田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

始めに奇策ありき?

2008年01月29日 | ドラミング

1月29日

今日はまずまずの晴天でスキー日和でした。
喜び勇んでリフトに乗ったら小1時間ほど宙吊りにされ、一時はどうな
るものかと心配しました。幸い、停止後30分ほどして、乗客を降ろす
ための低速運転が再開されたので助かりました。

それにしても、事業者の乗客への対応は思わしくなく、原因は何なのか、
復旧のメドはあるのか等について、何の説明もありませんでした。もう
少し、利用者の立場に立った運営をして欲しいと思います。

宙吊りになっている間は、とても寒かったです。手足が凍え、寒さで体
が震えました。日差しもある穏やかな日だったので、あの程度で我慢
できましたが、去る12月15日、長野で発生した11時間にも及ぶゴンドラ
宙吊り事故に遭遇した人々の困惑と恐怖は、察するに余りあります。

ところで、このような個人のブログで政治向きの話はしたくないのです
が、昨日から報道されている、例のガソリンの暫定税率を「つなぎ法案」
で延長してしまうという与党(自民・公明)のやり方には怒りを禁じえま
せん。

本年度の補正予算の審議が始まったばかりというこの時期に、来年度
の歳入予算の骨格ともなる「暫定税率」の取り扱いを、審議抜きで(衆
院本会議の採決だけで)可決、成立させてしまおうというやり方は、常
識ある大人のやることではないと思います。

この点、昨日の衆院予算委員会での審議を(TVで)聞く限り、なぜ「暫
定」なのか、また、なぜガソリン税が「特定財源でなければならないの
か」、つまり、一般財源化してはならないのか等について、政府からの
説得力ある説明は聞かれませんでした。

政府は、受益者負担になじむから、あるいは、地方自治体首長全員の
要請があるから、とかの説明に終始しましたが、これに対する菅直人氏
(民主党)の「現行、車の恩恵に浴さない人などいない」という反論の方
が説得力があるように思いました。

この「暫定税率」問題について、国民が知りたいと願っている点は多々
あります。小生は、

 ・なぜ「特定財源」か。一般財源化したら何が問題か。
 ・なぜ暫定なのか。今後10年間も暫定税率を課してまでつくり続けな
  ければならない道路とはどこの道路か。
 ・本則部分と合わせ、年間5兆数千億円もの道路をつくり続ける根拠
  は何か。
 ・「特定財源」がムダな道路つくりの温床になっていないか。

等々について解明して欲しいと願っています。

しかしながら、これらについても議論が始まったばかりであり、何ら結論
らしいものが提示されないまま、衆院単独の数の論理で、この「つなぎ
法案」のごときものを成立させるとするなら、国会の存立そのものが問
われることになります。

まして、この奇策なるものをごり押しすれば、与党(自民・公明)に明日
はないと思えるのですが、いかがでしょうか。


景観条例

2008年01月25日 | 田舎暮らし

1月25日

冬型の気圧配置が強まり、当地はこれからかなりの降雪になりそうです。
昨日は、渡島・檜山地方まで暴風雪警報が出ていたので身構えておりま
したが、当地はほとんど影響を受けませんでした。

外国人観光客(主に冬季のスキーヤー)の急増に対応してグランヒラフ
スキー場に隣接するひらふ・山田地区では、外国人投資家によるペンシ
ョンやコンドミアムなどの建設ラッシュが続いています。

このため、景観の維持や生活空間の確保(除排雪等の)に問題が出てい
ることから、町当局が都市計画法及び、景観法に基づく「準都市計画景
観地区の指定」を行って規制に乗り出そうとしています。

具体的には、良好な自然環境を保全し後世に引き継ぐため、町に12の
景観地区を指定し、建築物の高さ、壁面位置、形態意匠、最低敷地面積
などを定めて、無秩序な乱開発を規制しようするものです。

私たちの住む「ニセコ高原リゾートノースヒルズ(別荘地)」は、「ノースヒ
ルズ地区」として、次のように定義されます。

・自然に埋もれる形で、広い敷地面積のなかに別荘など小規模建物が
 建ち並ぶ地区である。今後とも、自然と調和したゆったりとした空間の
 なかに低層建築物で構成される別荘・住宅地としての環境を保全する。

