時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

フリーター11万人減?の政府目標

2008年04月24日 | 政治問題
政府が経済成長戦略の柱と位置づける新雇用戦略の原案が22日に明らかになった。
若者、高齢者、女性、障害者など各層にわたって、それぞれ雇用機会の拡大に向けた数値目標を設定したのが特徴という。今後3年間を「集中重点期間」に掲げ、70歳まで働ける企業を2割(2007年度は11.9%)に引き上げるほか、フリーターの数を11万人減らすなど「全員参加型社会」を目指す。後期高齢者(長寿)医療制度への批判が高まる中で、福田康夫首相は政権浮揚の足がかりとしたい考えという。
新戦略は少子高齢化で労働力人口が減少する中、雇用条件を改善することで国民1人当たりの国内総生産(GDP)を伸ばす狙い。舛添要一厚生労働相が23日の経済財政諮問会議に提出し、論議に入る。
原案は、高齢者に就業機会を提供するシルバー人材センターを活用し、2010年度までに会員を100万人(同76万人)に引き上げる。また、雇用に積極的な企業への奨励措置の拡大などにより、65歳以上を定年とする企業の割合を50%(同37%)に引き上げる。
フリーターや母子家庭の母親などの就業支援のため、職業訓練の受講履歴を証明する「ジョブ・カード制度」を推進。協力企業への助成制度を充実させるなど今後3年間でジョブ・カードの取得者を50万人にする。今後3年間のハローワークの障害者就職件数は14万4千件(2005~07年度は12万8千件)をめざすという。
しかし、どれもこれも数値目標だけで、絵に描いた餅にすぎない。
政府統計でも、フリーターは約200万人、この他にいわゆるニートが約60万人に上っている。このうち、11万人を減らすという目標そのものが極めて不十分な目標ではないか。
編集長が知りたいのは、社会的に問題になっている派遣社員、特に日雇い派遣をどうするのか、あるいは、業務請負、特に違法な偽装請負をどのように規制するのか、その点が知りたいのである。
政府は相変わらず、企業に「正社員として雇用しましょう」などと呼びかけるだけのつもりのようだ。そんなことを言われて、「はいそうですか」という企業があるはずがない。
また、定年延長といっても、60歳の誕生日を迎えると突然給料が半分になるような定年延長では意味がない。政府が定年延長を主張すると、できる限り年金の支払いを遅らせようとする策略ではないかと勘繰りたくもなる。
現在、雇用情勢が悪化しているのは、不景気という経済状況もさることながら、その中で人件費を極限まで削減して、ボロ儲けを続けている大企業の横暴にあることは明白である。
ここにメスを入れてこそ、雇用の改善が図られると思われる。
労働者を保護する法律の制定、最低賃金の引き上げ、サービス残業の禁止、長時間残業の規制、有給休暇の完全保証制度、偽装請負の禁止、違反企業への罰則の強化など、労働者を保護し、大企業の横暴を規制する法律や制度の導入こそ、フリーターの根絶につながると確信している。