Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●無謀な川内原発再稼働についての「住民」説明会: 「結論ありき」のセレモニー、誠実さの欠片もなし

2014年10月30日 00時00分27秒 | Weblog


河北新報のシリーズ社説【質疑打ち切りに反発/(上)住民説明 内容限定不安消えず/再稼働の行方・九州川内原発ルポ】(http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141020_13007.html)、
【是非問う機会設けず/(中)民意集約/「結論ありき」批判も/再稼働の行方・九州川内原発ルポ】(http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141021_13011.html)、
【県と自治体に温度差/(下)同意範囲/再稼働の行方・九州川内原発ルポ】(http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141022_71011.html)。

 「<「何のため」> 1時間の質疑を終えて残ったのは反発と不満だった」、「A4判両面印刷のアンケート用紙が配られた・・・・・・原発に直接関わるのは1問しかなかった。それも「(地震や津波対策など)説明会で理解できなかった項目」を選ぶだけ。再稼働への意見を聞く設問は全くない・・・・・・原発は一般の行政課題と異なる首長や議員だけで決められる問題ではない」、「伊藤祐一郎鹿児島県知事は「立地市と県で十分」との考えで、日置市は対象外となる公算が大きい・・・・・・リスクを負っていても、再稼働には口出しできない」。

 無謀な川内原発再稼働についての「住民」説明会ですが、「地元」民の声は反映されているのでしょうか? 電力会社、アベ様やその子分たち、原子力「ムラ寄生」委員会東電株主・宮沢洋一経産相、鹿児島県知事、薩摩川内市議会、原発メーカーときたら・・・・・・原子力力ムラ住人のための「結論ありき」のセレモニーです。彼らには、誠実さの欠片もありません。

   『●九州電力川内原発を再稼働させてはイケナイ:  
       何のための専門家会合? 市民の意見提出??
   『●御岳山噴火は水蒸気爆発なので予測不可
       ・・・川内原発再稼働「影響せず」、でOKですか?
   『●怒号渦巻く川内市住民説明会:
        誰が川内原発再稼働を望んでいるのか?


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http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141020_13007.html

質疑打ち切りに反発/(上)住民説明 内容限定不安消えず/再稼働の行方・九州川内原発ルポ

     (川内原発の安全審査に関する住民説明会。会場では安全性への
      不安の声が相次いだ=9日、鹿児島県薩摩川内市)

 鹿児島県薩摩川内市にある九州電力川内原発が国の新規制基準適合性審査(安全審査)に合格し、国内第1号となる再稼働に向けた手続きが着々と進む。福島の事故で増幅された地域の不信と不安に、自治体はどう向き合おうとしているのか。住民説明会が開かれた現地を訪れ、東北での課題を探った。(原子力問題取材班)


<「何のため」>

 1時間の質疑を終えて残ったのは反発と不満だった。

 薩摩川内市で9日夜にあった住民説明会。「何のために開催したのか。もっと丁寧に市民の声を聞くべきだ」。終了後、原発から12キロの地域で自治会長を務める川畑清明さん(58)が吐き捨てるように言った。

 説明会は再稼働への同意、不同意の判断を迫られる県と市が共催した。地元住民への説明は法的に定められていないものの、理解促進を目的に独自に企画された。

 2013年7月施行の原発新規制基準は、自然災害やテロの対策、放射性物質の拡散防止を求めている。福島の事故を踏まえて基準が厳格化されたとはいえ、住民の不安解消は容易ではない。

 「絶対安全には到達できない。できるだけリスクを抑える審査をした」。原子力規制庁担当者の発言に、満席の会場がざわめく一幕もあった。

 質問に立った女性の一人は「福島の事故が収束しておらず、説明に説得力があると思っているのか」と詰め寄った。

 住民が原発再稼働と向き合う貴重な機会のはずが、質疑は途中で打ち切られた。内容は原則、審査結果に関するものに絞られた。避難計画や地元同意の範囲など、住民の関心が高い事項は受け付けられなかった

