田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

カイカイは目下

2009年06月30日 | 田舎暮らし

拙宅の敷地の南側は、4m幅の管理用地に接しています。
ここには、上下水道の大きな配管が埋設されているだけで、日頃、管理対象になっていないので、今の時期、ほって置くと草ぼうぼうのヤブになってしまいます。

また、南側だけに、このままでは見栄えもよくないし、虫の棲家ともなってしまうので、折を見て草刈りをしています。

10日ほど前、大き目の鎌を持ち出し、ここの草刈りをしたのですが、その際、うっかり「ツタ漆」の葉をすこし刈り込んでしまいました。ツタ漆があると知っていれば、そこを避けたはずですが、刈ってから気付いても後の祭り。

案の定、2・3日経って、先ずは右手の甲に三つほど湿疹が出たと思ったら、次には、額に小さな湿疹がたくさん出て、痒みもひどくなって来ました。

小生らは、日頃、山登りをしたり、ヤブをこいだりしているので、この漆のカブレには強いはずですが、今は、漆も活動が活発な時期だけに、ちょっとの「うっかり」がひどい痒みとなってしまいました。

それから1週間余り、身体のそこここに湿疹が現れて、カイカイ(痒い痒い)の毎日でした。特に、気温が上がって寝不足になり、少々ゴキゲン斜めにでもなると、草刈りをしなければ→管理用地がなければ→田舎暮らしなどしなければと、次第に落ち込んでしまいます。

それでも、もう峠は越えたらしく、目下、「カイカイさん」は、両足の膝下あたりに名残りを残しているだけで、ほとんど痒みもなくなりました。これで懲りたので、この夏は、漆には気をつけるでしょうから、もう被(かぶ)れることもないでしょう。

それにしても、虻(あぶ)の襲来といい、漆のカブレといい、田舎暮らしもなかなか楽ではありません。

これは、拙宅玄関先のツタ漆です。過敏な方は、これを跨いだだけでも被(かぶ)れるといいます。

これは、立ち木に巻きついたツタ漆です。拙宅西側の林です。

 


舞い降りるドーナツ

2009年06月29日 | 音楽三昧

オーデイオでクラシック音楽を聴く毎日です。
特に、ニセコに家(ログハウス)を建ててからは、音が木の家に馴染んでよく鳴ることから、ますます深みにはまって、装置をあれこれいじっては悦に入っていました。

今度も、スピーカーの箱をより大きなものにしたら、きっと良い低音が出て、オーケストラがそれらしく聞こえるに違いないと、箱を作るメーカーに依頼して製作してもらいました。

発注して待つこと2ヶ月半。
ようやく届いたのですが、現物を目の前にして、その大きさと重さに仰天してしまいました。これではとても2階に運び上げるのは無理です。

そこで1Fの居間に置いてみようと、その辺を片付けて設置してみるとこれが大正解。マァ見てくれも良く、音も良しで、何となく収まってしまいました。



これによって生活スタイルも変ってきました。
従来は2Fで、オーデイオで音楽を聴きながら、パソコンを操作するなどしていたのですが、今度は、1Fで真面目に(音と)向かい合う必要があり、また、PCのディスプレイを見つめる時間も減って、(目の)健康上も良くメデタシメデタシです。

というわけで、このところは、LPとかCDとかのドーナツを抱えて1F通いをする毎日です。


フキの葉ハット

2009年06月28日 | 田舎暮らし

昨夕の散歩。
いつもより少し早く出発したこともあり、日陰は兎も角、日差しの下ではとても暑くて堪らず、思わず、道端の大きなフキの葉をちぎって頭に乗せました。

直径6~70cmはあろうかという大きな葉っぱなので、強い日差しから頭を隠すのにはうってつけです。小生は、逆さにして頭に乗せ、家内は、茎の部分を握って日傘のようにして歩きました。

道路に落ちた影を見ると、小生のは、よくベトナムの人々が被る菅笠のようなシルエットを呈しています。家内のそれは、つぶれたキノコのようで、思わず笑ってしまいました。

こんな姿で、珍道中よろしく散歩ができるのも、田舎暮らしゆえのことと自画自賛した次第です。


有希マヌエラ・ヤンケ ヴァイオリンリサイタル

2009年06月25日 | 音楽三昧

シンと静まり返った札幌Kitara大ホールに、ストラディヴァリウスの美しい音色が響きわたる。ピアノの澄んだ音が、同じメロディーラインを追いかける。

ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番「春」。聴き慣れた楽曲だが、やはり、生演奏で聴く「春」の何と魅惑的なことか。ヴァイオリンは、ストラディヴァリウスの名器「ムンツ」という。

