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●「7人に死刑を執行する前日に乾杯する総理大臣と法務大臣…これがこの国のグロテスクな現状なのだ」

2018年07月10日 00時00分08秒 | Weblog

[※ 森達也さん《事件の教訓 得られぬまま》 (2018年7月7日 朝日新聞)↑]



リテラの記事【まるで公開処刑! オウム大量死刑執行を“実況中継”したマスコミの狂気! 死刑執行に世界からは非難の声】(http://lite-ra.com/2018/07/post-4112.html)。

 〈しかしながら、本件の重大性にかかわらず、EUとその加盟国、アイスランド、ノルウェーおよびスイスは、いかなる状況下での極刑の使用にも強くまた明白に反対し、その全世界での廃止を目指している。死刑は残忍で冷酷であり、犯罪抑止効果がない。さらに、どの司法制度でも避けられない、過誤は、極刑の場合は不可逆である。日本において死刑が執行されなかった2012年3月までの20カ月を思い起こし、われわれは、日本政府に対し、死刑を廃止することを視野に入れたモラトリアム(執行停止)の導入を呼びかける〉。
 《死刑について批判的な言葉を紹介しただけで「お前も死刑だ」と炎上させられる日本の空気は、ファナティックとしか言いようがない》。

   『●「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、 
      ということにされていいの」? 真相・全貌は解明されたか?
   『●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は
        「前夜祭」を催し、死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ
    「TBSの「ニュースバード」によると、ドイツ政府はいち早く、
     この死刑執行およびニッポンの死刑存置に対して抗議の声明を出した」
    「アサヒコムの記事【死刑囚写真に次々「執行」シール 
     TV演出に疑問の声も】…によると、《中島岳志…は…
     「いま行われているのは、死刑のショー化・見世物化に他ならない。
     執行場面だけが不可視化された公開処刑だ」と書き込んだ。…フジは、
     事件に関わった死刑囚の顔写真が並んだパネルを示し、
     執行が済んだ死刑囚の写真の上に「執行」のシールを貼るなどして
     状況を説明》」

   『●「僕が裁判の傍聴で見た麻原は廃人…
      加害者に発言させることは事件を歴史の教訓にするために必要だった」


 ドイツだけでなく他のEU・ヨーロッパ諸国や、国連人権高等弁務官事務所からも批判的な声明が出ました。

 テレビの報道のあり方は酷かった。中島岳志さんが言うように《死刑のショー化・見世物化》。このリテラの記事でも、《それはまるで「中世の見世物」か何かかと思えるほど“ショー化”》と指摘。
 《7人に死刑を執行する前日に乾杯する総理大臣と法務大臣神経を疑わざるをえないが、これがこの国のグロテスクな現状なのだ》。「上川陽子法相…何と表現すればいいのだろう。そして、アベ様…。〝Fanatic〟。彼ら自身がカルト」。当時の報道や社会の暴走と本質的な違いはあるのか?」 その取巻きのネット住人の狂気、まさに〝Fanatic〟な醜い罵り。
 当時の報道や社会の暴走と、いまの暴走に本質的な違いはあるのだろうかか? 有意な差はない様に見えるが…。少なくとも世界の眼は、ニッポンを異様だ、と見ているのでは…。《死刑を廃止した国死刑撤廃国…。これは国連加盟国の3分の2を優に超えるものだ。先進国ではこの傾向はさらに顕著だ》そうだ。政治も三流、いまや経済も、ジャーナリズムも、そして、刑法や倫理までも。

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http://lite-ra.com/2018/07/post-4112.html

まるで公開処刑! オウム大量死刑執行を“実況中継”したマスコミの狂気! 死刑執行に世界からは非難の声
2018.07.08

     (「自由民主党 衆院議員 かみかわ陽子オフィシャルサイト」より)

 オウム真理教教祖・麻原彰晃松本智津夫)元死刑囚ら7人への死刑執行に対し、世界から非難の声があがっている。駐日欧州連合(EU)代表部は、EU加盟国およびアイスランド、ノルウェー、スイスの駐日大使と共同で、死刑執行を受けた声明を発表。〈加害者が誰であれ、またいかなる理由であれ、テロ行為を断じて非難する〉としたうえで、このように呼びかけた。

   〈しかしながら、本件の重大性にかかわらず、EUとその加盟国、
    アイスランド、ノルウェーおよびスイスは、いかなる状況下での極刑の
    使用にも強くまた明白に反対し、その全世界での廃止を目指している
    死刑は残忍で冷酷であり、犯罪抑止効果がない。さらに、どの司法制度
    でも避けられない、過誤は、極刑の場合は不可逆である。日本において
    死刑が執行されなかった2012年3月までの20カ月を思い起こし、
    われわれは、日本政府に対し、死刑を廃止することを視野に入れた
    モラトリアム(執行停止)の導入を呼びかける。〉
    (駐日欧州連合代表部が公表した仮訳より)

 また、国連の人権高等弁務官事務所は、JNNの取材に対し文書で回答。〈死刑は人権上不公平な扱いを助長〉〈他の刑罰に比べ犯罪抑止力も大きくない〉〈麻原死刑囚ら7人の死刑が執行されたことを遺憾〉としているという。

