時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

橋下大阪知事を笑う

2008年04月14日 | 政治問題
大阪府の改革プロジェクトチーム(PT)案は、この日午前の部長等意見交換会で明らかにされた。橋下知事は「いよいよ賽(さい)は振られた。徹底して府民の議論を巻き起こして下さい」とあいさつしたが、各部長からは「削減ありきで理念がない」と批判が噴出。橋下知事が「理念を打ち出していなかったのは私の責任」と認める一幕もあったと報じられている。
PT案は「収入の範囲内で予算を組む」という橋下知事の方針のもと、9年連続の赤字から脱却する目標を掲げ、借金返済を先送りしてきた「赤字隠し」の手法も今年度からとらないとしている。
2007年度予算で総額576億円(国費75億円含む)の私学助成見直しでは、学校に配分する経常費助成のうち小中学校で30%、高校・幼稚園で10%をカットし38億円を削減。保護者負担を軽減する「授業料・保育料助成」は2009年度から減額する。
2004年度から段階的に取り組んできた小学校1、2年生の35人学級編成は今年度で廃止し、増員分の教員を減らす。政令を上回る警察官の定数も来年度以降、解消する。安威川ダムと槇尾川ダムの大型公共事業も本体着工を見送り、歳出抑制効果を狙った。
総額238億円の医療費助成事業の見直しでは、高齢者や障害者、ひとり親家庭、乳幼児を対象にした助成について原則、月1000円の自己負担額を1割負担とすることなどで、計13億6千万円を削減する案が示されている。
市町村に対しても、公共施設整備を支援する施設整備資金貸付金を廃止し、34億円を削減。行財政支援のための振興補助金も半減させ、6億円カット。市町村向け支出の削減は2008年度で79億円、2009年度で134億円を見込む。
27の府立施設の見直しでは8施設を廃止し、民営化や統合なども含めて6億5000万円を削減。46の出資法人では、16法人を統廃合するなどして補助金や委託料計36億8000万円を減らす。
歳入確保は具体案の積み上げはしなかったものの、府有財産の売却で50億~100億円、市町村への施設整備貸付金の繰り上げ償還で100億円程度を見込んでいる。
人件費削減については制度設計ができていないとして具体策は明示しなかった。
府の幹部からも批判が起きているようだが、「何でもかんでも削減すれば良い」といった感じで、文字通り理念がない。
提案の中で評価できるのは、安威川ダムと槇尾川ダムの大型公共事業の中止くらいで、その他は、医療や教育など府民の生活に直結した施策ばかりである。
「子供が笑」えるような府政をつくるのが公約ではなかったのか?だとすれば、学校関連予算や府立施設の廃止は、この公約に真っ向から背くものである。
また、治安の悪化が叫ばれている時に、警察官の削減もいただけない。市町村からも批判の声が起きている。
削りやすいところからただ削ったというだけの予算案で、子供からも笑われ、恨まれるような内容というほかはない。
橋下知事がめざしたように、いま大阪には「笑い」が溢れている。橋下知事を嘲笑する笑い声が。


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