一昨日、有希マヌエラ・ヤンケさんのリサイタルを聴きました。彼女は、ドイツ人を父に、日本人を母にもつドイツ新世代の日系ドイツ人バイオリニストです。

パガニーニ国際コンクールの最高位の他、チャイコフスキー国際コンクール第3位、サラサーテ国際コンクール優勝などの実績を持ち、その卓越した技術と「心を揺さぶる演奏」で人気急上昇中とか。この日のピアノ伴奏は、お姉さんの歩(あゆみ)マノンさんでした。

プログラム
 ・
ベートーヴェン ソナタ第5番 ヘ長調 「春」 作品21
 ・ バルトーク 無伴奏ソナタより「シャコンヌ」
 ・ シマノフスキ ノクターンとタランテラ 作品28
 ・ フランク ソナタ イ長調
 ・ ワックスマン カルメン・ファンタジー

後半のフランクのソナタもすばらしい出来で、聴衆を魅了するに十分でした。最後に弾いたカルメン・ファンタジーの終曲で弓の一部が切れ、アンコールなしの終演となりました。こんなことも珍しいですね。


天の声

2009年06月21日 | ドラミング

西松建設の国沢幹雄前社長による政治資金規正法及び、外為・外国貿易法違反事件の公判が開かれた。

同氏は、起訴事実を全面的に認めるとともに、弁護人質問では、「大なり小なり競争に勝つためには(政治家への多額の政治献金も)必要と考えていたが、悪弊をなくす努力を何故できなかったのかと忸怩たる思いだ」と述べたという。

つまり、前民主党党首、小沢氏への多額の献金は、公共工事の受注に必要な同氏側からの「天の声」を得るためのものであって、その違法性を十分認識していたことになる。

一方、西松建設と密接な関係を持ちつつ献金の受け皿となり、実質的に「天の声」を発していたとされる小沢氏の公設第一秘書、大久保隆規容疑者側は、「検察の一方的な主張で根拠はない」と主張しているという。

しかし、「便宜供与を期待しての献金」という主張は、極めて納得性があり庶民感情にも沿うものである。何も期待せず、億を越す金を出す者がいるだろうか。

20日の朝日朝刊に堀田力氏(元特捜検事)の談話が載っている。
堀田氏は、「冒頭陳述で、小沢事務所が政治力を悪用して公共工事を私物化した事実が明らかになった。(業者に)高く落札させて得た利益を(政治家に)還元させるのは、税金の横領と行っていい。事件は政治資金の実態を国民の目から覆い隠す行為で悪質だ」と述べている。

これがこの事件の本質だと思うがどうだろうか。


ハイドンハウス

2009年06月20日 | 音楽三昧

過日の中欧旅行の際、ウイーンのハイドンハウスを訪れました。
旅も終わりに近づき、大分疲れていたのと、邦人ガイドの下世話な説明に腹を立てていたこともあり、あまり良い印象を持ちませんでした。

ただ、大作曲家のハイドンが晩年の12年間を、実際にこの家で暮らしたと思うと、それなりの感慨がありました。後期の大作は、ほとんどここで作曲されたといいます。また、ひと時腰を下ろしたベンチから眺める庭の雰囲気は最高でした。

小生は、ハイドンの楽曲に詳しくありませんが、有名な交響曲の他にもすぐれた曲がたくさんあるようです。この弦楽四重奏もそうですが、後のモーツアルトやブラームスに引き継がれるすばらしい曲想を含んでいます。

ここには、ハイドンを敬愛したブラームス(1833~1897)の記念室も併設されています。冒頭の写真は、WEBから借用しました。

蛇足~これはハイドンの「ヴァイオリンとハープシコードのための協奏曲ヘ長調」で、宮廷音楽らしい優雅さとおちつきを感じさせます。イムジチの演奏も良く、アナロク(LP)ののびやかな音にも好感がもてます。

 


そろそろ覚悟しなければ~

2009年06月19日 | 読書三昧

五木寛之氏著「人間の覚悟」を読みました。
「蒼ざめた馬をみよ」で直木賞を受賞後、「青春の門」「風に吹かれて」「戒厳令の夜」「朱鷺の墓」「大河の一滴」など、数々の話題作をおくり出してきた人気作家が説く人生訓。

不確実性の増大、少子高齢化と右肩下がりの経済等々、日本は今、明らかに「下山の時代」を迎えている。その中で、人生如何に生きるべきか。大変な難問であるが、同氏は、「いよいよ覚悟を決めるときだ」と説く。