 開催は原発30キロ圏を含む5市町で各1回限り。薩摩川内市の場合、出席できたのは約1000人。全人口の1%にとどまった。


<市長は評価>

 十分な対話が尽くされたとは言い難いものの、行政サイドは再稼働に向けた地元手続きを着々と進めている。川内原発をめぐる焦点は、既に首長や地方議会の判断に移ろうとしている。

 一夜明けた10日、記者会見した岩切秀雄市長は「規制庁は細かく説明してくれた」と評価。次は「市議会の意向を聞く」と語り、住民説明会の追加開催は否定した。

 現在、東北電力の女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)と東通原発1号機(青森県東通村)も安全審査を受けている。基準を満たしていると判断されれば、地域で原発の是非をめぐる議論が再燃するのは必至だ。

 先行する鹿児島の動向は参考事例となる。深刻な原発災害が今も続く中、どんな対応が東北で求められるのか。より丁寧な住民説明が欠かせないのは明らかだ。

 立地自治体となる宮城県の担当者は「(放射性物質の飛散など)福島の事故の影響が及んでいる。手続きを慎重に検討したい」と話している。


[川内原発]加圧水型軽水炉(PWR)の1号機が1984年、2号機が85年に営業運転を開始した。出力はともに89万キロワット。東日本大震災後、2011年9月までに2基とも運転を中止した。運営する九州電力は13年7月、原子力規制委に適合性審査を申請。ことし9月に全国で初めて適合が認められた。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141021_13011.html

是非問う機会設けず/(中)民意集約/「結論ありき」批判も/再稼働の行方・九州川内原発ルポ

     (説明会の終了後、会場出口でアンケート用紙を投函(とうかん)する市民
      =9日、鹿児島県薩摩川内市)

<同意の思惑>

 国の新規制基準適合性審査(安全審査)に合格した九州電力川内原発。鹿児島県などが県内5市町で開いた住民説明会では、A4判両面印刷のアンケート用紙が配られた。

 設問はわずか六つで、うち三つは性別など回答者の属性を尋ねる内容。原発に直接関わるのは1問しかなかった。

 それも「(地震や津波対策など)説明会で理解できなかった項目」を選ぶだけ。再稼働への意見を聞く設問は全くない

 集計結果がどう活用されるかも見通せない。県は「理解不足の項目を確認し、情報提供の方法を検討する」(原子力安全対策課)と説明するにとどまる。

 本来、審査結果に対する理解と再稼働支持は同義ではない。アンケート項目の乏しさには「審査内容への理解が進めば再稼働に同意できる」との県の思惑が透けている。


<低い出席率>

 こうした行政の姿勢は「再稼働ありき」と映り、住民を原発議論から遠ざける恐れがある。

 説明会の全5会場のうち、定員を超す応募があったのは立地自治体の薩摩川内市だけ。原発から半径30キロ圏の4会場は希望者が定員の4~8割程度。平日の夜間開催という事情を勘案しても、高い出席率とは言い難い。

 さつま町は定員の半数に満たなかった。町内で眼鏡店を経営する山内義人さん(63)はあえて出席を見送った一人だ。

 「再稼働の是非で激論を交わすべきだが、行政側は強引に手続きを進めてしまっている。意見をいくら言っても無駄だ」。山内さんは諦め顔を見せた。

 「公開討論会を開いてほしい」「住民投票をやるべきだ」。複数の会場でこうした意見も出たが、県側は否定的な姿勢を崩さなかった。

 説明会について、伊藤祐一郎鹿児島県知事は「一般的な形では理解が進んだ」と話す。住民の意見を集約する機会がないままに、再稼働をめぐる手続きは最終局面を迎えようとしている。


<有志尋ねる>

 経済性や安全性など、原発を評価する住民の尺度は一様ではない。同意、不同意の判断を迫られる自治体は、多様な価値観をくみ取る努力が欠かせない

 東北では再稼働の判断に向けた取り組みが進む。東北電力女川原発の地元、宮城県女川町の町議有志が今、2500世帯を対象に女川原発再稼働の賛否を尋ねている。12月には県と町に結果を報告する。

