時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

どんどん低下する国民年金加入率

2008年03月08日 | 政治問題
社会保険庁は2008年度に達成すべき国民年金保険料の納付率の目標を、2007年度と同じ80%とすることを公表した。
だが、2007年度の納付率は2006年度の66.3%を下回ることが確実で、2008年度も納付率の大幅な向上は望めない状況である。
社保庁の業務目標の設定に関するワーキンググループの会合で、委員の有識者らに示した資料によると、国民年金保険料の納付率は、強制徴収などの対策によって2002年度の62.8%から2005年度には67.1%にまで回復した。しかし、2006年度は国民年金保険料の不正免除問題の後始末に労力を費やすなどしたため、目標の74.5%を8.2ポイント下回った。
2007年度も昨年11月時点の納付率は前年同期を下回っており、当初掲げた80%の目標達成は絶望的である。2008年度も年金記録問題への対応に人手を取られるとみられ、納付率向上に本格的に取り組むのは難しい状況だ。
社保庁は2008年度中に目標設定の考え方を見直すとしているが、委員からは「難しい目標を立てるならば、実質的な取り組みの内容を示すべきだ」「保険料を財源とする現行制度を維持しようとするならば、未納対策にもっと力を入れるべきだ」などの指摘が相次いだと報じられている。
そもそも、社保庁は、国民年金加入率の低下の原因をどのように分析しているのだろうか?
1つは、支払い能力がありながら年金への不信感から支払いを拒否している人たちが存在し、最近の不祥事から、こういう層が増えていることは確かだろう。この層から納入してもらうには、年金保険料の使い方、回収、支払いなどを確実に行い、年金そのものに対する信頼を回復する以外に方法はない。もともと社保庁が蒔いた種である。時間はかかるが、気長に取り組むしかない。
もう1つは、昨今の非正規雇用の増加、特に若年層では、3人に1人が非正規雇用と言われている状況で、果たして年金が支払えるだろうか?派遣社員などで、厚生年金に加入していれば良いが、非正規雇用者の多くが社会保険や健康保険に加入しておらず、この層は確実に国民年金保険料が未払いになっているのではなかろうか?
とすれば、雇用を改善しなければ、加入率は絶対に向上しない。
企業が人件費の抑制のための非正規雇用をやめ、正規雇用を増やすよう、徹底した指導を行うべきである。奇しくも、年金を管轄する厚生労働省は、企業を指導、監督する権限や責任を有している。年金と雇用の抱き合わせでの解決策を示してもらいたいと思っている。
多数の年金未加入者の存在は、将来の国民の生活不安を招き、社会不安を助長する要因にもなるに違いない。早急な打開策が求められる。