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●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は? 正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?

2024年03月12日 00時00分47秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240228[])
10年前、(2014年2月26日)《いま、東電で起きていること、原子力規制委員会の危うい動き》(鈴木耕さん、マガジン9)を思い出す。原子力〝推進〟委員会、原子力〝寄生〟委員会、昔から酷かったが、ここ数年、あまりに酷い。全く「規制」する気のない委員会。委員会そのものに核発電について「適格性がある」かどうかを判断する「適格性がある」のか?
 《能登半島地震は、複数の断層が連動して大きな揺れを起こしたと立石さんはみる一方、柏崎刈羽原発の周辺で断層が連動する事態が十分に検証できていないとし、こう唱える。「現状ではどれほどの揺れや津波が原発を襲うのかは分からない。能登半島地震を機にさらに議論すべきだ」》《◆デスクメモ 想定外」に抵抗感を抱く厳しい想定を検証しないまま、深刻な事態が生じると「想定外」と言い逃れる。そんな印象を持つからだ。甚大な汚染をもたらしうる原発地震に耐えられるか住民は逃げられるか。必要なのは懸念に向き合う姿勢。責任逃れの言い訳は救いにならない。(榊)》(東京新聞)。

   『●原子力「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、「寄生」委員会(1/2)
   『●鈴木耕さん《一度、活断層だと判断したものを電力会社が独自調査で
     否定したら、それを受けて規制委が再調査するというのであれば…》

 渡辺聖子記者による、東京新聞の記事【「何が言いたいのか分からない」敦賀原発2号機の再開審査で規制委を呆れさせた、原電の支離滅裂な説明】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/293775)。《地質データの不適切な書き換えで中断していた日本原子力発電原電敦賀原発2号機(福井県)について、原子力規制委員会は新規制基準に適合するかどうかの審査を再開したが、またも滞り始めた。原電の説明が科学的根拠に乏しく、肝心の断層を巡る議論では自らの主張にほころびが出る事態に陥った。(渡辺聖子)》。

 はぁ? 全く「規制」しない原子力「寄生」委は正気か??
 渡辺聖子記者による、東京新聞の記事【柏崎刈羽原発の「運転禁止」解除、原子力規制委は甘くないか 書類確認3カ月、現場調査10日間、議論1時間】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/294448)。《東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の運転禁止命令解除に道筋を付けた6日の原子力規制委員会の対応は、東電に対する甘い姿勢が浮き彫りとなった。テロ対策不備の再発防止の取り組みを、改善途中にもかかわらず是正したと判断原発を運転する適格性については表面的な確認作業でお墨付きを与えた。世界最悪レベルの原発事故と重大なテロ対策不備の当事者への厳しい姿勢は感じられない。(渡辺聖子)》。

 3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
 東京新聞の記事【柏崎刈羽原発、「運転禁止」命令を解除 東京電力のテロ対策は改善と判断 原子力規制委員会】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/298081)。《原子力規制委員会は27日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)に出している事実上の運転禁止命令の解除を正式に決めた。2021年4月の命令から2年8カ月余り、福島第1原発で世界最悪レベルの事故を起こした東電再び原発の運転に向けた準備に入る。定例会合では、東電に対する特別な検査態勢を解くことに対し、委員5人全員が賛成。これにより、運転禁止命令の解除が決まった。27日午後に東電に通知する》。

 そもそも東電に資格はあるのか? 未だ《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 柏崎刈羽? バッカじゃないのか!
 山田祐一郎西田直晃両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「柏崎刈羽」周辺道路にも無数の亀裂…「原発は本当に大丈夫か?」地元に広がる不安の声】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/301911)。《犠牲者が200人を超えた能登半島地震。阪神大震災を上回るマグニチュード(M)7.6を記録し、日本海側でも巨大地震が起きると改めて浮き彫りになった。やはり心配なのが原発だ。東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県刈羽村では、安全面を危ぶむ声が強まっている。原発があっても本当に大丈夫か。検証は尽くされているのか。(山田祐一郎西田直晃)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/293775

「何が言いたいのか分からない」敦賀原発2号機の再開審査で規制委を呆れさせた、原電の支離滅裂な説明
2023年12月4日 06時00分

 地質データの不適切な書き換えで中断していた日本原子力発電原電敦賀原発2号機(福井県)について、原子力規制委員会は新規制基準に適合するかどうかの審査を再開したが、またも滞り始めた。原電の説明が科学的根拠に乏しく、肝心の断層を巡る議論では自らの主張にほころびが出る事態に陥った。(渡辺聖子


 敦賀原発2号機の審査 2015年11月、日本原子力発電(原電)が原子力規制委員会に新規制基準への適合性審査を申請。20年に規制委側の指摘で地質データの書き換えが発覚した。活断層の可能性につながる記載を、否定につながる記載に無断で書き換えるなどした。修正後の資料でも、地層の観察場所を間違えた。審査は2度にわたり中断。原電が今年8月、修正した申請書を再提出し、9月に再開した。


◆建屋近くのK断層、活動時期は?

 審査の一つ目の焦点は、原子炉建屋近くにある「K断層」が活断層かどうか。新規制基準は、約12万~13万年前の後期更新世以降の活動を否定できない断層を、活断層と定義。活動時期がキーポイントになる。
 この点を議論した11月10日の規制委の会合で、原電が矛盾した説明を展開し、規制委事務局の担当者を困惑させた。
 原電は、K断層が活動した形跡のある地層の年代を「12万4000~14万2000年前」とした分析結果について、K断層の活動時期は後期更新世よりも古く、活断層ではないと主張した。

 だが数値の一部は後期更新世に含まれており、原電の説明はつじつまが合わない。規制委事務局が繰り返し矛盾を指摘しても「総合的に判断した」と不明確な回答に終始。規制委側が念押しのように「後期更新世に入っているという認識でいいのか」と問いただすと、原電の担当者は「(後期更新世に)かかるのはそうなる」と認めた。
 このやりとりを見れば、原電が活断層の可能性を認めた格好だ。


◆申請書に必要なデータがない?

 原電の審査は、再提出された申請書に必要な説明やデータが漏れなく盛り込まれたことを「前提」として、今年9月に再開した。
 ところが、この日の審査会合では、原電の要領を得ない説明が続いた。規制委事務局の質問に対し、原電は「あらためて整理する」「持ち帰り検討する」などと繰り返すばかり。質問の意味が理解できない原電の担当者が、沈黙する場面もあった
 いら立った規制委事務局の幹部が「これからデータを取る話なのか」と、審査再開の前提が守られているのかを確認しても、原電の剣田裕史副社長は「根拠となるデータを整理して再度示したい」としか答えられなかった。規制委と約束した前提はほぼ崩れている。
 K断層が活断層と判断された場合、審査はK断層が2号機直下にある別の断層につながるかどうかの議論に移る。K断層が活断層であり、なおかつ2号機直下の断層につながると判断されれば、「2号機直下に活断層あり」という結論になる。


◆2号機廃炉の可能性があるのに

 2号機直下の断層を巡っては、2012年に規制委の専門家チームが「活断層の可能性が否定できない」と指摘。新規制基準は活断層の上に原子炉など重要施設の設置を認めていない。原電が今回の審査で、活断層の可能性はないことを立証できなければ、2号機の廃炉は免れない
 再開した審査も、根拠が足りない説明で始まり、踏み込んだ議論に入れないまま。能力不足を露呈した原電に対し、規制委事務局の幹部は疲れた様子でこぼした。「質問と答えがかみ合わない。何が言いたいのか分からない


【関連記事】「これで十分と思っているのか」 再開された敦賀原発2号機の審査で規制委委員がデータ不足を指摘
【関連記事】不備だらけ申請を修正したら3倍超の1600ページに…どうなる?敦賀原発2号機の再稼働
【関連記事】敦賀原発2号機「審査中断」でどうする原電? 原子力規制委から「最後通告」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/294448

柏崎刈羽原発の「運転禁止」解除、原子力規制委は甘くないか 書類確認3カ月、現場調査10日間、議論1時間
2023年12月7日 06時00分

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の運転禁止命令解除に道筋を付けた6日の原子力規制委員会の対応は、東電に対する甘い姿勢が浮き彫りとなった。テロ対策不備の再発防止の取り組みを、改善途中にもかかわらず是正したと判断原発を運転する適格性については表面的な確認作業でお墨付きを与えた。世界最悪レベルの原発事故と重大なテロ対策不備の当事者への厳しい姿勢は感じられない。(渡辺聖子


 柏崎刈羽原発 新潟県柏崎市と刈羽村にまたがって立地。東電福島第1原発と同じ沸騰水型という軽水炉が計7基あり、総出力は821万2000キロワットと世界最大規模。東電は新しく、出力が大きい6、7号機の再稼働を優先し、2013年に原子力規制委員会に新規制基準の審査を申請。17年に適合した。新基準に沿った事故対策では、工事の未完了や溶接の施工不良などの不備が続いた。

     (柏崎刈羽原発の検査について説明する原子力規制委員会の
      山中伸介委員長=6日、東京都港区で)


