時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

医療への予算支出を

2008年03月30日 | 医療・社会保障
やや古い話になるが、今年に入って病院通いが続いた。
昨年から、首から肩にかけての凝りがひどく、左腕が間欠的にしびれるようになった。病院を受診して治療を受けたのだが、その時に、左肩の鎖骨の上にある脂肪の塊(脂肪腫)について相談してみた。
実はこの脂肪腫は6-7年前に気づいたもので、その時点で直径が4cmくらいあったのだが、痛くも痒くもないので、そのまま放置しておいたところ少しずつ大きくなり、昨今では長径6cm、短径5cm、厚さ2cmくらいになり、どうもジャマになってきていた。
ひょっとしたら、これが周囲の血管や神経を圧迫しているかもしれないと思って相談したところ、「脂肪腫と今回のしびれは関係ないが、この際切除しましょう」と言うことになり、都内の大学病院を紹介された。
腫瘍の場所が、首筋に近く、神経や血管が集中している場所なので、全身麻酔で手術をするという。まさか、まだ現役のうちに、入院や手術を体験するとは思っても見なかった。
2月中旬、手術前日の昼頃に入院、翌日の朝に手術、その翌朝に退院という2泊3日の強行スケジュールだったが、手術も無事に終え、退院の翌日から出社を始め、通常の生活に戻っている。
首の凝りは依然としてわずかながら続いており、左腕の間欠的なしびれも軽快しているが、完治はしていない。こちらの方は気長に治療することにしよう。
後日の病理所見の結果は、予想通りの良性脂肪腫だったとのことである。
思いがけない入院、手術だったが、なかなか良い経験をさせてもらった。
退院の際に、病棟のフロアにあるナースステーションで、窓口の事務の女性に挨拶をしたら、その女性が突然、回りのスタッフに「○○さんが退院でーす」大声で呼びかけたかと思うと、そこにいた看護師や検査技師、医師らがいっせいに私の方を向いてお辞儀をされたのには驚いた。病院のスタッフにとって患者の退院こそ最もうれしい瞬間なのかもしれない。
編集長が入院していた病棟のフロアには、整形外科の一部のほかは脳外科の患者であり、2泊3日での退院というのは異例の短さだったそうだ。
短い間だったが、看護師や医師の方々には大変お世話になった。紙面を借りて感謝したい。
さて、あまりに短い入院だったので、入院費用の請求が間に合わず、退院1週間後の外来の際に支払うことになったのだが、総額が約22万円、自己負担額は約7万円であった。
この金額はけっして安いものではないが、一方では、多くのスタッフによる看護、検査、診察、麻酔、手術、投薬などを考えると、果たして人件費が賄えているのだろうかと思うような金額である。当然、設備の減価償却なども考えなくてはならないだろう。
そう考えると、病院経営というのは大変なものだという気がする。
今後は、ますます高齢者が増えて、医療費が増大すると言われているが、必要な治療が受けられるということは、人間にとって大切なことである。
それを考えると、税金は、不要不急の道路建設や軍事費にではなく、医療や教育のために思い切って使うべきであろう。それが、日夜をわかたず患者の治療に携わっている病院スタッフの待遇改善や医療の質の向上につながるに違いない。