このような景観を確保するため、具体的には、敷地面積1,000m2、建物と
別荘地内道路及び、隣地との間隔5m以上、建築物の高さ13m以下及び、
環境に配慮した建築意匠と色彩など、当該別荘地の自主規制条項を踏襲
する内容となっています。

来月地域住民に対する説明会、その後、町の審議会を経て知事の同意を
得て3月には地区指定・公告という日程になっています。

この間、私たちは、住民説明会に積極的に参加して意見を述べるなど、
よりよい条例の制定に向けて努力して来ました。この条例の制定が当該
地区の景観維持に役立って欲しいと願っています。尚、上記の地区指定
地図は、町の説明資料から拝借しました。


美人の奥さん

2008年01月24日 | 田舎暮らし

1月24日

今日のニセコは時折雪が舞うお天気です。
すでに渡島・檜山地方には暴風雪警報が出ているので、間もなく当地
も風雪に見舞われそうです。

先日は、加齢によって物忘れがひどくなり、あれ・それを連発しながら
暮らしているというお話をしました。

この物忘れというのは、過去に記憶した物事をタイミングよく思い出せ
ないということなのですが、他方、新しい物事を覚えるのも苦手という
ことでもあります。

例えば、この秋口に、近くの沢に「クレソン」が自生しているのをみつ
け、時々、摘んできてお浸しなどにして楽しんでいたのですが、この
「クレソン」というのがなかなか覚えられず困りました。ちょっと独特の
形をした葉物のイメージは浮かぶのに、なぜか記憶できません。

どうもカタカナ語であることも原因しているようで、試行錯誤の結果、
クレソンを「暮損」という漢字を当てはめてみたら、今度は記憶できる
ようになりました。家内と散歩に出るとき、「あそこ」までではなく、
”暮損(クレソン)が生えてる橋まで行こう”というように、具体的に
場所を指定できるようになりました。

考えてみると、これと同じことは以前にもあったことを思い出しました。
掲題の「美人の奥さん」です。

この方(ご夫妻ですが)は、町が主催するバードウオッチングでお知り
合いになったすてきなご夫妻なのですが、なかなかお名前が覚えられ
ません。一度、覚えてもすぐ忘れていまい、お会いしてもお名前が出て
来ずに失礼してしまうこともありました。

そこで、その奥様が文字通りお美しい方なので、「美人の奥さん」と呼
ぶようにしました。勿論、当初は、私たち夫婦の間だけで通用するお名
前だったのですが、その方が拙宅をお訪ねになった際、家内が「ねぇ、
美人の奥さんがお見えになったわよ」と小生に声を掛けたりして、その
方にも知られてしまいましたが。

また、ちょっとニュアンスが異なるのですが、ご近所にお住まいの方で、
私たちの田舎暮らしに、野菜やシイタケの造り方とか、焼肉用のカマド
の作り方とか、さまざまな田舎暮らしの知恵を授けてくださる方がおいで
なのですが、その方を、私たちは「師匠」と呼んで尊敬して来ました。

このように加齢による記憶力の減退も、工夫次第ではうまく付き合って
いけることを学びました。さて、皆さんの場合はどうでしょうか。


名作・古典に親しむ

2008年01月22日 | 読書三昧

1月22日

ニセコは今日も雪です。
一部晴天との予報でしたが、残念ながら降雪が続いてスキーには行け
ませんでした。

私たちは、当地に移住して10回目の冬を過ごしています。
この間休むことなく町営の図書館に通いいろいろな本をお借りしています。
隔週に一人3冊、都合6冊借りられますので、いつも本に囲まれての田舎
暮らしです。

小生は、主に松本清張や司馬遼太郎、新田次郎、藤沢周平、吉村昭
(以上故人)、宮本輝、山崎豊子、渡辺淳一、宮尾登美子、村山由佳、
熊谷達也、佐々木譲、北村薫等の各氏を読んで来ました。実は、家内も
(似たもの夫婦というべきか)輪をかけた本好きで、本さえあれば他は
どうでも良いらしく(高価な装身具に凝ることもなく)ありがたい存在です。

また、特定の作家にこだわらずオールラウンドに何でも読み、読書量も
隔週3冊では足りず、小生が借りた分まで読んでいますから、概ね、
週3~4冊、年間200冊近くは読むでしょう。