◆規制委で追及の場面なく、議論は1時間足らず

 「追加することはない」。6日の定例会合で、山中伸介委員長が検査結果が妥当かどうかを4人の委員に確かめると、いずれも同じ返事を繰り返した。山中委員長も事務局の報告をすんなりと受け入れた。
 委員らは、現地調査や東電社長への聴取をしないと最終的な判断はできないとの意見で一致したが、伴信彦委員が「明らかに改善が図られている」と発言するなど、東電の取り組みを前向きにとらえる見方が続いた。問題点を追及する場面はなく、1時間足らずで委員間の議論を終えた。
 テロ対策の検査は荒天時の監視体制や、IDカードの不正利用など不備再発防止の取り組みを一過性にしないなど、4項目が最後まで残った。報告書案は、これらすべてについて「自らミスを見つけて改善できる仕組みが定着しつつある」とした。


◆検査中もあったテロ対策の違反

 「しつつある」という改善の途中段階と受け取れる表現は、検査官19人全員の一致した認識という。山中委員長は記者会見で「規制当局が介入して改善を促す状況は脱した」と繰り返した。東電内で自律的な改善を担う社長直轄の部署は発足から半年余りと日が浅く、事務局は取り組みの定着までは確認していない。
 テロ対策の違反は検査中もなくならなかった。東電が4項目の是正完了を規制委に報告した後の11月にも、薬物検査で陽性反応が出た社員を誤って防護区域に入れていたことが発覚。しかし規制委は「軽微な事案と取り合わなかった。「ミスが起きても、自ら見つけて改善できれば良い」と事務局担当者。山中委員長も「報告書に影響はしなかった」と強調した。
 命令解除の判断材料となる適格性の再確認は、うわべだけの確認作業で引き続き「あり」と判断した。
 6年前に適格性が「ある」と判断した際に規制委が確認した7項目には、福島第1原発の廃炉への責任も含まれる。


◆「正確な情報発信」は適格性と関係ない?

 ところが今回は「正確な情報発信を通じて関係者の理解を得ながら廃炉に取り組む」という部分が「規制に直接関係しない」との理由で確認の対象外に。漁業関係者らの反対を押し切って始めた処理水の海洋放出目標が達成された」とする項目に入った。

     (テロ対策についての検査報告書案などを議論した
      原子力規制委員会=6日、東京都港区で)

 10月に浄化処理設備で起きた作業員の被ばく事故は「現在検査中としただけで考慮されなかった。始まる見通しのない原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しをはじめ難航する作業ばかりだが、確認結果は「廃炉は総じて進捗(しんちょく)している」とした。
 事務局が報告までにかけた期間は8月から約3カ月。主に書類で確かめる作業だった。内容の確認や聞き取りのため職員が現地や本社に出向いたのは計10日間。山中委員長は「時間的に不十分だとは思っていない」と言い切った。


【関連記事】柏崎刈羽原発「問題ない」規制委が今年中にも運転禁止命令解除へ 東電の再発防止策を評価
【関連記事】「飛散しない」自己判断でカッパ着ず、廃液が飛散して被ばく
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/298081

柏崎刈羽原発、「運転禁止」命令を解除 東京電力のテロ対策は改善と判断 原子力規制委員会
2023年12月27日 11時10分

 原子力規制委員会は27日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)に出している事実上の運転禁止命令の解除を正式に決めた。2021年4月の命令から2年8カ月余り、福島第1原発で世界最悪レベルの事故を起こした東電が再び原発の運転に向けた準備に入る
 定例会合では、東電に対する特別な検査態勢を解くことに対し、委員5人全員が賛成。これにより、運転禁止命令の解除が決まった。27日午後に東電に通知する。


◆命令の後も続いた違反

 柏崎刈羽原発では、2021年1月以降、東電社員によるIDカードの不正利用や、侵入検知装置が多数壊れた上に代わりの対策も不十分なまま放置したテロ対策の不備が相次いで発覚。規制委はこの年の4月に核燃料の移動禁止を命じ、東電の再発防止策に対する検査を続けてきた。

     (東京電力柏崎刈羽原発の6号機、7号機(右から))

 しかし、規制委の検査中も東電のテロ対策不備は相次いだ。2022年6月には監視用の照明設備が非常用電源に接続されていなかったことが発覚。これを是正したものの、翌年の2023年6月に別の照明設備に電源が接続されていないことが発覚した。

 ほかにも、手荷物検査が不十分で未許可の携帯電話やスマートフォンが持ち込まれた違反が、2023年1月以降で少なくとも3回起きた。今から2カ月まえの2023年10月には、薬物検査で陽性反応が出た社員を防護が必要な区域に一時入域させるなど、違反は後を絶たない。


◆規制委は「影響は軽微」と判断

 規制委はこれらの違反について、いずれも「影響は軽微」として再発防止策の検査には影響しないと判断。今月(2023年12月)6日の定例会合で、すべての再発防止策は妥当とする事務局の検査報告を大筋で了承した。
 また、柏崎刈羽原発の新規制基準適合性審査では、東電が2013年に6、7号機の審査を規制委に申請。規制委は東電が福島第1原発事故の当事者であることを考慮し、東電に原発を運転する適格性があるかも確かめた。2017年9月に「適格性がある」と判断し、その上で同年12月に事故対策が新規制基準に適合するとの審査書を決定した。
 今回の命令解除の手続きでは、規制委は今月(2023年12月)20日、東京電力の小早川智明社長を呼び、テロ対策の再発防止策と原発を運転する資格(適格性)があるかどうかを判断するために説明を聴いた。この日の委員5人による話し合いでは、小早川社長の説明に大きな問題はない、との意見で一致していた。
 今後、東京電力が柏崎刈羽原発を再稼働するには新潟県などの立地自治体の同意が必要となる。花角英世知事は同意の是非を巡って「県民の信を問う」と述べている。


【関連記事】20日の聴取 小早川智明・東京電力社長が答えあぐねたシンプルな質問
【関連記事】自民県議も「東京電力には原発を運転してほしくない」…新潟が裏切られ続けた2年半
【関連記事】「下請け任せ」は企業文化なのか…作業のリスクを軽視し続ける東京電力の姿勢
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/301911

こちら特報部
「柏崎刈羽」周辺道路にも無数の亀裂…「原発は本当に大丈夫か?」地元に広がる不安の声
2024年1月11日 12時00分

 犠牲者が200人を超えた能登半島地震。阪神大震災を上回るマグニチュード(M)7.6を記録し、日本海側でも巨大地震が起きると改めて浮き彫りになった。やはり心配なのが原発だ。東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県刈羽村では、安全面を危ぶむ声が強まっている。原発があっても本当に大丈夫か。検証は尽くされているのか。(山田祐一郎西田直晃


◆震源地から百数十km離れてても震度5強の揺れ

 10日午前、「こちら特報部」は雪がちらつく刈羽村に入った。前日夕には、佐渡付近を震源とするM6.0の地震があったばかり。村では震度3を観測した。
 JR刈羽駅から南に1キロ離れた村役場に徒歩で向かう。道路には真新しいひび割れが無数に見られた。役場近くの国道116号は片側3車線から歩道までひびが斜めに伸び、中央分離帯部分が盛り上がっていた

     (国道に広がる路面のひび=新潟県刈羽村で)

 「元日の地震でできたひびですね」。説明してくれたのは歩道橋工事の交通誘導員をしていた男性。1日の能登半島地震では、震源地から東に百数十キロ離れた刈羽村は震度5強の揺れに襲われた。ひびは既に応急処置されたというが「交差点の脇に立っていると、大型車両が通るたびに歩道が揺れる」と男性は話す。


◆もし原発で事故が起きたら、避難できる?

 「海岸部を中心に液状化の被害が多数報告されている」。村議の武本和幸さん(74)は、数日前に村内で撮影した写真を見せながら説明する。「昨年、整備したばかりの村道も地盤が液状化してアスファルトの路面がひび割れている」
 1日は外出先から帰宅したところに地震が起きた。「2007年の中越沖地震を思い起こさせる揺れ。原発は大丈夫なのかというのが最初に脳裏によぎった」。中越沖地震はM6.8で、最大震度6強。柏崎刈羽原発の屋外変圧器で火災が起き、微量の放射性物質を含む水が海に流出した。

     (村内の被害について説明する武本和幸さん=新潟県刈羽村で)

 今回は燃料プールの水があふれたが、大きな異常は確認されていない。それでも武本さんが問題視するのは、大地震により柏崎刈羽原発で事故が起きた際の対応、特に避難のあり方だ。懸念を強めるのは1日の経験から。地震直後、国道や高速道路は通行止めとなった。「避難しようとした住民が渋滞に巻き込まれたという話が多く寄せられた」


◆道路は見渡す限り車、高台への避難を断念

 原発の南西約3キロに住む無職宮崎孝司さん(79)は1日に避難を試みた一人。「防災無線で津波警報が出たことを知り、家族3人で車で高台へ避難しようとしたが、道路は見渡す限り車で埋まっていた。Uターンして当初とは別の場所に避難した」と振り返る。

     (1日の地震の影響で路面がひび割れた道路
      =6日、新潟県刈羽村で(武本和幸さん提供))

 付近の国道では2022年12月に記録的な大雪で多くの車が立ち往生した。大雪の際に原子力災害が発生した場合、政府は原発の5キロ圏について「避難経路の除雪が完了するまで屋内退避を継続」との方針案を示している。宮崎さんは「津波も起き、避難が必要な場合はどうすればいいのか」と危惧し、避難するにしても「道路は地震で寸断され、雪で立ち往生する複合災害もあり得る」と訴える。


◆想定外の揺れ、海底隆起…もし原発が稼働中だったら?

