時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

石原銀行に対する各党の態度

2008年03月17日 | 政治問題
東京都が1000億円を出資して設立、経営難に陥っている新銀行東京への400億円追加出資案を審議している都議会予算特別委員会は、銀行の内部調査の詳細資料の開示をめぐり、与野党の協議が紛糾したと報道されている。
委員会の開会直後、共産都議が、旧経営陣の仁司泰正元代表執行役の参考人招致と新銀行の内部調査の詳細資料の開示を求める緊急動議を提案した直後、都議の多くが委員長席を一斉に取り囲んだ。資料開示の採決を行わない方針が示されると、共産都議らは「なんで採決しないんだ」と激怒し、これに対して、自民都議らは「今さらなんだ」と応酬、与野党間で怒号が飛び交い、委員会が一時中断する場面もあった。
結局、資料の開示についての採決は行われず、旧経営陣の参考人招致も賛成少数で否決されたという。
しかし、都民の税金を更に400億円もつぎ込もうという重大案件に対して、元役員の参考人招致も行わず、議会に対して内部調査資料の提出さえ行われないというのはいかがなものだろうか。
石原知事自身が、(自らの責任を棚上げにして)旧経営陣に責任があるというのなら、その経営陣を議会に呼んで追及するのが当然ではないか?
また、都は1000億円を出資している言わば最大の株主である。その議会に対して内部資料が開示できないという閉鎖体質で良いのだろうか?
議会も、真剣に経営実態の解明に努力すべきである。
さて、ここでこの問題に対する各党の態度を見ておこう。
自民、公明の都議会与党は、銀行の設立にはもちろん賛成し、今回の追加出資も「やむなし」の方向だと伝えられる。
「自民、公明をよそに、共産、民主など野党は、都に対する追及や批判の手を緩めなかった。」と伝えられている民主党も銀行そのものの設立には議会で賛成している。ここが、この政党の厚顔無恥なところである。テレビで放映されていた都議会本会議では、民主党の議員が石原知事の責任を厳しく追及していたが、銀行の設立に賛成した自らの責任はウヤムヤのままだ。見通しを持たず、一貫性のないその姿勢には驚くばかりだが、400億円の追加出資を許さないようエールを送っておこう。
石原銀行の設立そのものを議会で反対し続けてきたのが共産党であり、今回の議会でも、最も道理ある追及を行っている。昨日の委員会での動議の内容も都民の気持ちを代弁したものと言えるだろう。議席は少ないが、都民の血税を無駄にしないという一点で頑張ってもらいたい。
「各会派とも「知事の責任」をただすものの、追及姿勢には“温度差”がみられる」と報じられているが、設立を提案した知事の責任はもちろんであるが、それに承認を与えた自民、公明の責任は重大であり、この点では民主党も同類である。しかし、これ以上都民の税金をつぎ込むべきではないというのが、大半の都民の気持ちであり、仮に税金を投入しても、再建の見込みはほとんどない。各党とも、この都民の声に真剣に耳を傾けるべきであろう。