 企画者の一人、高野博町議(71)は「原発は一般の行政課題と異なる。首長や議員だけで決められる問題ではない」と指摘する。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141022_71011.html

県と自治体に温度差/(下)同意範囲/再稼働の行方・九州川内原発ルポ

    (再稼働への準備が進む川内原発。同意、不同意を判断する「地元」の
      範囲をめぐってUPZ圏内が揺れている=鹿児島県薩摩川内市)

<訴え届かず>

 「原子力規制委員会は地元同意の範囲をはっきりさせるべきだ」。鹿児島県日置市の無職牧添正信さん(62)は訴えた。

 日置市は、再稼働に突き進む九州電力川内原発がある同県薩摩川内市に隣接する。牧添さんは地元であった10日の住民説明会で「ここも同意が必要な範囲のはず」との思いをぶつけた。

 訴えは届かなかった。壇上の規制委関係者から明確な回答はなかった。

 地元同意は再稼働の条件の一つだが、国は「地元」を定義していない。伊藤祐一郎鹿児島県知事は「立地市と県で十分」との考えで、日置市は対象外となる公算が大きい。

 終了後、牧添さんは「福島の事故では広範囲の住民が当事者になった。同意の在り方について議論を深めなければならない」と語気を強めた。

 日置市など原発30キロ圏は緊急防護措置区域(UPZ)となり、防災・避難計画の策定が義務付けられている。リスクを負っていても、再稼働には口出しできない。当然、自治体の不満は強まる。

 いちき串木野市は全域がUPZに入る。地元の「避難計画を考える緊急署名の会」の石神斉也代表(81)は「最大の被害を受けかねない住民の意向を無視することは許されない」と憤る。

 石神さんらは5月、再稼働反対の署名活動を展開。住民の過半となる1万5000筆以上を集めた。地元市議会は9月、同意範囲の拡大を求める意見書を採択した。

 同じくUPZに含まれる出水、姶良両市も再稼働手続きへの関与を求める。姶良市の担当者は「住民の生命、財産を守る自治体が主体性を発揮できないなんて」と嘆く。

 税収など原発の実利は立地場所に集中する。恩恵の少ない周辺自治体の関与が増えれば、再稼働は不透明感を増す。


<東北も白紙>

 施設の存廃にもつながる判断主体をどうするか。東北の立地県も方針は固まってはいない。

 宮城県原子力安全対策課の阿部勝彦課長は「法的根拠がなく、白紙の状態。同意を求めている国が決めるべきだ」と指摘する。青森県も同様のスタンスだ。

 福島の原発事故の被害は、大熊双葉両町の立地自治体にとどまらない東日本大震災に伴う関連死福島全域で1800人近い。UPZ外でも安全とは言い切れない。

 南相馬市は関連死が400人、避難者が2万1000人以上に達する。桜井勝延市長は「福島の教訓を生かすためにも、最低でも30キロ圏の住民の意見を反映させる必要がある」と強調した。

2014年10月22日水曜日
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●アベ様が「原発再稼働、進める方針を明言」・・・・・・世界に向けて「恥」を発信

2014年05月08日 00時00分04秒 | Weblog


東京新聞の記事【原発再稼働、進める方針を明言 安倍首相、ロンドンの講演で】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014050201001077.html)。
CMLの記事【[CML 031105] Fw:30日の政府交渉/火山評価・汚染水問題・防災避難計画について】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-May/031126.html)。
最後に、asahi.comの社説【電力経営―逆境を「変革元年」に】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・

 ドイツ訪問後、イギリスにて「経済成長の実現に向けて原発再稼働を進める方針を明言・・・・・・経済成長のためには安定的で安いエネルギー供給の実現が不可欠とし「世界のどこにも劣らないレベルの厳しい安全基準を満たした原発を、慎重な手順を踏んで再稼働させる」と表明。英国と原子力技術の開発に取り組む考え」・・・・・・ずかしいー! 「安定的で安いエネルギー」なんてまだ言ってるし!! ドイツに行って何見てきたんだ? おまけに、「世界のどこにも劣らないレベルの厳しい安全基準を満たした原発」って、よく言えたものだ。逆に、3.11以前はそのレベルではなく、「想定不適当事故」などを許してきた自民党の責任を一体どうするつもりなのか。