 刈羽村と同様、柏崎刈羽原発が立地する柏崎市在住で医師の本間保さん(73)は「能登半島の北陸電力志賀原発も柏崎刈羽原発も運転停止中のため、これだけの被害で済んだのでは」とみる。「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」共同代表でもある本間さんは「原発を動かすのは無理だともう一度、声を上げる時期に来ている」と続ける。

     (地震で海底が隆起したとみられる石川県輪島市
      門前町の深見漁港周辺=本社ヘリ「あさづる」から)

 今回の地震では、能登半島の海底が隆起し、従来は海だった場所が陸になったことが確認された。先の武本さんは柏崎刈羽原発周辺でこうした地盤の隆起が生じることを危ぶむ。「外部から冷却水を取ることが困難になる可能性もある
 さらに「中越沖地震では想定外の揺れが、東日本大震災では津波が問題となった。今回、原発周辺の地盤が変動するリスクも明らかになった。再稼働の議論の前にリスクについて改めて評価すべきだ」と訴える。


◆日本海側でも巨大地震が起きると実証

 日本で大地震といえば太平洋側を思い浮かべがちだが、過去には日本海側でも起きた。ともに津波で多数の死者が出た1983年の日本海中部地震(M7.7)、93年の北海道南西沖地震(M7.8)などがある。

     (1日の地震の影響で路面がひび割れた道路
      =6日、新潟県刈羽村で(武本和幸さん提供))

 政府の地震調査研究推進本部は、日本海側の一部の海域活断層について、地震発生の確率の評価を公表してきたが、能登半島沖を含む大部分は未公表だ。金沢大の平松良浩教授(地震学)は「太平洋側に比べ、日本海側の評価は後回しになっている」と説明する。
 再来周期が数十年〜数百年のプレート境界型地震を想定する太平洋側に比べ、日本海側で起きる活断層型地震の再来周期は数千年〜数万年程度とされる。「予算や人員が限られる中、活動性の違いから日本海側は二の次にされている」
 そう語る平松さんは「個々の再来周期は長くても、多数の活断層があるため、平均的に考えればどこかしらで地震は起きてしまう。津波を伴う大地震もあり、日本海側でも調査を進めるべきだ」と指摘する。


◆原発設計時の想定上回る揺れも

 地震の被害は丁寧な検証が不可欠だ。想定を上回る場合があるからだ。能登半島地震では、石川県地域防災計画で想定されたM7.0を超えた。先に触れた中越沖地震では、柏崎刈羽原発の設計時に想定した最大の揺れを上回ったほか、建屋地下にある鉄筋コンクリート製のくいの損傷が、地震発生から14年を経て発覚する事態も起きた。

     (新潟県の東京電力柏崎刈羽原発=2021年4月撮影)

 そんな不安があっても政府は原発再稼働に躍起になる。柏崎刈羽原発も例に漏れず、2017年末に6号機、7号機が原子力規制委員会の適合性審査を通り、テロ対策の不備で21年に出された事実上の運転禁止命令も23年末に解除された
 再稼働の判断に関わる新潟県が安全面の砦(とりで)になるはずだが、厳しい視線を向ける研究者が近年、「排除」を思わせる扱いを受けた
 11年の東電福島第1原発事故を受け、県は柏崎刈羽原発の再稼働判断のため、三つの検証委で議論を深めたが、技術面を扱う委員会に名を連ねた新潟大の立石雅昭名誉教授は21年、高齢を理由に再任が見送られた。三つの検証を総括する委員会のトップ、名古屋大の池内了名誉教授も23年、任期が更新されなかった


◆「今回の地震を機に議論深めるべき」

 厳しい検証が遠のく中、改めて浮かび上がったのが日本海側の巨大地震リスクだ。地質学者の立石さんは「県は再稼働に前のめりにならず、従来の考え方を改める必要がある」と語る。
 能登半島地震は、複数の断層が連動して大きな揺れを起こしたと立石さんはみる一方、柏崎刈羽原発の周辺で断層が連動する事態が十分に検証できていないとし、こう唱える。「現状ではどれほどの揺れや津波が原発を襲うのかは分からない。能登半島地震を機にさらに議論すべきだ」


◆デスクメモ

 想定外」に抵抗感を抱く厳しい想定を検証しないまま、深刻な事態が生じると「想定外」と言い逃れる。そんな印象を持つからだ。甚大な汚染をもたらしうる原発地震に耐えられるか住民は逃げられるか。必要なのは懸念に向き合う姿勢。責任逃れの言い訳は救いにならない。(榊)


【関連記事】海底が隆起? 防波堤の外まで陸になり、海ははるか先に… 能登半島地震で一帯の漁港に異変
【関連記事】志賀原発「異常なし」から考えた 運転中だったら?「珠洲原発」だったら? 震度7の地震は想定内なのか
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コメント
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●小西洋之参院議員「…技術検討会の構成員が、受注業者からお金をもらい、かつ改良工事の設計段階から議論に関わっていた。…出来レース…」

2023年11月20日 00時00分51秒 | Weblog

[【辺野古新基地建設で防衛省が計画する地盤改良】(東京新聞2020年2月15日)↑]


(20231115[])
辺野古技術検討会」や「環境監視等委員会」が「公正」「中立」ねぇ? 「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。
 《軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点》について、(東京新聞)《辺野古工事を検証している新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)は、「リスクの高い地点なのに調査しないほうが不自然意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる》。

   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし
   『●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた
     盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》
   『●防衛省と「技術検討会」による《ずさん》な《「結論ありき」の
      出来レース》…《軟弱地盤調査せず…何のための「検討会」か》?
    《新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)を代表とする
     「沖縄辺野古調査団」は受注業者の実測データを基に護岸の
     安定性を調べた。国土交通省が定める港湾施設の基準を満たさず、
     巨大護岸が崩壊する恐れがあると指摘した》

   『●辺野古…《立石雅昭名誉教授…「…意図的に避けているとしか思えない。
     技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる》

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過去のブログ: 2019年09月14日 00時00分21秒

 「辺野古技術検討会」が、「公正」 「中立」ねぇ? アベ様らや自公お維の皆さん方から最も程遠い言葉。
 「環境監視等委員会」も機能していないし、その二の舞でしょう。「監視」してないし、「悪しき結果の追認」委員会、「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。おまけに、「辺野古とカネ」の問題まである。「辺野古技術検討会」も「検討」することはないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもありません。《建設ありきの路線にお墨付きを与えるだけ》だし、《客観的な検討ができる》訳もない。《客観的》なんて、元々あり得ないが、《主観的》過ぎやしないか? 《利害関係》が過ぎやしないか?
 《防衛省幹部の言葉はもっとあけすけだ。有識者らの技術検討会が「建設ありき」との批判があることについて「移設工事は決まっていて、意見をいただくのに、建設ありきではいけないのかと開き直っている》…って、委員会・検討会や委員が不要だと言っているようなもの。沖縄の民意はさんざん無視しておいて。《政府の新基地建設を後押しする機関》、《環境監視等委員会も本来の役割を果たさず、政府の追認機関》。《環境監視等委員会は新基地建設ありきの防衛局の追認機関である。これで環境保全ができるわけがない》。委員の問題というよりも、委員長や委員会事務局、検討会事務局の問題か…。
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過去のブログ: 2020年05月17日 00時00分20秒

 一体どこが《専門家》なのか? 何が、「技術検討会」? 不要不急な工事…いや、無駄な工事。美ら海破壊にドブガネ。工期と工費は∞。いつまでたっても新基地は完成しない。百万歩譲って、完成しても普天間は返還されない。辺野古は単なる破壊「損」
 結論ありき、「辺野古が唯一」…どこまでも無能な独裁政権。
 デタラメ防衛省…一方、着々と辺野古破壊が進む。正に破壊「損」。大浦湾で護岸が崩壊したら、辺野古も含めて元の自然に戻せるのか? 責任もって、原状回復して見せてくれんでしょうね?
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 東京新聞の記事【辺野古は「出来レース」との指摘に…国は事実確認すら拒んだ 「お墨付き委員」へ多額の資金提供【詳報】】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/289919)。《米軍普天間(ふてんま)飛行場の名護市辺野古(へのこ)移設を巡り、軟弱地盤工事に伴う設計変更にお墨付きを与えた沖縄防衛局の「技術検討会」の委員2人に、関連工事の受注業者から資金が流れていた。設計変更を巡っては、沖縄県と国との間で対立が続く。県の担当者は14日、本紙の取材に「中立性、公正性、科学的に疑問符が付くような業者と委員の関係性はいかがなものか」と指摘。設計変更の決定プロセスに疑問を投げかけた。一方で防衛省は国会で、報道の事実確認すら「逐一把握する立場にない」と拒んだ。(中沢誠谷岡聖史三輪喜人)》。