というわけで町の図書館は、私たちにとってなくてはなならない存在です
が、小生は最近、3冊の内1冊は、名作あるいは古典とされているものを
借りるようにしています。つまり、長年人々によって読み継がれてきたもの
には、相応の教訓にあふれており、読み甲斐があると考えるからです。

ただ、この名作や古典は、新刊の話題作などを読むより労力や忍耐を
必要としますから、先ずは、比較的短いものから読み始めています。
最近、読んだものを上げてみますと、

 ・アンドレ・ジイド  「田園交響楽」
 ・ヘルマン・ヘッセ 「車輪の下」
 ・ツルゲーネフ 「はつ恋」
 ・魯迅 「阿Q正伝」
 ・森鴎外 「舞姫」
 ・新渡戸稲造 「武士道
 ・長塚節 「土」
 ・樋口一葉 「にごりえ・たけくらべ」
 ・鴨長明 「方丈記」

などですが、目下は吉田兼好の「徒然草」を読んでいます。ここには、
人生の教訓をズバリ指摘する小気味よさがあります。

・されば、人、死を憎まば生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざ
 らんや。愚かなる人、この楽しみを忘れて、いたづがはしく外の楽し
 びを求め、この財を忘れて、危ふく他の財を貪るには、志、満つ事な
 し。生ける間生を楽しまずして、死に臨みて死を恐れれば、この理あ
 るべからず。人皆な生を楽しまざるは、死を恐れざる故なり。死を恐
 れざるにはあらず、死の近き事を忘るるなり。もしまた、生死の相に
 あづからずといはば、実(まこと)の理を得たりといふべし。(第93段)

また、これを読んでいて不思議に思ったのは、初めは、注釈がないと
なかなか先に進めなかったのですが、読み進むうちに、「をかし」とか
「あわれ」とか「いみじ」などの概念がわかるようになり、注釈なく読む
ことができるようになりました。つまり、古典もそれなりの「慣れ」が必要
で、ある程度量をこなせば、それほど身構えなくとも読めるようになる
ようです。

こうして、少しずつ名作や古典に触れ、トルストイの「戦争と平和」や
ドストエフスキーの「罪と罰」やマーガレット・ミッチェルの「風と共に去
りぬ」 などの長編にも挑戦したいと考えています。


お手軽チン料理

2008年01月21日 | 田舎暮らし

1月21日

今日もニセコは雪が降り続いています。
明日には寒気も弱まって、回復に向かうようです。

電子レンジを使って美味しい料理ができれば、手軽さもあってとても重
宝すると思うのですが、これがなかなか難しいようです。そのためもあって、
拙宅では(電子レンジは)もっぱら、牛乳を温めるなど、食品の加熱用と
してしか使って来ませんでした。

ところが、最近届いた「通販生活」誌で、電子レンジ専用の調理鍋がある
ことを知り、早速取り寄せて使ってみたら、とても美味しい料理ができる
ので、ご紹介してみようと思います。

この特殊な調理鍋は商品名を「クック膳」といい、料理研究家の千葉真
知子先生が考案され、米国の特許もとっている優れものです。

ポイントはその構造にあり、調理中に食材の水分が逃げないように中蓋
を置き、これをロックの付いた外蓋で固定するようになっていることです。
図解するとこのようになっています。(ザルは通常の料理には使用しま
せん)

早速、この調理鍋で「里芋と生シイタケの煮付け」や、「ほうれん草と
ベーコンの炒め物」などを作ってもらいましたが、とても美味しくでき
るのです。その後「薄切り牛肉の長ネギ巻きとゴボウの煮物」など、
ちょっと複雑な料理も出てきましたが、十分いただけます。

またこの調理鍋の良いところは、食材と調味料を適宜仕込んでレンジ
に入れておけば、あとは調理開始のボタンを押すだけで、所定の時間
に”チン”と出来上がる点です。つまり、他の調理との同期化ができる
のです。

歳をとるとどうしても、全体をコントロールしながら数種類の料理を
つくることが難しくなりますが、この鍋を活用すれば、それが可能にな
ります。

例えば、こんな場面を想像してみて下さい。
夕食の献立が、ご飯にカレイの煮付け(主菜)とカボチャの煮付け
(副菜)に味噌汁だったとしますと、先ず、炊飯器のスイッチを入れ、
しばらくしたら、魚を裁いて煮付けを開始。適宜、煮込んだら弱火に
して、副菜の仕込みと味噌汁の準備をします。