 しかし、こと日本ではまったく逆の空気に覆われている。たとえば、オウム事件を追ってきたジャーナリストで参院議員の有田芳生氏が、執行当日の6日に出演した『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)で、麻原元死刑囚ら7人への死刑執行についての疑問点を述べるなかで、法務省幹部の『(13人の同時執行は)ありませんよ。そんなことをやったらジェノサイドです』という言葉を紹介した。すると放送後、Twitterでは有田氏を中傷するこんな投稿で溢れたのだ。

   〈ジェノサイド?有田も死ねばいいのに〉
   〈あまりにも加害者擁護に怒りさえ覚えた〉
   〈これを「ジェノサイド」と言うのならば有田氏及びミヤネ屋は
    テロ支援団体と言っても過言では無い〉
   〈あんだけ人を殺したら死刑が当然!それを批判するあんたは同罪!〉

 死刑について批判的な言葉を紹介しただけで「お前も死刑だ」と炎上させられる日本の空気は、ファナティックとしか言いようがない。有田氏があらためて本サイトに対してこう語る。

   「『ジェノサイド』というのは、法務省幹部の発言です。
    私が『13人を同時に執行するのですか?』と聞いたところ、
    『ありえない。そんなことやればジェノサイドですよ』と、
    まさしくその言葉がありました。Twitterでも聞き取りに基づいて
    6月2日に書いたメモの内容を公開しています」

 法務省の幹部すら、13人を同時に死刑に処すのは「ジェノサイド」=虐殺だと言っているのだ。死刑制度が誰がどう見ても「国家による殺人」に他ならないでことを考えれば当然の表現であり、7人でもジェノサイドに変わりはない。では、なぜ安倍政権は前例のない同時死刑執行に踏み切ったのか。有田氏は「時期」に着目してこう見立てる。

   「現在、開会中の国会では、安倍政権が推し進めているIR法案
    (カジノ法案)が審議されており、来週には山場を迎えます。また、
    9月には自民党総裁選もある。安倍首相からすれば森友・
    加計学園問題も一段落したと思っているいま、戦後最悪のテロ事件の
    首謀者への刑を執行することで、世間から“毅然とした政権”と受け
    取られての支持率アップも期待していることでしょう。執行後、
    ある法務省関係者は上川法相のことを『死神ですね』と漏らしていました。
    法律専門家の目にもそう映っているということです。まさに政権の思惑を
    強く感じる異常な死刑執行と言わざるをえません」


■先進国で、いまだに国家として積極的に死刑を執行しているのは日本だけ

 もちろん、7人もの同時執行は「ジェノサイド」というべき異常なものだが、本質はその数ではない。冒頭で紹介したように、事実、国際社会は明確に死刑そのものを否定し、多くの国で死刑制度は廃止されている。

 国際NGOアムネスティによれば、2017年末時点で、全犯罪に対して死刑を廃止した国は106カ国、執行を停止した事実上の死刑撤廃国も含めれば142カ国にのぼる。これは国連加盟国の3分の2を優に超えるものだ。

 先進国ではこの傾向はさらに顕著だ。死刑制度撤廃を加盟条件にしているEU加盟国はもちろん、スイス、ノルウェー、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、ウルグアイ、トルコ、イスラエル……。実は、OECD参加35カ国の中で、死刑制度をもつのは、アメリカと韓国、日本のみ。しかも、アメリカはこの10年で死刑執行したのはテキサス州など、一部の州に限られている。韓国は1998年の金大中政権発足以降刑が執行されておらず、2007年にはアムネスティに事実上の死刑廃止国と認定されている。OECD非加盟国では、あのロシアでさえ死刑執行は1996年を最後に停止、その後憲法裁判所も死刑を禁止しており事実上廃止されている。言うなれば、国家として死刑を積極的に執行している先進国は日本だけなのである。

 死刑廃止は国際社会の大きな潮流であることは、まぎれもない事実だ。ところが、日本では全く逆の現象が起きている。繰り返すが、死刑について少しでもネガティブな発言をすると「被害者家族のことを考えろ、お前も同罪だというバッシングが一斉に襲いかかり、世論の死刑を求める声はどんどん大きくなっているのだ。

 なぜか。死刑制度を支持する人たちがまず口にするのは、犯罪が凶悪化しており、抑止のために必要という論理だ。しかし、これはデマに近い。というのも、この20年間の犯罪統計を見れば、凶悪犯罪や殺人事件は明らかに減少傾向にあるからだ。増加しているように見えるのは、厳罰化や予算拡大を狙う法務当局・警察の情報操作と、それを受けたマスコミの過熱報道が原因だろう。

 そもそも、「死刑があればそれを恐れて凶悪犯罪が減少する」という抑止効果論も、「根拠がない」というのが世界の共通認識だ。たとえば、1981年に死刑を廃止したフランスの統計でも廃止前後で殺人発生率に大きな変化はなく1997年12月に1日で23人が処刑された韓国においてもやはりその前後で殺人発生率に違いはなかったという調査報告がなされている。他方、人口構成比などの点でよく似た社会といわれるアメリカとカナダを比較すると、死刑制度を廃止して40年が経つカナダの方が殺人率は低いというデータが現れている。