 委員会での旅費や謝金は必要だと思うんですよね。でも、委員就任後に受注業者から奨学寄付金を受け入れるというのは如何なものなのだろうか? 就任前だとしても、《設計変更に関わった設計業者》に辺野古の《設計変更》に関する《技術指南を行っていた》とすると、これまた大きな問題ではないか。(※ブログ主注: 以下の記事に《設計変更に関わった設計業者に技術指南》とあるが、辺野古に関わる《技術指南》なのかどうかが分からない。奨学寄附金の受入れ名目、実際の技術指南の内容が問われるのではないか? 《改良工事の設計段階から議論に関わってきた》という事実が無いのであれば、専門家として反論すべきだ…。) 「お礼」と受け取られても仕方ないのでは? 利益相反に抵触しないか? 《◆沖縄防衛局「公正性・中立性に影響ない》と果たして言えるか。《出来レース》と言われても仕方ない。小西洋之参院議員は「設計変更を評価した技術検討会の構成員が、受注業者からお金をもらい、かつ改良工事の設計段階から議論に関わっていた。こういうのを出来レースと言うんじゃないですか」、また、「こうした技術検討会の議論、あるいはそこで出た結論は信頼に値するのか」と。
 《近傍の地点から強度を推定するという方法は決して間違ったものではない」「近傍の地点の調査結果から推定できるので、B27で改めて調査をする必要まではないこれ以上お金と時間をかけて調査したとしても新しく得られる情報がすごく少ない》…地盤力学や土質力学を専門とする研究者がこれを是とするとは思えないのだが…。《軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点では、簡易的な地盤調査が行われていた》…この《簡易的》というのも疑問なんだけれど、沖縄防衛局は、詳細なデータを持っていて隠蔽したりしていないですよね。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/289919

辺野古は「出来レース」との指摘に…国は事実確認すら拒んだ 「お墨付き委員」へ多額の資金提供【詳報】
2023年11月15日 09時02分

 米軍普天間(ふてんま)飛行場の名護市辺野古(へのこ)移設を巡り、軟弱地盤工事に伴う設計変更にお墨付きを与えた沖縄防衛局の「技術検討会」の委員2人に、関連工事の受注業者から資金が流れていた

 設計変更を巡っては、沖縄県と国との間で対立が続く。

 県の担当者は14日、本紙の取材に「中立性、公正性、科学的に疑問符が付くような業者と委員の関係性はいかがなものか」と指摘。設計変更の決定プロセスに疑問を投げかけた。

 一方で防衛省は国会で、報道の事実確認すら「逐一把握する立場にない」と拒んだ。(中沢誠谷岡聖史三輪喜人)。


◆防衛大臣は「公正性に影響ない」

 この日は参院の外交防衛委員会でも、本紙が報じた技術検討会委員への資金提供問題が取り上げられた。

     (軟弱地盤が広がる沖縄県名護市辺野古の沿岸部。
      難工事が予想される地盤改良工事は、いまだ手つかずだ
      =2019年(沖縄ドローンプロジェクト提供))


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「設計変更を評価した技術検討会の構成員が、受注業者からお金をもらい、かつ改良工事の設計段階から議論に関わっていた。こういうのを出来レースと言うんじゃないですか」
「こうした技術検討会の議論、あるいはそこで出た結論は信頼に値するのか

 立憲民主党の小西洋之参院議員が追及した。

 これに対し、木原稔防衛相は「議事録を見たが、変な誘導はないと認識しており、特に問題があるとは考えていない」と反論。公表されている技術検討会の議事録に残された委員の発言内容を引き合いに出し、議論の公正性を繰り返し訴えた。

 その上で、「法律に基づく審議会は、審議の結果に基づいて政策に勧告等を行うもの。技術検討会は法律に基づかない、助言をいただくものという観点から、議論の公正性、中立性に影響があるとは考えていない」とした。

 本紙が、技術検討会の委員8人のうち、寄付金の受け取りの有無が確認できたのは、情報公開請求制度のある大学や研究機関に所属する6人だけ。防衛省側は「各委員の研究活動を逐一把握する立場にない」とし、全委員の寄付金の有無を調べる考えはないとした。

 2人の委員が就任の前年まで1年余りにわたって、設計変更に関わった設計業者に技術指南を行っていたことについては、防衛省側は「民間企業の自主的な取り組みには逐一コメントする立場にない」と言及を避けた。


辺野古工事に関する技術検討会 土木工学の専門家ら8人の委員で構成。設計変更に関して専門的見地から技術的な助言を得るため、防衛局が委員を選んで2019年9月に設置した。6回の会合を経て、防衛局は20年4月、専門家からも理解を得られたとして、県に設計変更を申請。防衛省によると、申請後も解散せず、県から意見を求められた際などに適宜、委員から助言を得ているという。


◆沖縄県にも「検討会の委員が言っているから」

 沖縄県は「調査が不十分」として防衛局の設計変更を不承認にし、国と法廷闘争が続いている。

     (立民の小西洋之参院議員㊧と木原稔防衛相
      =14日、参院外交防衛委員会で)

 防衛局は2020年4月、設計変更を県に申請した。

 県によると、申請された設計変更が妥当か判断するに当たり、4度にわたって防衛局に質問を重ねたという。

 県が質問すると、防衛局からは幾度となく技術検討会の委員が問題ないと言っているので問題ないとの回答が返ってきたという。

 その一つが、軟弱地盤が最深部の「B27」地点での調査だ。

 防衛局は、「B27」地点の地盤の強度を調べず他の調査地点のデータから推定して設計を行っていた。

 審査の過程で、県も「B27」地点で実測していないことの妥当性を防衛局に尋ねているが、そのときも「技術検討会の委員が…という返答だったという。


◆「公正性に疑い持たれること自体問題」

 県海岸防災課の与儀喜真副参事は「資金提供のような報道があると、個人的には設計変更の内容が疑わしく思えてくる。ただ、たとえ影響がなかったとしても議論の公正性、中立性に疑いを持たれること自体が問題だ」と話す。

 本紙の調査では、辺野古の埋め立てや護岸の工事を受注した業者から、委員8人のうち少なくとも3人が就任前に計570万円、就任後にも2人が計230万円の奨学寄付金を受け取っていた。また、委員2人は、就任前年まで1年余りにわたって、設計変更に関わった設計業者に技術指南していた。

 設計変更を巡っては、県が軟弱地盤の最深部で地盤強度を調べていないことなどを理由に不承認とした。その後、国との間で法廷闘争となったが、県が敗訴。現在、国は知事に代わって承認する「代執行」を求めて提訴しており、年内にも判決が出るとみられる。


辺野古の軟弱地盤問題 埋め立て予定地の海底で、軟弱地盤が確認されたとして、沖縄防衛局は2020年、沖縄県に設計変更を申請した。県は承認せず、国との間で法廷闘争になった。国は知事に代わって承認する「代執行」に向けて提訴し、既に結審している。防衛局の設計変更では、海底に約7万本の砂杭などを打ち込み、地盤を固める改良工事を計画している。総工費は2.7倍の9300億円に膨らむ。仮に代執行が認められ、国が地盤改良工事に着手しても、普天間返還2030年代半ば以降となる見通し。


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主な質疑応答

◆防衛省「把握する立場にない」

小西洋之議員 東京新聞に、辺野古工事に関する防衛省の技術検討会の委員が工事関係会社から寄付金を受け取っていた、との報道がある。事実関係は。

     (質問する立民の小西洋之参院議員=14日、参院外交防衛委員会で)

青柳肇・防衛省整備計画局長 技術検討会以外での各委員の研究活動を逐一把握する立場になく、研究活動自体にコメントすることは差し控えたい。技術検討会は、各委員の純粋に技術的、専門的見地から提言、助言を頂くもの。各委員の研究活動が技術検討会の議論の公正性、中立性に影響するとは考えていない。


◆なぜ把握しない? 2度の「答弁拒否」

小西 公正性、中立性を確保するために、なぜ、各委員の研究活動を把握する必要がないのか。合理的な根拠は。

青柳 技術検討会の議論の公正性、中立性確保の観点から、委員長、委員の発言の逐一を記載した議事録を沖縄防衛局のホームページで公表している。各委員の技術的、専門的知見をもとに客観的な議論が行われていると認識している。


小西 議論を公開することと、出席している委員が純粋に科学的な見地から公正中立な発言をすることは、まったく別問題。もう一度聞く。なぜ、委員の研究活動を把握せずに、その委員が辺野古の工事に関する技術検討会で、中立かつ公正に活動できるといえるのか。

青柳 申し上げたように、非常に細かい資料、委員長と委員の議事録をそのまま記載しているので、それをご覧になれば、話を変な方向に誘導していないか、変な議論をしていないかは分かる。その意味で、公正性、中立性は担保されている。

小西 2回にわたって答弁拒否している。委員会に資料を提出してください。なぜ、研究活動を一切把握せずに、委員として中立公正な責務がまっとうできるのか


◆防衛大臣の反論は

小西 防衛大臣に聞く。国の政策を議論する有識者会議では、委員の先生方が、事業を受ける会社と利害関係があるのかを徹底的に調査する。利害関係がある方は欠格要件として、そもそも委員はお願いしない。例外で、仮にお願いする場合でも、議論だけお願いして議決はお願いしない。
 報道によれば、少なくとも2人の方が多額の寄付金を受けている。こういう寄付金を受けながら、純粋に科学的な見地から公平公正な議論ができる、と社会常識に照らしてお考えか。

木原稔防衛相 法律に基づく審議会は、調査審議の結果に基づいて政策に勧告等を行うもの。あるいは行政庁の意思決定に審議会の議決が必要となる。一方で、有識者会議、今回のような技術検討会は法律に基づかない助言を頂くものという観点から、議論の公正性、中立性に影響があるとは考えていない

     (答弁する木原稔防衛相=14日、参院外交防衛委員会で)

 また、沖縄防衛局が公開している資料には、委員長と委員、名前は公表していないが議事録を公開している。相当ボリュームがある。客観的な議論が行われているという認識だ。


小西 多額の寄付金を関係事業者から受け取っている学者さんが、純粋に科学的な立場から公正中立な議論ができる、と考えることはできない。利害関係のある方は外れて頂く、あるいは先ほど申し上げたような特別な要件を課すのが通常だ。防衛省だけやらないのか。
 このうちの委員2人は辺野古の軟弱地盤の工事の設計業務を沖縄防衛局が発注した日本公営の社内検討会議に参加して、設計変更の議論に加わっていたのでは設計変更の議論に加わっていた方が、技術検討会のメンバーとして評価する。事実関係は。

青柳 社内検討会の設置、民間企業の自主的な取り組みについて、逐一コメントする立場にない


◆「質問妨害だ」

小西 この辺野古の工事は、世界にも例がないような非常に深いところの難工事改良工事の方法が完璧に信頼できるという客観的な科学的な評価は、技術検討会以外でありますか。

青柳 国土交通省港湾局が監修している港湾の施設の技術上の解説に準拠している。

     (答弁する防衛省の青柳肇整備計画局長。左端は
      木原稔防衛相=14日、参院外交防衛委員会で)


小西 国交省は政府なのだから、客観的な評価にならない。第三者の客観的な評価は、この技術検討会以外にあるか。YesかNoかだけで答えてください。質問妨害だ。

青柳 いま申し上げたように、国土交通省の基準も有識者からの意見で作り上げたもの。これも十分と考える。


小西 「基準に適合している」ということ(評価)も含めて、評価している主体が技術検討会以外にありますか、と聞いている。3回目です。ありますか?