つぎに、煮魚の火を落として味噌汁に火を入れ、具が柔らくなったら
味噌を入れますが、同時にレンジの開始ボタンを押して、副菜の調理
をスタートさせます。

そして数分後、味噌汁の味噌がひと煮立ちする頃、レンジが”チン”と
鳴って副菜のカボチャの煮付けができあがります。これと前後してご飯
も炊き上がりますから、それぞれ食器に盛り付けて夕食の準備は完了
です。

この「副菜」が同期して仕上がるというのがポイントで、その調理をレンジ
まかせにでき、しかも所定の時間に美味しくできあがるなら、それが
どれほど熟年世帯の料理を楽にするかわかりません。
機会があれば、お試し下さい。
尚、上記の写真は、千葉先生のHPから拝借しました。


フェルメール 全点走破の旅

2008年01月20日 | ギャラリー

1月20日

今日もニセコは朝から雪が降り続いています。
先週の予報では、晴天マークがいくつか付いていたのですが、次第に
順延となり、この分ではいつになったら晴天下でスキーができるのかと
気をもんでいます。

先日、札幌に出た際本屋さんを覗いたら、朽木ゆり子さんがお書きにな
った掲題の本(集英社新書)をみつけました。彼女の好きなフェルメール
の作品全部を、ベルリン、アムステルダム、ロッテルダム、ニューヨーク
など世界11ヶ所の美術館を一気に回って見たというルポです。

ご存知の方も多いと思いますが、オランダの17世紀の天才的画家フェル
メールは、極めて寡作で、現存する彼の作品はたった37枚。しかも内3枚
は、彼の作品かどうか研究者の間でも結論が出ていないそうです。

しかしこの数少ない作品にもかかわらず、日本のおける彼の人気は絶大
で、つい年末まで東京上野で、かの有名な「牛乳を注ぐ女」を中心にした
オランダ民族絵画展が開催されていました。

「なぜ日本人はフェルメールが好きなのか」に答えて、筆者は、

・ひとつは、は宗教的背景が少なく、手紙を読んだり、人と話したりと
 いう室内での日常的な風景を描いた彼の絵の世界は私たちが、現在
 暮らしている世界とあまり離れておらず、親近感と同時に、時間的な
 ギャップを超えた普遍的な美を感じさせるためではないか。

・ふたつは、絵の持つ崇高さみたいなものもあると思う。荘厳な光の中に
 佇んでいる女性たちには、聖母とは別種の浄化作用が備わっているよ
 うに思える。彼の絵の前に立つと、日常の煩雑きわまりない生活を一瞬
 忘れ、静寂と安らぎに包まれる、そうした側面が彼の人気に寄与して
 いるのではないか、と言う。

そしてまた、彼女はこの旅の結論として、

・フェルメールの絵画の多くは、宗教を題材にしていないにもかかわらず、
 なぜ単身女性の立ち姿が崇高さと力強さに満ちているのかと言えば、
 それは、フェルメールの持っていた美しさに対する探究心が宗教的な
 ものを基盤としていたからではないか。

・信仰の種類が何であろうと、何か自分よりずっとレベルの高い存在を
 認め、それに対して技術を尽くして捧げるように作った芸術作品には、
 存在そのものの強さがあるのではないか。そして、その強さと深さは、
 時代を超え、宗教を超えて見る人の心を揺さぶるからにほかならない。
 それが、フェルメールがこれほどまでに多くの人々に支持される理由
 なのだ、と結んでいる。

この本を通して、フェルメールの絵の持つ魅力について再認識させら
れたような気がします。フェルメールファンにお勧めの一冊です。
尚、上記の写真はいずれも掲題の本から借用しました。


生活の知恵

2008年01月19日 | 田舎暮らし

1月19日

連日の雪かきで身体のあちこちが痛いので、今日は「雪かき
休養日」を宣言してPCに向かっています。

男性諸氏にとって、毎日の髭剃りくらい面倒で何とかならないかと思い
ながらどうにもならず、社会に出て以来、毎日これを続けておられるも
のと思います。

それも毎日のお勤めがあり、外に出ざるを得ないなら仕方ないのですが、
小生のように、リタイヤ後田舎暮らしなどしていると、どうせ誰に会う
わけでもないからとついサボりたくなります。