1945年、中学1年生の五木少年は、終戦直後の平城に居た。現在の北朝鮮の首都ピョンヤンである。戦争に敗れた後、旧植民地支配者が受ける苛烈な運命など知る由もなく、国が発する「治安は維持される、動くな」との指示を真に受けて、静かに帰国の順番を待っていた。

しかし、この時、高級軍人と官僚たちはその家族とともに、すでに南下を完了していた。そして帰国までの地獄の逃避行が始まる。その経験から「国は決して国民を守らない」ことを知る。

今、大量の派遣労働者が突然、理由もなく解雇されたり、長年積み立てた年金の記録が不明になるなど、会社や国に依存して生きていることが無意味になりつつある。これは、昔も今も変らない。つまり、自分の生きるすべを自ら見出すという「覚悟」をしなければならないのだ。

また、今大切なことは、いかに生きるべきかではなく、生きることそれ自体なのだという。最近通読した著作で最も示唆に富んだ一冊でした。ご一読をお勧めします。


力の差

2009年06月18日 | ギャラリー

昨夜のサッカー豪州戦。
前半リードするも、またも後半追いつかれて負ける、というパターンで、正直、実力の差を見せ付けられる結果となりました。

勿論、日本も主力の中沢、中村、遠藤、長谷部、本田選手などを欠く布陣でしたのでやむを得ないのですが、せっかく本大会レベルの相手と対戦したのですから、あるいは、日本代表らしい攻撃を見せてくれるのではないかと期待していましたが、不発でした。

つまり、選手の体格差に加え、ボールに対する寄せの速さの違いが目につき、いつもなら早いパス回しから、相手の陣形の乱れをついてゴールに迫るのに、速い寄せに合い、自分たちのサッカーをさせてもらえませんでした。

加えて、恵まれた高さと俊敏性に富んだ相手フォワード、ケーヒル選手とケネデイ選手に、自在にひっかきまわされ、セットプレイで失点を重ねました。

16日の朝日朝刊に掲載された前代表監督オシム氏とのインタビューで、同氏は、日本チームに求めるものとして、「二人の俊足のサイドプレーヤー、二人の高いセンターフォワード、ずしりと安定した二人のデフェンス。そして、中盤には本物の実力を持った選手たち」と述べています。

これはとてもよくわかる話で、現在の日本チームをみると、サイドの内田と長友、デフェンスの中沢と闘莉王は、この要求に合致していますが、やはり、「高い」センターフォワードが鍵になるようです。

相手の球を奪ってすばやく投じられる縦パスを確実にキープし、攻撃の起点になれるフォワード。セットプレイで、確実に得点できる高さと俊敏さを備えたフォワードがどうしても必要です。

本大会まで1年。ないものねだりをしても仕方ありませんが、真に「世界を驚かす」日本代表に成長して欲しいと願うばかりです。


新顔ふたつ

2009年06月17日 | 田舎暮らし

お天気がはっきりしませんね。
今日もニセコは、曇天の一日でした。明日はちょっと良くなるようですが、すぐまた曇天に戻るようで、少々、憂鬱です。

所要で二日ほど留守にして帰宅してみたら、拙宅の庭は、新顔が咲いたりして、一段と賑やかになっていました。

これは「フウロ」ですが、どうも園芸種のようで、とても派手な色です。深山に咲くフウロは、もう少し色が薄く、清楚な感じです。人の手が入ると、見栄えが追求され、派手になって行くようです。

これも新顔ですが、もう何年も前に、近くの川に釣りに行った帰りに、道路わきでメロンを売っていたので、車を止め、いくつか購入しました。その際、そのメロン売りのお嬢さんが、となりのスペースに、いくつか花の苗も並べていたので、何気なく求めたものが、我が家で勢力を伸ばし、指定の花壇から勝手に這い出して、ベランダ前の一等地に咲き出しました。

居心地の良い場所~栄養があって日当たりがよい~は誰にとってもねらい目らしく、この春は、山ウドにつづいての(ベランダ前の)新顔です。名無しのごんべえで、拙宅での通称は「地味ばな」です。

少し前に咲き出した「サクラソウ」は、もう庭のあちこちで”この世の春”を謳歌しています。これだけ、いろいろたくさん咲くと、清楚さが売りの花ですが、少々、”はな”につくとはお思いになりませんか?

 


田渕久美子著「女の道は一本道」

2009年06月15日 | 読書三昧

「女の道は一本道にございます。さだめに背き、引き返すは恥にございます!」と、松坂慶子さん扮する侍女の幾島が嫁入り前の「篤姫」を諭す場面を覚えておられる方も多いことでしょう。

この本は、好評だったNHK大河ドラマ、「篤姫」の脚本をお書きになった田渕久美子さんの最新エッセイです。田渕さんがどのような思いで、あの「篤姫」をお書きになったのか?