青柳 技術検討会も当然のことながら審議していただいている。


◆こういうのを「出来レース」って言うんじゃないですか?

小西 つまり今の答弁の通り、改良工事のやり方が科学的に是認できるという客観的な評価をしている第三者は、技術検討会しかない。その構成員が工事事業者からお金をもらい、かつ、その改良工事の設計段階から議論に関わってきた。こういうのを「出来レース」って言うんじゃないですか?

     (辺野古工事の設計変更を不承認とした
      沖縄県の玉城デニー知事)


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 設計段階に関わっていたのなら、かつ、委員になる前、委員になった後に寄付金を事業者から受け取っていたのであればその議論について公正性、中立性の確保が危ぶまれるということに常識的になるのではないか。防衛大臣の見解を。

木原 議論の公正性、中立性の観点から、議事録を見たが、変な誘導はないという認識を持っている。特に問題があるとは考えていない。


小西 全く何の説明にもなっていませんが、メンバーが1名代わった。どういう経歴か。

青柳 本年4月、青木伸一委員に代えて八木宏委員を新たに選出した。防衛大学校の教授。


小西 もともと政府関係者が8人中4人いたが、防衛大の八木先生に代わったので、8人中5人が政府関係者、防衛大の教授、あるいは元国交省の官僚だ。防衛大臣に伺う。こうした偏った技術検討会について、政府の施策である辺野古工事の技術的評価について中立公正な評価が可能だとお考えか。

木原 国または国の機関での勤務経験が議論に影響を与えるものではないと考えている。


◆議事録を公開=公正中立な会議?

小西 防衛大臣に伺うが、技術検討会には工事関係の会社から多額の寄付金をもらった方々がいる。2名は工事の設計段階からもらっていたのではないかという指摘がある。今の段階で8名中5名の方が現職、あるいは元政府関係者だというが、こういう会議体が行う改良工事の技術的な評価について、玉城デニー知事をはじめとする沖縄県民の皆さんから見て、そこで出された結論は信頼に値するのか

木原 議論の中身が大事だろうと思う。沖縄防衛局のホームページには、この議論の逐一が公表されている。中身が全て赤裸々に書いてある。特に偏った誘導をするとか、一定の結論に持っていくとか、そういう方向ではないことはご理解いただけると思う。


小西 会議の内容を全て公開すれば会議の内容が科学的、中立公正なものになる、という根拠は。

木原 まずは純粋に技術的、専門的知見から客観的に議論できる方を選考する。そして、議論の中身は公表している。それをしっかり見ることによって、偏った誘導はなかったと確認できる。


小西 関係事業者から寄付金をもらったり、設計段階から議論に加わったり、あるいは政府関係という属性がある方々は、普通は欠格条件で外すんですよ。客観的な議論がなぜできるとお考えなのか。

木原 繰り返しで恐縮ですが、技術検討会においては、各委員が有する技術的専門的な知見をもとに客観的な議論が行われているものと、私は認識しておりまして、問題ないという風には考えております。


小西 私も行政で12年間、議員として13年間やっていますけど、これほどの出来レースとしかいいようがないですね、技術検討会は見たことがないということは申し上げさせていただきたいと思います。
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コメント
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●辺野古…《立石雅昭名誉教授…「…意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる》

2023年11月19日 00時00分32秒 | Weblog

[【辺野古新基地建設で防衛省が計画する地盤改良】(東京新聞2020年2月15日)↑]


(2023年11月13日[月])
「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。

   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし
   『●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた
     盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》
   『●防衛省と「技術検討会」による《ずさん》な《「結論ありき」の
      出来レース》…《軟弱地盤調査せず…何のための「検討会」か》?
    《新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)を代表とする
     「沖縄辺野古調査団」は受注業者の実測データを基に護岸の
     安定性を調べた。国土交通省が定める港湾施設の基準を満たさず、
     巨大護岸が崩壊する恐れがあると指摘した》

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過去のブログ: 2019年09月14日 00時00分21秒

 「辺野古技術検討会」が、「公正」 「中立」ねぇ? アベ様らや自公お維の皆さん方から最も程遠い言葉。
 「環境監視等委員会」も機能していないし、その二の舞でしょう。「監視」してないし、「悪しき結果の追認」委員会、「悪しき結果の黙認」委員会に過ぎない。おまけに、「辺野古とカネ」の問題まである。「辺野古技術検討会」も「検討」することはないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもありません。《建設ありきの路線にお墨付きを与えるだけ》だし、《客観的な検討ができる》訳もない。《客観的》なんて、元々あり得ないが、《主観的》過ぎやしないか? 《利害関係》が過ぎやしないか?
 《防衛省幹部の言葉はもっとあけすけだ。有識者らの技術検討会が「建設ありき」との批判があることについて「移設工事は決まっていて、意見をいただくのに、建設ありきではいけないのかと開き直っている》…って、委員会・検討会や委員が不要だと言っているようなもの。沖縄の民意はさんざん無視しておいて。《政府の新基地建設を後押しする機関》、《環境監視等委員会も本来の役割を果たさず、政府の追認機関》。《環境監視等委員会は新基地建設ありきの防衛局の追認機関である。これで環境保全ができるわけがない》。委員の問題というよりも、委員長や委員会事務局、検討会事務局の問題か…。
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 さて、中沢誠記者による、東京新聞の記事【【独自】「辺野古」軟弱地盤工事にお墨付き与えた委員に230万円 受注業者から資金提供 就任前にも570万円】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/289467)。《辺野古工事を検証している新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)は、「リスクの高い地点なのに調査しないほうが不自然意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる》。
 委員会での旅費や謝金は必要だと思うんですよね。でも、委員就任後に受注業者から奨学寄付金を受け入れるというのは如何なものなのだろうか? 「お礼」と受け取られても仕方ないのでは? 利益相反に抵触しないか? 《◆沖縄防衛局「公正性・中立性に影響ない」》と果たして言えるか。
 《「近傍の地点から強度を推定するという方法は決して間違ったものではない」「近傍の地点の調査結果から推定できるので、B27で改めて調査をする必要まではないこれ以上お金と時間をかけて調査したとしても新しく得られる情報がすごく少ない」》…地盤力学や土質力学を専門とする研究者がこれを是とするとは思えないのだが…。《軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点では、簡易的な地盤調査が行われていた》…この《簡易的》ていうのも疑問なんだけれど、沖縄防衛局は、詳細なデータを持っていて隠蔽したりしていないですよね。

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過去のブログ: 2020年05月17日 00時00分20秒

 一体どこが《専門家》なのか? 何が、「技術検討会」? 不要不急な工事…いや、無駄な工事。美ら海破壊にドブガネ。工期と工費は∞。いつまでたっても新基地は完成しない。百万歩譲って、完成しても普天間は返還されない。辺野古は単なる破壊「損」
 結論ありき、「辺野古が唯一」…どこまでも無能な独裁政権。
 デタラメ防衛省…一方、着々と辺野古破壊が進む。正に破壊「損」。大浦湾で護岸が崩壊したら、辺野古も含めて元の自然に戻せるのか? 責任もって、原状回復して見せてくれんでしょうね?
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/289467

【独自】「辺野古」軟弱地盤工事にお墨付き与えた委員に230万円 受注業者から資金提供 就任前にも570万円
2023年11月12日 06時00分

     (軟弱地盤が広がる沖縄県名護市辺野古の沿岸部。
      難工事が予想される地盤改良工事は、いまだ手つかずだ
      =2019年(沖縄ドローンプロジェクト提供))

 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古へのこ移設問題。焦点となっている埋め立て予定地の軟弱地盤の対応を巡り、沖縄防衛局の設計変更にお墨付きを与えた技術検討会の委員2人が、就任した2019年9月以降に、関連工事の受注業者から計230万円の奨学寄付金を受け取っていたことが、本紙の調べで分かった。(中沢誠

奨学寄付金 研究振興のため民間から大学などに寄付される資金。使い道が限定されていないのが特徴で、大学への交付金が減少する中で貴重な研究資金となる一方、産学の癒着の温床になりやすい。原子力規制委員会は委員の選任に当たり、直近3年間の関係業者からの寄付を申告させ、公表している。国の医薬品の承認審査では、関係企業から年50万円を超える寄付を受けた委員は議決に加われない。


