債務、加えて東日本大震災と原発事故など、わが国をめぐる厳しい制約条件の下、「制約なくして革新なし」をスローガンに、「持続可能性」と「より良い生き方」をキーワードに社会の大胆な改革をめざす。

具体的には、温暖化対策とエネルギー環境政策、産業雇用政策と連携、統合した「グリーン・エコノミー」社会の推進が必要と説く。原発の段階的解消と太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーと省エネ技術の促進、東北地方を再生エネルギーセンターとして復興する等を提案している。一読をお勧めします。


雪が来ました

2011年11月15日 | 田舎暮らし

当地は、昨夜から雪になりました。
雪国の冬本番を知らせる初雪です。

昨年より2週間近く遅れましたが、強い寒気が入っていて、今日一杯降り続くそうです。気温も低く、日中でも零下の予報が出ています。

拙宅では、すでに床暖房が入っていて室温は20℃ほど。それほど寒くありませんが、いずれ薪ストーブを焚くことになりそうです。

一方で原発の廃炉を言いつつ、それが発電する電力に頼らざるを得ない生活に戸惑いを感じます。

当地は、風力をはじめ自然エネルギーの宝庫。安全・安心を脅かす原発からの早期転換を図って欲しいと思います。


静かな決意

2011年11月14日 | ギャラリー

昨日、札幌市民ホールで開催された「泊原発廃炉訴訟提訴記念講演会」に参加しました。

大きな会場でしたがほぼ7割の聴衆で埋まり、静かな決意に満ちたすばらしい集会でした。

始めに、芥川賞作家の池澤夏樹氏が登壇し、原子力は桁違いのエネルギーを持つ。その違いは、7桁なのだ。160トンの燃料を積んで地球の裏側まで飛ぶ飛行機があるが、仮に、これをウランに置き換えると10グラムで済むほどの違いなのだ。

これを人間の手で制御できるはずはないし、副産物としての放射性物質の処理方法がない不完全なエネルギーだ。こんなものを許容できるはずがない。いつの日か、「かって、泊にも原発というものがあった」と言えるようにしようと訴え、共感の拍手に包まれました。

次に、北大大学院の小野有五教授が、地勢学者の立場から、泊原発の持つ危険性について、スライドも使って易しく解き明かしました。

第二部は、弁護団長の市川守弘氏が、何を理由に泊原発を廃炉にせよと提訴したのかについて語りました。つまり、憲法で保証された我々の安心、安全に暮す権利が損なわれる恐れがあるから廃炉にすべきという論拠と裁判の見通しについて説明、会場からは賛同の大きな拍手がありました。また、裁判の賛同者は1,800名、原告団は612名にのぼるとの報告がありました。

続いて、この訴訟の呼びかけ人や賛同者代表の方々の決意表明などがあって、静かな中にも長期の裁判を闘う決意に満ちた集会となりました。


新着ドーナツ~エレーヌ・グリモーの「モーツアルト」

2011年11月12日 | 音楽三昧

昨日、HMVから届いたドーナツ。

 ・グリモー(P):モーツアルト、ピアノ協奏曲第23番他
 ・ポリーニ(P):ブラームス、ピアノ協奏曲第1番
 ・ブレンデル(P):リスト、ピアノ協奏曲他(5枚)
 ・チェリビダッケ(指揮):ハイドン、交響曲第103番他(14枚)

いずれも欧州プレスですが、海外もののバーゲン中とかで、都合21枚、6,900円でした。

早速、グリモーさんのモーツアルトを聴きましたが、いつものエレガントな音作りに感心しました。また、このコンチェルトは、彼女初のモーツアルトで、しかも弾き振りという意欲作です。

一方、このドーナツには、注目のモイカ・エルトマンさんが歌う演奏会用アリア「どうしてあなたを忘れられよう、愛する人よ」が収録されています。これがすばらしい出来で、何か得した気分になりました。(左がエルトマンさん)

尚、このドーナツは、ハードカヴァーブック仕様になっていて、装丁の見事さに加え、演奏会の一部を収録したDVDも同梱されています。
国内版は、12月中旬発売予定。

収録曲
 ・
ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K.459
 ・レチタティーヴォ「どうしてあなたを忘れられよう」 K.505
 ・ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488

演奏
 エレーヌ・グリモー(ピアノ&指揮)
 バイエルン放送室内管弦楽団 
 モイカ・エルトマン(ソプラノ、K.505)