二人の子供にも恵まれながら、夫婦でなくなった夫に別れを告げます。そして再婚し、「篤姫」を書き終えて2ヶ月後に、その最愛の夫をガンで亡くすという苦難に遭遇しながらも、直感を信じ、自分に正直に生きる姿にうたれます。

このような女性だからこそ書くことができた「篤姫」だったのだとの思いを強くしました。

目次から拾ってみると~

・篤姫は私、そして、あなたの中にも篤姫がいる
・覚悟の先に一本の道が見えてくる
・あるがままに直感に生きる
・日本一の男は自分で育てる
・いい男ほど痛い目にあわせる
・キレイな女より、魅力ある女を目指そう
・願えば天が動く
・私が夫と別れたわけ

などなど、興味をそそられる見出しが続きます。
ご一読をお勧めします。


クモの住む茶園

2009年06月14日 | 田舎暮らし

ひょんなことから、有機無農薬のお茶を栽培している奈良県の「月ヶ瀬健康茶園」のお茶を飲むようになって、その美味しさを再認識しています。

一番安価な煎茶(100g 680円)が中心ですが、味はとてもまろやかで、香りもよく気に入っています。勿論、無農薬なので安心して飲むことができます。

それまでは~
姉のご亭主が亡くなり、その香典返しに頂いたさる有名茶園のお茶が美味しいと飲み続けていましたが、なにせ高価(100g 2,600円)なのと、やはり直接口に入るものなので、できれば無農薬のものにしたいと思っていましたので、願ったりかなったりです。

このお茶園のHPを開くと、”自家茶園すべてで、農薬も化学肥料も全く使わない有機のお茶を栽培し”とありますが、実際には「言うは易く行うは難し」でしょうね。害虫を駆除するクモが住む茶園です。

また、商品とともに届く”月ヶ瀬だより”には、栽培に携わる岩田さんご一家の奮闘ぶりが記されていてお茶栽培のご苦労がよくわかります。

月ヶ瀬健康茶園のHPはこちらにあります。写真は、HPからお借りしました。


新着のハイドン

2009年06月13日 | 音楽三昧

今年は、作曲家ヨーゼフ・ハイドン(1732~1809)の没後200年に当たるそうで、世界中で「ハイドン・イヤー2009」の催しが行われています。

これに合わせて、CDの新譜も数多くリリースされていますが、新着の1枚をご紹介します。

ヤーブ・ヴァン・ズヴェーデン指揮、オランダ放送室内フィルハーモニーのハイドン交響曲シリーズの内、第31番「ホルン信号」、第72・73番「狩」の3曲を収容したEXTONの新譜です。

この3曲は、いずれもホルンが大活躍する交響曲で、特に第31番は、第1楽章の冒頭から4本のホルンが朗々と鳴りひびくユニークなシンフォニーです。とは言っても、特にうるさい感じはなく、全体として壮麗な響きを楽しむことができます。

ハイドンには、驚愕(94番)、軍隊(100番)、時計(101番)、太鼓連打(103番)などユニークな副題のついた交響曲が多いのですが、このCDは、ホルン三連発とも言うべき交響曲集で、とても面白く興味つきません。

また、EXTONレーベルで録音も良く、再生装置がよければ音の良さも楽しめると思います。一聴をお勧めします。


鏡沼のワタスゲ

2009年06月12日 | 田舎暮らし

ニセコアンヌプリ山の北東の斜面(海抜570m)に小さな沼があります。いつも静かに周囲の美しい景色を写しているので、「鏡沼」と呼ばれています。ちょうど今頃、「ワタスゲ」が見ごろのはずと、家内と出かけてみました。

東急GCのクラブハウス横に登山口があり、拙宅からは、歩いて10分ほどです。登山口には「鏡沼まで徒歩45分」との標識が出ています。

登山口から東急の浄水場までは、例年、登山道がヤブに覆われていてひどいのですが、今年はきれいに整備されていて快適です。途中、シラネアオイやエンレイソウ、ミヤマスミレなどの草花を楽しみながら登ります。

これはエンレイそうです。やがて、三枚の外花の中央に白い内花が開きます。ムシカリ(オオカメノキ)の大きな白い花がたくさん咲いています。大小の花びらの組み合わせがユニークです。実をつけるのは小さな花で、大きい方は装飾花です。