◆技術検討会の8委員、半数が旧運輸省OBら政府系出身者

 4年前の本紙調査では、委員3人が就任前、受注業者から計570万円の奨学寄付金を受け取っていた。

 辺野古工事を巡っては、防衛局の変更申請を不承認とした県の敗訴が確定。国は県に代わって承認する「代執行」を目指しているが、受注業者から資金提供を受けた委員が関与していたことで、改めて設計変更の妥当性が問われそうだ。

     (辺野古工事の設計変更を不承認とした玉城デニー知事)

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 技術検討会は、土木工学の専門家ら8人の委員で構成。設計変更に関して専門的見地から技術的な助言を得るため、防衛局が委員を選んで2019年9月に設置した。8人のうち半数が、旧運輸省OBの大学教授ら政府系出身者で、当初から審議の中立性や客観性に疑問の声が出ていた。

     (辺野古新基地建設の地盤改良工事を巡り開かれた
      技術検討会の初会合=2019年9月、防衛省で)

 技術検討会での6回の会合を経て、防衛局は2020年4月、専門家からも理解が得られたとして、県に設計変更を申請した。防衛省によると、申請後も適宜、検討会の委員から助言を得ているという。

 本紙は、委員就任後の2019年9月~23月3月、奨学寄付金の有無を調査。8人の委員うち、情報公開制度のある大学や法人に属する6人には開示請求を行った。

 開示文書によると、大谷順・熊本大教授が2019年9月に「不動テトラ」(東京)から80万円、23年3月に退任した青木伸一・大阪大学院教授(当時)が2020~22年度に「東洋建設」(東京)から計150万円を受け取っていた。


◆寄付した業者は埋め立てや護岸工事受注

 防衛局が発注した辺野古関連工事のうち、地盤改良を得意とする不動テトラは護岸工事を受注。海洋土木大手の東洋建設は埋め立て工事などを受注している。

 大谷氏と青木氏は委員就任前にも、受注業者から5年間で、それぞれ120万円と300万円の寄付金を受け取っていた。

 大谷氏と青木氏に見解を尋ねたが、11日までに回答はなかった。不動テトラは「個別事項への回答はしません」とコメント。東洋建設からは回答がなかった。

 情報公開制度のない大学に属する委員には、大学や本人に問い合わせたが、「取材はお断りしている」などとして回答はなかった。

 本紙の開示請求によると、8人の委員のうち少なくとも3人は、受注企業と共同研究をしたり、受注企業が設けた有識者会議の委員を務めたりもしていた。

【関連記事】<税を追う>辺野古技術委員に570万円 受注業者が資金提供(2020年1月3日)


◆沖縄防衛局「公正性・中立性に影響ない」

沖縄防衛局報道室の話 各委員の研究活動が、技術検討会における議論の公正性・中立性に影響があるものと考えていない。各委員が有している技術的・専門的知見を基に、客観的に議論いただいているものと認識している。


◆「軟弱地盤の調査不十分」県は不承認

 技術検討会の意見は、沖縄防衛局が辺野古工事での設計変更を正当化する根拠となっている。

 これに対し、沖縄県は「調査が不十分」として不承認にした。

 不承認の主な理由は、軟弱地盤が最も深い海面下90メートルの「B27」地点で、地盤の強度を実測していないことだ。

 90メートルにまで達する軟弱地盤の改良工事は世界でも例がない上に、「B27」地点には巨大な護岸が建つ。強度が足りなければ護岸が崩壊する恐れもある。これまで国会でも、何度も「B27」地点の再調査を求める声が上がっているが、防衛局は応じていない。

 県は、不承認通知書の中で、こう指摘している。

地盤の安定性等に係る設計に関して最も重要な地点において必要な調査が実施されておらず、地盤の安定性等が十分に検討されていないことから、災害防止に十分配慮されているとは言い難い

 防衛局は設計変更に当たって、最大で750メートル離れた他の3地点で計測したデータから類推し、「B27」地点の強度を推計している。

 この設計方法についても、県は不承認通知書で「地点周辺の性状等を適切に考慮しているとは言い難い」と疑問を呈し、「他の3地点からの類推ではなく、B27地点における力学試験等を実施し、その結果をもって設定することが最も適切」と主張している。

 逆に、技術検討会の委員らは、会合の中で、次のように発言し、防衛省の計画を支持していた。

近傍の地点から強度を推定するという方法は決して間違ったものではない
近傍の地点の調査結果から推定できるので、B27で改めて調査をする必要まではないこれ以上お金と時間をかけて調査したとしても新しく得られる情報がすごく少ない

 意見を引き取った委員長も「もう追加の必要はないのではないかと思う」と語っていた。

 防衛局は、本紙の取材に対しても、技術検討会の意見を引き合いに出し、「土の強度の設定方法は、技術検討会で適正なものだとの意見をいただいており、これまでに実施した土質調査は、護岸等の構造物の設計を行うに当たり十分なものだと考えている」と回答する。

 辺野古工事を検証している新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)は、「リスクの高い地点なのに調査しないほうが不自然意図的に避けているとしか思えない。技術検討会は、政府にお墨付きを与えるためだけにあるのか」といぶかる。


◆不可解な防衛局の地盤調査

 そもそも防衛局の地盤調査には、不可解な点が目立つ。

 その一つが調査の時期だ。

 防衛局から開示された地盤調査の報告書によると、軟弱地盤の最深部に当たる「B27」地点では、簡易的な地盤調査が行われていた。実施したのは2017年3月。この調査でB27地点では、軟弱地盤が海面下90メートルにまで達してることが判明した。

     (軟弱地盤が海面下90メートルまで達している
      「B27」地点のデータ。調査は2017年3月と記録されている)

 一方で、「B27」地点の強度を推定するために引用した他の3地点の調査は、いずれも「B27」地点の調査の後に行われていた。3地点のうち2地点については、「B27」地点の調査から1年も経った2017年暮れから2018年にかけて行われていた。

 2018年の追加調査は、より地盤の状態を詳細に調べるために実施したものだ。他の地点から推定するよりも、B27」地点で調べれば、より正確なデータが得られるはず。なぜ、その追加調査に「B27」地点を含めなかったのだろうか。

 防衛局に尋ねると、「準備が整ったものから実施した」という回答しか返ってこなかった。


◆他からデータ引用「つじつま合わせでは」

 ある土木技術者は「追加調査したときにB27地点も一緒に調査していれば、費用も時間もあまりかからなかったはずだ。ましてやB27地点は一番危険な場所。技術者からすると、その危険な場所を調べもせずに設計するなんて冒険でしかない」という。

 同じように軟弱地盤を改良して造成した羽田空港や関西国際空港の海底は、ほとんど起伏がない。一方、辺野古の埋め立て予定地の海底は凹凸のある複雑な地形になっている。本来なら、より慎重な調査が求められるはずだ

 土木技術者は、頑なに「B27」地点の調査を避けようとする防衛局の思惑について、こう推測してみせた。

 「おそらくB27地点で地盤強度を測ると、基地を作るために必要な地盤の安定性を確保できないからではそのため、わざわざ他の地点のデータを引用して、つじつまを合わせようとしたのではないか


辺野古の軟弱地盤問題 埋め立て予定地の海底で、軟弱地盤が確認されたとして、沖縄防衛局は2020年、沖縄県に設計変更を申請した。県は承認せず、国との間で法廷闘争になった。国は知事に代わって承認する「代執行」に向けて提訴し、既に結審している。防衛局の設計変更では、海底に約7万本の砂杭などを打ち込み、地盤を固める改良工事を計画している。総工費は2.7倍の9300億円に膨らむ。仮に代執行が認められ、国が地盤改良工事に着手しても、普天間返還は2030年代半ば以降となる見通し。


【関連記事】防衛省調査を追認 辺野古軟弱地盤で有識者会議(2019年9月7日)
【関連記事】「辺野古」工事費 底なし 埋め立て14%すでに半分近く使い切る 米軍幹部も「ドローンの時代に不要」
【関連記事】辺野古新基地推進のために最高裁が「不合理」判決 行政法学者100人が指摘するおかしな点
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●防衛省と「技術検討会」による《ずさん》な《「結論ありき」の出来レース》…《軟弱地盤調査せず…何のための「検討会」か》?