 CMLに「参議院議員会館で行われた「川内原発の再稼働審査・汚染水問題に関する政府交渉」について、阪上武さん(福島老朽原発を考える会)の報告」が出ています。川内原発をはじめ、こんな状況で再稼働する心算でしょうか? 電力会社によるヤラセ自己評価を、この先に、原子力「推進」委員会原子力「寄生」委員会)が認めたからといって、何なんでしょうか?

   『●無責任の極み:
        「政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」」
   『
●「エレファント・イン・ザ・ルーム」:
               原発再稼働・輸出という、「危険なゾウ」の暴走

   『●東電原発人災対策がお粗末すぎる・・・・・・、
             そして「推進」しか出来ない原子力「規制」委員会
   『●トリチウム、使用済み吸着剤の処理・処分、
                ・・・再稼働や輸出なんてやっている場合か?
   『●原子力「寄生」委員会の審査に通ったからといって何だというのでしょう?


 最後に、「福島第一原発の事故が起きた後も、東京電力以外の各社は基本的に、震災以前の路線を踏襲してきた。だが、自民党が政権に戻っても、事態は電力会社の都合のいいようには動いていない。原発維持を打ち出した安倍政権も、安易な再稼働や電気料金の値上げは国民の反発を招くことを承知しているからだ」。言っちゃぁ悪いが、電力会社の経営者は能無し、センス無し。すぐさま、脱原発に転換すれば、こんな体たらくにならずに済んだはずなのに、経営センスが悪すぎる。特に、東京電力九州電力関西電力。そして、なんと言っても経団連城南信金に学べないダメ経営者。

   『●マガイ物ではないモノもある ~城南信金~
   『●財界の総理大臣はもはや大企業の単なる代弁者
   『●経団連は原発推進・復活の第4案を希望?


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014050201001077.html

原発再稼働、進める方針を明言 安倍首相、ロンドンの講演で
2014年5月2日 08時35分

  (ロンドンの金融街シティーで講演する安倍首相=1日(共同))

 【ロンドン共同】 安倍晋三首相は1日夜(日本時間2日早朝)、ロンドンの金融街シティーで講演し、経済成長の実現に向けて原発再稼働を進める方針を明言した。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)に関し、2015年中の交渉妥結に意欲を示した。

 経済成長のためには安定的で安いエネルギー供給の実現が不可欠とし「世界のどこにも劣らないレベルの厳しい安全基準を満たした原発を、慎重な手順を踏んで再稼働させる」と表明。英国と原子力技術の開発に取り組む考えを明らかにした。
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http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-May/031126.html

[CML 031105] Fw:30日の政府交渉/火山評価・汚染水問題・防災避難計画について
杉原浩司(Koji Sugihara) kojis at agate.plala.or.jp
2014年 5月 2日 (金) 00:29:36 JST

東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党・脱原発担当)です。

[転送・転載歓迎/重複失礼]

4月30日に参議院議員会館で行われた「川内原発の再稼働審査・汚染水問
題に関する政府交渉」について、阪上武さん(福島老朽原発を考える会)の
報告を転送します。火山影響評価、避難計画、汚染水問題と重要テーマの
三本立てでした。

重要な内容ですので、ぜひご一読ください。


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みなさまへ
昨日(注:30日)は政府交渉お疲れさまでした。


◆火山影響評価について

参議院議員会館で参加者は70名ほど。鹿児島、佐賀、福岡、関西、首都圏他か
ら参加がありました。テーマは、川内原発の火山影響評価、汚染水問題、原子力
防災・避難計画の3つですが、そのうち、火山影響評価について簡単にご報告い
たします。


川内原発の火山影響評価については、審査の過程で火山学者が全く関与しておら
、火山学者から懸念の声が上がっている中、こちらからは、有識者会合の開催
しその間は審査を止めるべきではないかという旨の事前質問を出していました。