鏡沼に着くと、沼の周辺の草むら一面に、「ワタスゲ」がゆれています。見ごろにはまだ少し早いようです。

イソツツジやイチゴも咲いています。沼の水面は、強い風に波立っていて、いつもの美しい景色を(水面に)見ることはできませんでした。

このところ、毎年ここを訪れて残念に思うのは、原因ははっきりしていないそうですが、周囲の笹や樹木が湿地にドンドン進出してきて、年々、沼が小さくなっていることです。浮島もなくなっています。

また、木道やベンチの土台も腐食が進んでボロボロになっています。何か「鏡沼」全体が荒れ放題といった印象です。美しい湿地と沼を後世に残すためにも、お金も人手もかけて、再生に努力しなければと思いました。地図はNiseko Expressからお借りしました。


ブーイング

2009年06月11日 | エコロジー

昨夕の麻生首相の記者会見。
いやはや、聴いていてあきれました。2020年までの温室効果ガスの削減目標を「05年比-15%」にするそうです。

エッ-15%?一見派手な数値のようですが、何のことはない世界基準の90年対比では、お涙頂戴の1%を上乗せしても、-8%です。

小生は何か、時間が止まったような錯覚を覚えました。
つまり、97年の京都会議で、日本は世界に向け「12年までに90年比6%削減します」と約束しましたが、これはどこに置き忘れて来たのでしょうか。イヤ~、あの時は議長国でもあり、ちょっと悪乗りし過ぎました、とでも言うつもりなのでしょうか。

あれから12年も経って、しかも、今度は20年までの目標だというのに、今になって、90年比-8%では、日本はいったい何をやっていたのか?と非難されても仕方ないでしょう。現に、ドイツのボンで開催中のCOP15作業部会では、早速、参加各国からブーイングが発せられたと報道されています。

一方、首相は会見で、国民に相応の協力(負担)を求めながら、温室効果ガスの70%以上を排出する電気、鉄鋼、セメントや運輸及び、大規模事業所等には何ら具体的対応を求めませんでした。この結果、産業界は、従来通りの自主目標にもとづく削減でお茶を濁すでしょうし、環境技術の革新も停滞するにちがいありません。

この結果、日本は、世界的規模で最も有望とされる環境ビジネスの分野で遅れをとることになるでしょう。これは、産業界にとっても大きなマイナスです。

加えて、会見では、この問題に対する首相の哲学が伺えなかったことです。確かに、冒頭、温暖化による海面上昇で、国がなくなるかも知れないという島国の絵を示して、それなりの危機感が強調されましたが、それが地球と人類の未来にかかわる重大事だという熱い思いは伝わって来ませんでした。

また、今回提示された削減目標が、昨年の洞爺湖サミットで日本が表明した2050年までの長期目標(60~80%削減)とどう整合するのかについても言及されませんでした。

いずれにせよ、この数値では、国内のコンセンサスも得られないでしょうし、締約国会議に混乱を持込むだけです。従って、山林による効果や排出枠購入等による削減等も踏まえ、経済大国、環境技術大国日本にふさわしい目標となるよう再検討すべきです。

しかし、この課題は、現在の政府与党に望むべくもなく、来るべき総選挙で政権交代を実現し、その結果誕生する新政権に託すことになるでしょう。


近寄ってみると・・

2009年06月10日 | 田舎暮らし

自宅周辺に咲く草花も、日ごろは何気なく見ていますが、近寄ってみると、いろいろな形があって見飽きません。

これは、家内が執念を燃やして庭のアチコチに移植し、開花を楽しみにしていたサクラソウです。その可憐さだけでなく、何故5枚の花弁なのか、また、何故それらの中央に切り込みが入っているのか、など不思議一杯の花です。

また、これはオダマキですが、見ようによっては何とも奇妙な形をしています。中央に突き出ている筒状の花弁は、ラッパスイセンを連想させます。このオダマキ、年によって繁殖の仕方が異なり、今年ここに咲いたからといって、来年同じ場所に出るとはかぎりません。園芸種のせいでしょうか。

これは、ご近所の方が庭で栽培していて、とてもきれいなので1株わけていただいたものが、ようやくこの春から、大きく育って素敵な花をつけました。花の名前を聞き忘れたため、目下は、「名前はまだない」です。花のかたちはサクラソウに似ていますが、色が異なり、背丈も50cmくらいになります。

これはちょっと変り種で、行者ニンニクの花です。まだつぼみですが、もう少しすると、小さな白い花が一斉に咲き、ボンボリのようになります。そして、夏を過ぎる頃、たくさんの小さな実をつけて、繁殖に備えます。

庭や菜園の片隅で、ひっそりと咲く小さな花たちですが、近寄ってみると、その造形の美しさ、巧みさに感動してしまいます。