2020年05月17日 00時00分20秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]



沖縄タイムスの【社説 [軟弱地盤調査せず] 何のための「検討会」か】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/555484)。
西江昭吾記者による、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]ルビコン川はまだ渡っていない】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/555477)。
中沢誠記者による、東京新聞の記事【辺野古地盤 粘土90%超 防衛省想定70% 「固い」根拠揺らぐ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020040302000153.html)。

 《検討会は修正を了承し防衛省は工程や経費に変更はないと説明した。多数の誤りを修正した防衛省、工法をチェックしてしかるべき検討会が見逃しあっさり修正を認める。防衛省も、検討会も、ずさんというほかなく、「結論ありきの出来レースであると言わざるを得ない》。
 《▼こちらは、まるで「とうにルビコン川は渡った」と言うかのような返答ぶり。県の「万国津梁会議」が、米海兵隊を県外・国外へ分散するよう求めた提言書について、菅義偉官房長官は「県の検討の一つ一つにコメントすることは差し控えたい」と素っ気ない…▼辺野古埋め立てを巡り、防衛省は有識者の意見を聞きながら工事を進めている。一方は重きを置き、一方はそっぽを向く。二重基準と言わずして何と言おう。(西江昭吾)》。
 《巨大な護岸が建設されるB27地点を巡っては、防衛省の主張に反して地盤が「軟弱」とする三つのデータの存在が本紙報道などで明らかになった。しかし防衛省は「信頼性が低い」として設計に反映していない。一部の専門家は「地盤が軟弱なら護岸が崩壊する恐れがある」と、B27地点の再調査を求めているが、防衛省は応じていない。(中沢誠)》。

   『●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた盛り土が
          崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》

 一体どこが《専門家》なのか? 何が、「技術検討会」? 不要不急な工事…いや、無駄な工事。美ら海破壊にドブガネ。工期と工費は∞。いつまでたっても新基地は完成しない。百万歩譲って、完成しても普天間は返還されない。辺野古は単なる破壊「損」

 結論ありき、「辺野古が唯一」…どこまでも無能な独裁政権。
 デタラメ防衛省…一方、着々と辺野古破壊が進む。正に破壊「損」。大浦湾で護岸が崩壊したら、辺野古も含めて元の自然に戻せるのか? 責任もって、原状回復して見せてくれんでしょうね?

   『●《沖縄が切り捨てられた日であり、名護市出身の女性が米軍属の男に
     殺害された日でもある。いまも沖縄にとって「屈辱の日」は続いている》
   『●PFOSを含む泡消火剤《14万リットル流出 ドラム缶719本分》!!
        沖縄市民に強硬な防衛相は番犬様には何にも吠え付けないとはねぇ…

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/555484

社説 [軟弱地盤調査せず] 何のための「検討会」か
2020年4月3日 07:51

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、土木工学の専門家らによる第6回「技術検討会」(委員長・清宮理早稲田大名誉教授、8人)が防衛省で開かれた。この中で防衛省はこれまで示した資料に20カ所の誤りがあり、修正したことを明らかにした。護岸の安定性に関する数値の間違いや、計算結果が正しく反映されていない図表などである

 検討会は修正を了承し防衛省は工程や経費に変更はないと説明した。多数の誤りを修正した防衛省、工法をチェックしてしかるべき検討会が見逃しあっさり修正を認める

 防衛省も、検討会も、ずさんというほかなく、「結論ありきの出来レースであると言わざるを得ない。

 検討会は水面下から最大深度90メートルに存在する大浦湾の「B27」地点の軟弱地盤も再検討を要しないと結論付けた。これもまた防衛省の見解を追認したものである。

 なぜ必要ないのか。検討会は科学的、技術的観点から結論に至るまでの説明責任を果たす必要がある。ボーリング調査を実施し地盤強度を調べることを県が求めているのである。検討会はチェック機能を果たすべきではないか。

 第5回検討会で、ある委員は「これ以上お金と時間をかけて調査しても新しく得られる情報はすごく少ない」と発言している。本当だろうか。

 「B27」地点では、軟弱地盤を示す受注業者の実測データが発覚しているからだ。ボーリング調査を実施して実態を明らかにすべきである。

■    ■

 防衛省は70メートルより下は「非常に硬い粘土層」と説明する。同地点から約150メートル~750メートル離れた3地点の試験から類推した結果である。

 「B27」は巨大護岸が設置される地点の真下に当たる。

 新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)を代表とする「沖縄辺野古調査団」は受注業者の実測データを基に護岸の安定性を調べた。国土交通省が定める港湾施設の基準を満たさず、巨大護岸が崩壊する恐れがあると指摘した。

 工事中も、完成した後も巨大護岸が崩壊する危険性があるのだ。河野太郎防衛相は「受注者が船上で簡易に行ったもの。土の強度を測るための試験ではない」と信頼度は低いと強調する。

 だが「非常に硬い粘土層」もあくまで類推である。新基地建設を強引に進めるため、不都合なデータを排除し、類推した都合のいいデータを採用したのではないのか、との疑念が拭えない。


■    ■

 防衛省は検討会を「客観的に有識者からの提言、助言を得る」と位置付けた。だが本来のあるべき姿とは程遠い。

 

 かつて防衛省幹部は検討会が「建設ありき」との批判があることについてこう言い放ったことがある。「移設工事は決まっていて、意見をいただくのに、建設ありきではいけないのか」と。事実上の追認機関であるとの本音を露骨に語った言葉である。

 検討会は最終回とみられる。防衛省は「環境監視等委員会」を開き、今月中にも県に設計変更を申請する考えだ。追認機関の結論が新基地のお墨付きとはならない
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/555477

[大弦小弦]ルビコン川はまだ渡っていない
2020年4月3日 07:54

 歴史に名を残す川は、場所さえ定かではないらしい。一説によると、イタリア半島北部に位置し、全長30キロに満たず、川幅は広い所で約5メートル。想像よりはるかに小さい

▼後戻りできない重大な決断をすることの例えで引用される「ルビコン川を渡る」。古代ローマ時代、軍隊を率いるカエサルが信念を曲げず、命令に背いて川を越えた故事にちなむ

▼こちらは、まるで「とうにルビコン川は渡った」と言うかのような返答ぶり。県の「万国津梁会議」が、米海兵隊を県外・国外へ分散するよう求めた提言書について、菅義偉官房長官は「県の検討の一つ一つにコメントすることは差し控えたい」と素っ気ない

▼政府の立場は「辺野古が唯一」なので、意に沿わない提言に違いない。菅氏は「もう判断が終わった話」と周囲に語っていると聞く。だからといって、馬耳東風のごとく受け流すのは、いかがなものか

▼散発的な個々人の発言に対してなら、まだ分かる。提言は、曲がりなりにも知事が有識者に諮問し、丹念に練り上げたもの。コメントを控えるどころか、むしろ重く受け止め、米側に議論を呼び掛けるのが国の役目だ

▼辺野古埋め立てを巡り、防衛省は有識者の意見を聞きながら工事を進めている。一方は重きを置き、一方はそっぽを向く。二重基準と言わずして何と言おう。(西江昭吾
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020040302000153.html

辺野古地盤 粘土90%超 防衛省想定70% 「固い」根拠揺らぐ
2020年4月3日 朝刊



【防衛相が「非常に固い」と見なす特徴と食い違う地層データ】
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/images/PK2020040302100056_size0.jpg

 沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設予定地の海底地盤から「軟弱」を示すデータが見つかった沖合のB27地点で、七十メートルより深い地層に含まれる粘土などの細かい土の粒(細粒分)の割合が、最高で99%に達することが分かった。この「細粒分含有率」が高いほど、地盤は弱くなる傾向がある。防衛省は近くの強度データからB27地点の海底地盤を「非常に固い粘土層」と結論づけ、その特徴として「細粒分は70%程度」を挙げたが、食い違いがみられる。

 軟弱な海底地盤が広がる埋め立て予定地の中で、B27地点の粘土層は最も深い九十メートルまで達している。防衛省が業者に委託した地質調査結果によると、B27地点の細粒分含有率は海面下六十九~八十五メートルまでは99~93%となっていた。

 防衛省は予定地の海底地盤の特徴を、七十メートルを境に粘土層が二つに分かれると分析し、より深い層は細粒分が「70%程度」で「非常に固い」と判断。「深度七十メートル超は固い」との前提に立ち、「七十メートルまで地盤改良すれば基地の施工は可能」としている。

 粘土は砂と比べて土の粒が細かいため、細粒分含有率が大きいほど粘土に近くなり、軟弱地盤になりやすいとされる。B27地点の細粒分含有率は、この前提が成り立たない可能性を示している。

 もともと防衛省がB27地点の深度七十メートル超の地層を「非常に固い」と判断したのは、百五十~七百五十メートル離れたS20地点など三地点の強度データからの類推だった。三地点とB27地点は「同じ地層だから」というのが理由だが、細粒分含有率の傾向は大きく異なっている。

 防衛省整備計画局は「細粒分含有率が90%以上であっても『70%程度』のばらつきとして見ている。土の粒の大きさより、密度を重く見て総合的に判断した」と説明する。

 巨大な護岸が建設されるB27地点を巡っては、防衛省の主張に反して地盤が「軟弱」とする三つのデータの存在が本紙報道などで明らかになった。しかし防衛省は「信頼性が低い」として設計に反映していない。

 一部の専門家は「地盤が軟弱なら護岸が崩壊する恐れがある」と、B27地点の再調査を求めているが、防衛省は応じていない。 (中沢誠


◆軟弱と見るのが自然

<地盤工学に詳しい鎌尾彰司・日本大准教授の話> 細粒分含有率の差が30ポイントもあり、防衛省の言うようにB27地点と周辺三地点の地層が同一と考えるには無理がある。細粒分含有率は土の固さにも影響する指標で、B27地点の高い含有率からすれば、むしろ七十メートル以深も「軟弱」な地層が続くと考えるほうが自然だ。七十メートルまで地盤改良すればいいという結論に導くため、地層のデータも都合よく解釈している印象を受ける。



【「非常に固い」層の特徴として細粒分含有率は「70%程度」と書かれた防衛省の地盤改良の検討報告書】
 (https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/images/PK2020040302100057_size0.jpg



【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸=今年2月】
 (https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/images/PK2020040302100058_size0.jpg
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●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》

2020年02月17日 00時00分04秒 | Weblog

[【辺野古新基地建設で防衛省が計画する地盤改良】(東京新聞2020年2月15日)↑]