こうして時々サボってはみるものの、年寄りのひげ面くらいむさ苦しい
ものはなく、自分で鏡を覗いてそう思うくらいですから、他人が見たら
なおさらですから、せいぜい見苦しくないように毎日(のつもりで)髭剃り
をしています。

小生の場合は、電気カミソリでざっと剃った後、気になる剃り残しを片
刃のシェイバーで当たるという手順です。要する時間は5分ほどですの
で、これで終日爽快に過ごせます。

ただ、この電気カミソリというのがちょっと曲者で、可動部分の刃と網
目状のカバーが磨耗して切れ味が落ちてしまったり、数年に一度は、内
蔵されいるニッケル水素電池が劣化して充電出来なくなってしまいます。
電気店を通してメーカーに電池の交換を依頼すると、時間(2週間くらい)
とお金(1万円弱)がかかります。

替え刃は、近くのホームセンターで購入できますが、5~6千円もしま
す。交換周期が外刃が1年、内刃が2年と短く費用がかさみます。

そこで先日、歯磨き粉に研磨剤が入っていることを思い出し、これを刃
に塗ってしばらく稼動させてから洗い流し、いつものように髭を剃って
みたら、これが大正解! 切れ味が戻り、しばらくはこのまま使えそう
です。

また、電池については、昨秋、カミソリ本体を分解してみたら、内蔵さ
れている電池は汎用品で交換可能のようでしたので、ホームセンターで
型番を指定して取り寄せてもらいました。確か1,200円ほどだったと記憶
していますが、これで電池も自分で交換できることがわかりました。
ただし、個人が手を加えると、故障した場合、メーカー修理ができなく
なります。

ちょっとした生活の知恵ですが、身の回りにはこんな工夫で、お金が節
約できたり、暮らしが快適になったりする事柄が多いのではないでしょ
うか。


ユンディ・リ ピアノリサイタル

2008年01月17日 | 音楽三昧

1月17日

今日もニセコは大雪です。
昨日、札幌から帰宅すると自宅が雪に埋もれていてびっくりしました。
ウンウン言いながら雪かきをしてようやく屋内に逃げ込みました。

一ヶ月半ぶりのコンサート。
ユンディ・リのピアノリサイタル(15日、札幌kitara)を聴きに行って来ま
した。

ユンディ・リは、ご存知の方も多いと思いますが、中国重慶の出身で
人気、実力ともに世界の若手ピアニストを代表する存在です。2000年
のショパンコンクールに弱冠18歳で優勝し、翌年ドイツグラモフォンと
専属契約を結んで次々とCDをリリースする一方、北米、ヨーロッパ、
日本各地でリサイタルを開催。その正確で流麗なピアニズムで絶賛を
浴びました。また、端正で甘いマスクは「ピアノの貴公子」の愛称を
獲得、女性ファン憧れの的です。

会場は彼の人気を反映して超満員。若い女性ファンが多く、いつに
なく華やかな雰囲気です。

プログラムは、クラシックファンならどなたもご存知の曲ばかり。

 ・モーッァルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K-330
 ・ショパン:4つのマズルカ Op.33(第22~25番)
 ・ショパン:夜想曲第2番変ホ長調 Op.9-2
 ・シューマン/リスト:献呈 S.566
 ・ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
        変ホ長調 Op.22
 ・ムソルグスキ:組曲「展覧会の絵」

盛んな拍手でに迎えられて登壇し、一見素朴などこにでも居そうな
感じの青年でしたが、一たびピアノに向かうと印象がガラリと変わり、
鋭いタッチの流麗な音が会場に流れます。速いパッセージも一音
一音はっきりと聴こえ、しかもキラキラと結晶化したような音が響き
ます。

モーッァルトのソナタは、ただ、ちょっときれい過ぎて、旋律に酔うと
いう感じではありませんでしたが、第二曲の「4つのマズルカ」はすば
らしいと思いました。

もともとポーランドの民族舞曲で、リズムもメロディーも奔放な曲です
が、どれもショパンの意図を知り尽くしたような納得のいく演奏でした。
また、民族的色彩もよく表現され、この曲をこれほど見事に演奏する
のを聴いたことはありません。