折しも、交渉の前日の毎日新聞に、規制庁は、再稼働後に有識者会合を開催する
方針だとの記事が流れました。交渉は、再稼働後ではおかしいではないかという
点に集中しました。


規制庁は、地震・津波担当の牧野氏が対応しました。牧野氏の回答は、「外部有
識者に意見を聴くというのは、今後行われるモニタリングの結果に関しまして、
事業者の評価が適切かどうかを判断するの際の規制側の考え方を整理するためで
ございまして、許認可時に求めるものではございません。」というものでした。


しかしこれは、前回4月23日の規制委適合性審査会合で、島崎委員長代理の発
言とは異なります。島崎氏は、「火山学者の、専門家の方を集めていただいて、
議論をする。それを九州電力さんが、設定してやるというのは非常にいいことだ
と思いますが、私どもとしましても、ある段階で、しかるべき検討が必要である
ことは自覚しております。判断基準はあらかじめもっておくということは非常に
重要で、それは大切だと思いますけれど、やはり決める場合にはもう少し慎重な
検討が必要だと思います。」と述べていました。ここで判断基準と言っているの
は、火山活動の兆候を把握した場合の対処を講じるための判断条件のことです。


交渉はまず、破局的噴火について、兆候を把握した場合の対処のための判断基準
が現時点でないことを確認し、新規制基準火山審査ガイドに、兆候を確認した場
合の対処方針を定めることが要求されていることを確認した上で、この判断基準
が定められないうちに再稼働を許すのは、火山審査ガイドに違反しているのでは
ないかと問い質しました。牧野氏は、詳細な判断基準は必要ない、有識者会合は
適合性審査とは別だ、などと繰り返すだけでした。


破局的噴火の兆候の把握については、そもそも核燃料の避難が間に合うようなタ
イミングで把握することそのものが可能かどうかも不明確であり、島崎氏の適合
性審査会合でもまさにそこが問題になっています。


大飯原発の断層問題では、有識者会合を開き、その間は再稼働の申請を受け付け
ませんでした。これに比べても明らかに対応が異なります。法的にも問題がある
対応です。有識者会合の開催とその間の審査の中断については、今後も直接の抗
議、要請、議員へのはたらきかけ、署名などで要求していきましょう。


◆汚染水問題について

こちらが問題にしたのは、各地の原発の再稼働審査における重大事故対策の中
に、福島第一原発でいま問題になっているような汚染水事故を防止するような対
策が含まれていない問題と、現在福島第一原発で問題となっている地下水バイパ
スの問題でした。


重大事故対策については、規制庁PWR担当の布田氏が、汚染水対策として九電が
対策を示しているのは、ガス状の放射能を放水砲で叩き落とした際に出てくる汚
染水をシルトフェンスで防ぐというものだけであること、九電は、格納容器の健
全性は保たれると主張していること、そして、福島第一原発事故で発生している
ような汚染水事故の対策については、審査で検討もしておらず、新規制基準でも
要求していないと回答しました。


福島事故を踏まえて新規制基準が定められ、審査が行われているはずですが、そ
れが守られていないことが明確になりました。


地下水バイパスについては、汚染が昨年8月のタンク漏れに起因する可能性につ
いて問題提起をし、計画を中止するよう求めました。対応したエネ庁の柴田氏
は、関係は不明、今後も注視すると回答しました。


◆原子力防災・避難計画

規制庁の防災担当者は、交渉ははじめてとのことでしたが、それにしても答えら
れずに窮する場面が多すぎでした。


交渉で特に問題になったのが、避難途中で放射線計測と除染を行うスクリーニン
グでした。


規制庁の担当者は、スクリーニングの対処方針については、4月に行われた道府
県との連絡会で、自治体側の意向を受けて改定されたとの説明から入りました。
よく聞くとその資料は非公開だとのこと。即座に公開するように求めました。


スクリーニングの場所については、改定により、30キロ圏の近傍1~2キロの地
点とされたことが明らかになりました。しかし現実には、何百台もの車が押し寄
せる場所の確保が問題です。