東京新聞の二つの記事。【辺野古「軟弱」地盤示すデータ 防衛相、強度試験を否定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020021502000152.html)。
中沢誠記者による記事【軟弱地盤 設計水準満たさず 辺野古護岸「最悪崩壊する」 実測値、専門家試算】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020021690071203.html)。

 《鎌尾彰司・日本大准教授は「非排水せん断強度という意味で、間違いなく地盤の強度。防衛大臣の説明はありえない」と指摘する。「軟弱」データを巡っては、二月に報道で発覚すると、防衛省は「簡易的な試験」と主張。正規の方法とみなす力学試験に当たらないことを理由に「試験はやっていない」との説明が虚偽ではないという論法で批判かわしにかかっている》。
 《辺野古工事を独自に検証している専門家チームが、このデータを基に護岸の安定性を試算したところ、国の要求水準を満たさないことが分かった。最悪の場合、埋め立てた盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れがあるという。チームは「安全な施工は保証できない。今からでも地盤を再調査すべきだ」と指摘》。

   『●〝マヨネーズ〟軟弱地盤データの隠蔽…《信頼性が低い》のは
     《試料》なのか? アベ様や最低の官房長官らの《信頼性》こそ皆無
    「《業者が独断で行った調査で信頼性が低い》だってさ。
     《信頼性が低い》のは《試料》や《データ》、《調査》だったので
     しょうか? アベ様や最低の官房長官、防衛相の《信頼性》の方こそ
     《低い》、というか、」

 アベ様や最低の官房長官、防衛相、防衛省の《信頼性》こそ皆無。辺野古破壊をすぐさま中止してください。
 水井多賀子さんによる、リテラ(2019.12.14)の記事【辺野古土砂投入から1年──Coccoが県民投票日をタイトルにした新曲「2.24」に込めた思い、ウーマン村本の漫才と通底する怒り】(https://lite-ra.com/2019/12/post-5143.html)、《そもそも大浦湾側の埋め立て予定地にマヨネーズ状の軟弱地盤があり、その深さは最深90メートルにもおよぶ。…鎌尾彰司・日本大学准教授が「沈下量も25〜50年くらいの長期にわたりますと、1メートルを超えるような沈下になってしまう。1メートルも段差になりましたら、多分(基地の)機能としては果たせないと思う」と指摘してい》ました。さらに、この記事では、《最悪の場合、埋め立てた盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れがあるという。チームは「安全な施工は保証できない。今からでも地盤を再調査すべきだ」と指摘》。防衛相の納得のいく「力学試験」を実施し、結果が出るまで、辺野古への土砂投入・大浦湾の工事を中止して下さい。
 《防衛省は取材に「仮定の話には答えられない」》…B27地点の〝力学試験〟のデータも無しで70m以深が強固な地盤という《仮定の話》をされてもねぇ。
 N値はゼロ、工期と工費は∞。新基地は完成しない。たとえ完成しても使い物にはならないし、普天間が返還されることはない。辺野古は破壊「損」。

   『●鈴木耕さん《美ら海を破壊するために、軍事基地を造っている
              …言い換えれば、サディスティックな政治》
   『●辺野古破壊、米側に《地盤改良「最短で5年」と日本側伝達》? 
                 沖縄に《工期も費用も言えない》のに?
   『●辺野古破壊に「反対に○」が投票資格者総数の37.65%、
             43万4273票…これは、もの凄い数字だ!
   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●《地元の理解と協力を得る努力…自然環境や住民の
     生活環境にも最大限配慮》しつつ美ら海に土砂ぶちまけ…
   『●「辺野古とカネ」再び…防衛省OB天下り:
     《公平》《公正》、与党・自公や癒着党・お維から最もほど遠い言葉
   『●新海聡氏《法制度の趣旨をねじ曲げ、都合の悪い情報は出さない
           という辺野古工事の治外法権ぶりを象徴した対応だ》
   『●「辺野古とカネ」…「辺野古が唯一」「辺野古ありき」
      とばかりに辺野古破壊に集り、《政官業の癒着ぶり》が醜悪
   『●「辺野古技術検討会」が「公正」「中立」ねぇ?
     「検討」しないし、「批判」「是正」「破壊中止」することもなし
   『●美ら海に土砂をぶちまけ続けて1年、《政府は沖縄の人々を
     国民と見なしているだろうか…傍若無人極まりない》愚行の連続
   『●《生物多様性の生きた教科書》な森や美ら海を殺すな!
     《和泉洋人首相補佐官…民間企業に便宜供与を打診し、行政をゆがめ…》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020021502000152.html

辺野古「軟弱」地盤示すデータ 防衛相、強度試験を否定
2020年2月15日 朝刊

     (B27地点の実測データを記した防衛省の資料。
      強度計測試験だったことを示す「Undrained Shear Strength」
      の記載がある)

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、埋め立て予定地の海底地盤から「軟弱」と示すデータが検出された試験について、河野太郎防衛相は十四日の記者会見で「(地盤の)強度の試験ではない」と述べ、本紙の取材や国会質問への説明は「適切だった」との見解を示した。防衛省の国会提出資料には、このデータについて「強度と明記されており、河野氏の説明は矛盾する。

 粘土層が最も深い海面下九十メートルまで達している「B27」地点での地盤について、防衛省はこれまで国会質問や本紙の取材に強度の試験はやっていないとの説明を繰り返し、データの存在を伏せてきた

 この日の会見で河野氏は、記者から「簡易的であっても強度の試験。国会でも強度の試験をやったのかと質問している。虚偽説明ではないか」と問われると、「土の状況を見る試験で強度の試験でもない」と断言した。

 国会提出資料に添えられたB27地点の「軟弱」データには、地盤の強度の値を示す「Undrained Shear Strength」との表記がある。鎌尾彰司・日本大准教授は「非排水せん断強度という意味で、間違いなく地盤の強度。防衛大臣の説明はありえない」と指摘する。

 「軟弱」データを巡っては、二月に報道で発覚すると、防衛省は「簡易的な試験」と主張。正規の方法とみなす力学試験に当たらないことを理由に「試験はやっていない」との説明が虚偽ではないという論法で批判かわしにかかっている。
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https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020021690071203.html

軟弱地盤 設計水準満たさず 辺野古護岸「最悪崩壊する」 実測値、専門家試算
2020年2月16日 07時13分

 沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設地の海面下七十メートル超の地盤に「軟弱」と示す実測データが存在していた問題で、辺野古工事を独自に検証している専門家チームが、このデータを基に護岸の安定性を試算したところ、国の要求水準を満たさないことが分かった。最悪の場合、埋め立てた盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れがあるという。チームは「安全な施工は保証できない。今からでも地盤を再調査すべきだ」と指摘する。(中沢誠

 防衛省は「信頼性が低い」として、「軟弱」データを設計に反映していない。仮にデータ通り七十メートル超も軟弱地盤となれば、国が求める設計水準を満たすには地盤改良の必要がある。しかし、国内の作業船の能力では七十メートルまでしか対応できず、新基地建設が行き詰まる恐れも出てくる。

 試算したのは、新潟大の立石雅昭名誉教授ら地質や地盤の専門家でつくる調査チーム。「軟弱」を示す実測データが検出された「B27」地点には、巨大な護岸が設置される。チームは、B27地点で七十メートル超の地盤が「軟弱」だった場合、護岸が安全に建設できるかどうか安定性を試算した。

 防衛省は、新基地建設において、国土交通省が定める港湾施設の基準に基づいて設計している。

 防衛省が昨年三月に国会へ提出した地盤改良の検討報告書では、B27地点から最長七百五十メートル離れた三地点から類推した強度を基に、護岸の安定性を計算している。報告書によると、深度七十メートルまで地盤改良すれば要求水準をぎりぎり満たす結果だった。

 一方、調査チームが、護岸下の地盤強度を今回発覚した「軟弱」なデータに置き換えて計算し直したところ、安定性は国が求める設計の要求基準を満たさなかった国交省の基準を満たさない設計は通常認められない

 調査チームの試算について、防衛省は取材に「仮定の話には答えられない」とした。

 実測データを設計に反映していない点を、河野太郎防衛相は十四日の会見で「設計に影響が出ることではなく、リスクがあるとは思わない」と発言。別地点のデータから七十メートル超の地盤が「非常に固い」とした判断は、「(有識者の)技術検討会からもお墨付きをもらっている」として、追加のボーリング調査は必要ないとの見解を示した。

 B27地点の地盤強度の実測データは、防衛省が国会に提出した資料の巻末に英文で記載されていた。これまで防衛省は、本紙の取材や国会の質問に強度試験はやっていない虚偽説明を繰り返し、実測データの存在も明らかにしていなかった


◆地盤調査やり直しを

<調査チーム代表、立石雅昭・新潟大学名誉教授(地質学)の話> 防衛省の報告書に記された安定計算の数式に準じて計算しており、国の設計水準を満たさないと判断するには十分な試算だ。七十メートルより深い地盤が今回判明した強度だった場合、設計が成り立たず、このまま施工すれば盛り土が崩れ、護岸が崩壊する恐れがある。データの信頼性が低いというなら防衛省は調査をやり直し、正確な強度を示せばいい。危険性が指摘されているのにデータを見直そうともしない防衛省には、リスクを見積もる姿勢が欠落している。



【辺野古新基地建設で防衛省が計画する地盤改良】
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2020021699071332.jpg
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