そしてショパンの夜想曲。甘いメロディーに会場からため息がもれます。
これもすばらしいリストの「献呈」に続いて、ショパンの大曲「アンダンテ・
スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は、彼が最も得意とする曲で圧巻
でした。聴衆は華麗でスケールの大きな演奏に酔いしれました。

休憩を挟んで、ムソルグスキの大作「展覧会の絵」が演奏されました。
この曲は、ラベルが編曲した管弦楽曲として聴く機会が多いのですが、
演奏されたのはピアノ曲の原曲で、細部のニュアンスも、また、最終曲
キエフの大門のようにスケールの大きさも求められる難しい曲です。

この難曲も彼のテクニックで無難に弾きこなしているようでしたが、曲の
持つロシア的な暗さや重厚さという点では、少し不満が残る出来だった
ように思います。この点では、ロシア出身のキーシンなどの演奏が一枚
上手のように感じました。

曲が終わって何度か挨拶に出て来ましたが、アンコールなしで会場に灯
が入りました。ちょっと拍子抜けがしてロビーに出てみると、若い女性
ファンの長い長い列が出来ていました。これからサイン会があるとかで
その数ざっと200人ほど。まだまだ増えそうな気配でしたので、この大勢
のファンにサインやら握手やらのサービスを考えると、アンコールは
カンベンしてということのようでした。

宿に向かう雪道で「よかったわ」を連発する家内も、いつになく上気した
顔をしています。どうも「貴公子」の弾く甘いメロデイーに酔うのは何も若い
女性に限ったことではないようです。


代名詞世代

2008年01月14日 | 田舎暮らし

1月14日

今朝は晴天でしたので、スキーの用意をしてゲレンデに出たのですが、
すぐに雪が激しく降り出し10m先も見えないようなコンデションになり
ました。

それでも風がなかったので、そのままいつものコースを滑っておりまし
たら、急斜面で、家内がめずらしく新雪に足をとられて転倒し15mほ
ど飛ばされました。急斜面では通常、転倒しても怪我することはなく、
そのまま滑り降りて帰宅しました。

私たちは、老夫婦二人だけの生活ですので、日頃は、お互い好き勝手
なことをして過ごしていますが、食事の準備や、冬ですと雪かきなどは、
協力して作業します。

その際、小生が「それ取ってよ!」と言えば、それが何かと言わずとも
メガネとか、ハサミとか(小生が)欲しいものが(家内から)差し出され
ます。いわゆる、阿吽の呼吸で、それが何かと言わずとも相手に通じ
ます。

しかし、このような単純なシチュエーションなら問題は少ないのですが、
少し複雑な話をしている時、とにかく名詞が出て来ません。話の核とな
る、人、物、地名などが出てきませんから、次々と、あれ、それ、あそこ、
あの人等々、代名詞を連発することになります。

この年代になると(小生は67歳ですが)仕方ないのでしょうが、何と
もじれったいかぎりです。この頃は、もう「代名詞世代」と割り切って、
毎日、あれ、それを連発しながら暮らしています。

今日も、こんなことがありました。
夕方、散歩ついでに、家内が近くの知人に頼まれ物を届けると、
そこの奥さんが、届け物を受け取って姿を消したのですが、再び、
玄関の扉をあけて姿をあらわし、家内に向かって「あれ、ありがとね」
と言いました。家内も、「あれね、キャハハ」と応えています。

「あれって何さ」と小生が(家内に)尋ねると「先日、枯れたツルアジ
サイの花を(奥さん宅の)玄関先に置いたのよ」とのこと。なるほど、
代名詞世代は拙宅だけに生息しているのではないのだな、と納得
した次第です。


給油するなら(2)

2008年01月12日 | 田舎暮らし

1月12日

北海道は、今日、この冬一番の寒い日になりそうです。
当地(倶知安町)の今朝の気温は-7℃でしたが、道北の北見市では-16℃
だったそうです。これはかなり寒いです。

先月28日、「給油するなら(インド洋上の他国の艦船にではなく)我が家のタンク
にしてよ」との投書をご紹介しましたが、昨日、例の新テロ対策特措法が参議院で
否決されたにもかかわらず、衆議院で(2/3条項で)可決され、成立しました。

これは、世論の動向からも、手続き上からも異常としか言いようがありません。

第一に、ガソリンや灯油の高騰に苦しむ庶民の感覚や世論との乖離が大きく、
第二に、直近の民意を反映した参院の議決を無視、両院協議会も開催せず、
第三に、インド洋上における給油が「テロ防止」に有効との論拠を示さず、
第四に、日頃憲法を軽視している勢力が、2/3条項は正当と主張する。