川内原発で鹿児島県が昨年実施した避難訓練では、40キロ先の姶良市の高校が避
難先で、その避難先でスクリーニングが行われました。このやりかたではスク
リーニングの対処方針に反することになります。


また、スクリーニングでは、時間を短くするとの理由で、車を測って人を測った
ことにしたり、人を測る場合も代表者だけで済ませてしまおうとしています。こ
れは、避難者の安全確保という点でも、避難先への汚染拡大防止という点でも問
題があります。


代表者をどうやって選ぶのかも問題ですが、4月の道府県連絡会で、自治体側か
ら反発があったようで、地域の実情に合わせて行うことをさまたげないという文
言が入ったとのことでした。事実上代表を任命するやり方はやめにした反面地域
の実情にという形で、責任を自治体に押しつける問題も出てきました。


交渉には、佐賀から、そして玄海原発の避難元となる伊万里市の市議さん、そし
て一部が避難元、一部が避難先になる福岡市の市議さんが参加され、避難先にほ
ぼ同じ人口が避難してくることになっている過密避難の問題(しかもそれが避難
先に伝えられていない!)や風下へ避難することになっている件など、具体的な
問題が示されました。


規制庁は、国は援助をするだけで、所掌ではない、計画を立てるのは自治体だと
逃げ回っていました。では一体避難計画の実行性を誰が検証するのか。問い質し
ましたが回答はありませんでした。


引き続き情報を整理し、連絡をとりあいながら、避難の非現実性をリアルに明ら
かにしていきましょう。


阪上 武
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

電力経営―逆境を「変革元年」に
2014年5月4日(日)付

 電力各社にとっては、旧来の思考法から脱し先を読んで攻めていく力が問われる1年になりそうだ。

 電力会社の今年3月期決算は6社が赤字だった。うち5社は3期連続だ。北海道電力と九州電力は日本政策投資銀行から資本支援を受けることにした。

 福島第一原発の事故が起きた後も、東京電力以外の各社は基本的に、震災以前の路線を踏襲してきた。

 だが、自民党が政権に戻っても、事態は電力会社の都合のいいようには動いていない。原発維持を打ち出した安倍政権も、安易な再稼働や電気料金の値上げは国民の反発を招くことを承知しているからだ。

 ここにきて、新しい規制基準に見合うよう資金を投じても回収の見込みが立たない老朽化原発について、ようやく「廃炉」の選択肢を口にする会社が出始めた。

 日本では今後、小さなトラブルでも原子炉を止めての原因究明と対策とが求められるだろう。もはや原発は「安くて安定的」な電源とは言えない

 社内でも原子力部門以外からは「限られた資源を最新鋭火力や送電網の増強に」との声があがり出している。原発にこだわりすぎると深い傷を負うとの危機感は、厳しい状況を考えれば自然の成り行きだ。

 電力改革が与えるインパクトも大きい。経費をすべて電気料金から回収できる総括原価方式や地域独占が撤廃されれば、いま以上に多くの「変数」を見極めながら戦略を立てる力が不可欠になる。

 兆しはすでに東電管内での動きに表れている。

 自力で新たな発電所をつくれない東電は、他社との提携を進める。国内最大の電力消費地である首都圏が今後は草刈り場になる。

 電力業界だけでなく、国内外のガス会社や鉄鋼メーカー、商社といった異業種も関心を寄せる。電力大手が従来の横並びに甘んじていると、致命的な出遅れになりかねない。

 中部電力や中国電力は、それぞれ関係の深いガス会社や鉄鋼メーカーと組んで名乗りをあげる構えだ。原発依存率が高く、経営が苦しい関西電力がどう出るのか。注目が集まる中、悩ましさは人一倍だろう。

 とはいえ、それらは他の産業が自由化やグローバル化の中で失敗や淘汰(とうた)を繰り返しながら経験してきた道である。

 そんな当たり前の経営へ。逆境の14年度を、ぜひ「変革元年」にしてもらいたい。
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