等々、どれひとつをとっても、納得のいく話ではありません。この事態に先の郵政
選挙で自民・公明両党に議席の2/3以上を与えてしまったことに、じくちたる思い
を抱いておいでの方も多いと思います。

これらの方々は、次の衆議院選挙では、きっと(これらの勢力の議席を減らして)
敵(カタキ)を討つに相違ありません。


ふたつのニュース

2008年01月09日 | 田舎暮らし

1月9日

今日はこの冬一番の大雪です。
朝昼晩と、3回も雪かきをしました。概ね、6-70cmの積雪です。
家内と一緒に雪かきをしながら「いよいよ来たね」と大雪の到来を喜び(?)
ました。小鳥の給餌台もこんなに雪を積んでいます。

今朝、新聞を開いて特徴的なふたつのニュースを興味深く読みました。

ひとつは、薬害C型肝炎患者の皆さんを救済する法案が、昨8日、衆議院を全会一致で
通過したというニュースです。法案成立直後、議会を傍聴していた患者代表の皆さんが
立ち上がってニッコリ微笑む大きな写真が添えられていました。

過去5年の長きにわたって裁判所で争い、マスコミに訴え、そして世論を動かし、遂には
首相も議会をも動かして、この成果を勝ち得た患者の皆さんの粘り強いたたかいに拍手を
送りたいと思いました。

ただ、忘れてならないのは、これで患者の皆さんのたたかいが終わったのではないという
ことです。つまり、これで肝炎がすぐ全快するわけもなく、これかも長い長い闘病生活が
続くということ、また、この薬害を発生させた行政の責任者の処罰が決まっていないこと
です。これらがどうなるのか、引き続き見守って行く必要があるのではないかと思います。

ふたつは、2006年8月、九州福岡で酒酔い運転の車が追突して3児が亡くなった事故に
対する地裁判決が出たが、危険運転致死傷罪に問われることなく、求刑25年に対し、
懲役7年6ヶ月の判決が出たことです。この判決後、被害者の遺族が、亡くなった3児に
つながる人間の営みがこれほどの量刑にしか値しないのかと訴える一方、父親は、不満
だが、これが司法判断ということであれば受け入れざるを得ないとインタビューで述べて
いたのが印象的でした。

私たちは、感情的に極刑を求めるわけではありませんが、結果責任がこの程度で良い
のかという疑問が残る判決だったように思います。


@156円

2008年01月08日 | 田舎暮らし

1月8日

今朝寝坊して7時ごろ目覚めると、朝焼けの空に、お山(羊蹄山)が
シルエットになって浮かんでいました。
おおっ、これはスキー日和だ、と思いつつ、リフトの運転開始に間に合うよう
出かけたのですが、すぐに雲が出て、雪も降り出し、日和見スキーヤーの
私たちは、標高1,100mから一回滑り降りただけで帰ってきてしまいました。

昨日、買い物に出たついでに、近くのスタンドで給油したら、
 ・給油量:33.65L(レギュラーガソリン)
 ・単 価 :156円
 ・合 価 :5,249円(内消費税250円)

という請求書が出てきたので、思わず店員に「高くなったね」と声をかけると
「ハィ、私たちも困っているんです」という答え。店員に罪はないのですが、
ここまで高くなると、グチのひとつも言いたくなるというものです。

このガソリン価格の急激な上昇は、原油の異常な高騰によるわけですが、
ここまで高くなると、いわゆる暫定税率に基づく税金が53.8円/Lも含まれている
ことが、改めて問題になりそうです。しかも、このガソリン税に消費税がかかる
という不思議な不合理もあります。

ガソリン税は、本来は28.7円/Lであるべきところを、道路整備のためと称して
1976年7月と1979年6月の二回にわたって(暫定的に)上乗せされた25.1円/Lと
合わせ、53.8円/Lとなっています。つまり、過去30年近く「暫定的」に課税されて
来た暫定税率に伴うものです。

その「暫定」期限がこの3月31日に迫っているそうで、いっそ暫定をやめて
みてはいかがでしょうか。そうすれば、確実に、25円/Lは安くなります。無駄な
(地方の)道路を作らないためにも、これ以上の策はないと思いますがどんな
ものでしょうか。 


ダウンしてしまいました

2008年01月07日 | 田舎暮らし

1月7日

今日は、朝からボサボサ雪が降り続いています。
あまり気温は低くないようです。

新年が明けて、はや1週間が過ぎようとしています。
元旦からお天気も上々で、今年は良いことがありそうな、と記載したのですが、
それとは裏腹に、年末にいろいろ忙しかったり、また、正月の食べすぎで
ひどい下痢をしてしまいダウンしてしまいました。

終日寝込むというほどではなかったのですが、それでも、何を食べても止まら
ないので、結局、3日間ほどおかゆを食べて過ごしました。
何だか、顔が少し小さくなった感じで、また、体に力が入らず、一時はどうなる
かと心配しました。

やはり、健康な身体あっての暮らしなのだと痛感した次第です。
2008年は、先ずは「反省ポーズ」の幕開けとなりました。


病院を見極める目を

2008年01月03日 | ボランティア

1月3日

今日も曇天で、雪がチラチラ舞っています。
昨夜は、”明日はゲレンデに出よう”と思っていたのですが、日和見
スキーヤーのことですから、今朝の空模様ですぐ方針を転換して
PCに向かっています。

年末にかけて、網膜剥離友の会にご相談を寄せられていた方から、
何通か礼状を頂いた。今年も、こうしたご相談に真摯にお応えして
いきたいと念じています。

始めの方は、妹さんが、ある著名な大学病院で「アトピー性の白内
障と網膜剥離」と診断されたにも拘わらず、担当医から”様子を見
ましょう”と言われ、(このままでは失明してしまう)とショックを受け、
ご相談を寄せられました。

 ”ひろし様
  
  お世話になっております。
  ご連絡が遅くなってしまい、申し訳ございませんでした。
  
  手術はT先生に執刀して頂きました。
  西葛西にある『井上眼科病院』に入院し、T先生にご足労頂いて
 手術をして頂きました。
  手術が終わったのは午前0時半と遅くなりましたが、無事に終わ
 り、本日退院できるまでに回復しました。
  
  素晴らしい先生をご紹介頂いて、ありがとうございます。
  今後も、T先生のところでお世話になります。
  本当にありがとうございました。 山下M”

次は、自閉症のご子息が網膜剥離になり、近くの大学病院で手術の
日程まで決まっていたのに、直前になって、”リスクがある”云々で
手術が順延となり、ご相談いただいた方です。

 ”ひろし様

 アイケア名古屋のA先生をご紹介いただきました。加藤でござい
 ます。

 お蔭様で、21日硝子体手術をしていただきました。A先生のおか
 げで網膜は、復位できました。黄班部にかかっていて、剥離して
 いた期間も長かったので(十分な)視力の回復は望めませんが、
 見えるようになり大変うれしく思っています。

 28日に抜糸をしていただくことになっています。 術後も順調に
 過ごしています。

 ひろし様からのメールで本当にどん底から救われました。
 ありがとうございました。友の会にも入会させていただき、
 今後の支えに させていただきます。加藤K”

これらのご相談に共通していることは、大学病院の治療が必ずしも
患者の意に沿うような内容になっていないことです。

勿論、しっかりした体制と患者本位の治療で実績を上げている大学
病院もあるので、一概に「大学病院はダメ」とは言えませんが、
要は、患者の側が病院の良し悪しを見極める目を持つこと及び、
信頼して治療を任せられる医療機関を探し出す労力をいとわない
ことです。

その点、難病であればあるほど、患者の会などにご相談なさること
をお勧めします。


新年おめでとうございます。

2008年01月01日 | 田舎暮らし

2008年1月1日

明けましておめでとうございます。
いつもこのブログをご覧いただいている皆様に心からお礼申し上げます。

今朝、家内の雪かきの音で目が覚め、カーテンを引いてビックリ!
一面の銀世界です。ホワイトクリスマスならぬホワイトニューイヤーです。
そこで一枚。

拙宅の裏の風景ですが、今朝は、新雪をかぶって輝いています。
薄日もさして文句ない新年です。今年はいいことがありそうな!!

とは言え、家中は前途多難のようで、「あなたは行かないのね!」と捨て台詞を
残して、家内は(歩いて)スキー場へ行ってしまいました。

皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。