 だが、日本のマスコミ、とりわけテレビメディアでは、こうした死刑制度の本質を議論することが半ばタブーとなっており、ほとんど正面から扱おうとしない。それどころか、今回の麻原元死刑囚ら7名の執行に際しては、これまで以上に底が抜けた状態としか言いようのない異常な報道が相次いだ

 6日朝、テレビは一斉に死刑執行を速報で伝えたが、それはまるで「中世の見世物」か何かかと思えるほど“ショー化”されていたからだ。


■死刑囚の写真に「執行」シールを次々と貼り付けたフジテレビ

 たとえば、フジテレビの『とくダネ!』では、8時45分に速報で「オウム真理教の教祖 麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚の執行手続を始める 法務省」なるテロップを流した。他局も同様に「麻原死刑囚 死刑執行へ」などと速報した。通常、法務省は刑を執行したのちに発表し、マスコミはこれを受けて報道するもので、今回の報じられかたは異例中の異例だ。

 さらにテレビ各局は、麻原元死刑囚に続いて「執行」に入った死刑囚の名前を次々に速報し、逮捕時の映像等を流した。たとえばフジテレビは9時5分に「7人の死刑執行手続」と打ち、1分おきに「井上嘉浩死刑囚の死刑執行」「中川智正死刑囚の死刑執行」「早川紀代秀死刑囚の死刑執行」などと続けた。

 特別報道番組のなかでも、死刑囚の顔写真に「執行」とのシールを次々に貼り付けていった。その様子はさながら「今からこの人が死刑になりますよ」「たった今死刑になりましたよ」というリアルタイムの実況中継であり、ネットでも視聴者から「まるで公開処刑だ」などの多くの懸念があがった。

 一方で、コメンテーターらの口からは、死刑制度の是非についてはもちろん、麻原元死刑囚ら7人への執行について正面から疑問を投げかける場面はほとんどみられなかった。法務省幹部の「ジェノサイド」発言を伝えた前述の有田氏は極めて稀なケースだったのだ。

 もちろん、マスコミが公権力による刑罰執行の動向を察知し、それを報じること自体に問題はない。しかし、国会による殺人を今か今かと待ち構え、執行された元死刑囚の顔にシールまで貼り付けて行くような姿は公開処刑が行われていた中世のようなメンタリティと変わらないだろう。

 しかも、安倍政権はむしろ、こうした国際社会と乖離した状況を、積極的につくりあげている。事実、前述のとおり、死刑がなされる前に「執行手続が始まった」などとメディアが速報することはこれまで前例がなく、政権側から事前のリークがあったとしか考えられない。また、NHKは死刑執行前の7時ごろ、執行に立ち会う検察関係者と見られる人物たちが東京拘置所に入る模様を撮影、死刑執行後には繰り返しその映像を流していた。前段階で確かな筋からの情報を得ていないとできない行動だろう。

 安倍首相は死刑執行の前夜5日、自民党の宴会に参加。産経新聞によればこの会は上川法相が「女将」役をしており、SNSには安倍首相や自民党幹部らが笑いながら酒を傾ける姿がアップされた。7人に死刑を執行する前日に乾杯する総理大臣と法務大臣神経を疑わざるをえないが、これがこの国のグロテスクな現状なのだ。

(編集部)
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コメント
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●オウム死刑囚大量執行…アベ様や上川陽子法相は「前夜祭」を催し、死刑さへも「サーカス」に使う悪辣さ

2018年07月08日 00時00分55秒 | Weblog


リテラの記事【オウム死刑囚大量執行は口封じか…検察に全面協力していた井上嘉浩死刑囚の変心、再審請求に怯えていた法務省】(http://lite-ra.com/2018/07/post-4109.html)。

 《法務省はこうした井上死刑囚の変化を察知して、井上死刑囚が真実を語る前に、刑の執行を急いだのではないか。そんな疑いが頭をもたげてきたのだ。そして、井上死刑囚だけがクローズアップされないように、複数のオウム死刑囚を一気に執行した…さまざまな謎を残したカルト事件は、事件首謀者たちの“異様な”死刑執行によって歴史の闇へと消え去ろうとしている。いや、国家権力が葬り去ろうとしているのだ》。

   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了
   『●死刑廃止集会
   『●「死刑制度 国民的な議論を活発に」・・・
      「死刑制度存置派驚異の8割の我国」では全くそんな気配なし

   『●「彼を赦したわけではない。
      しかし死刑にして問題が解決するわけではない」

   『●ビンラディン氏暗殺再び
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟
   『●森達也さん『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
                               と叫ぶ人に訊きたい』書評

   『●「殺すなかれ・・・」・・・「彼らを処刑することが「社会正義」なのだろうか」?
   『●2016年報道の自由度ランキング72位: 
       「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
        「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《共謀罪を導入しても、テロが起きる可能性はある。そのときが怖い。
     社会がファナチック(狂信的)になり、メディアや社会も一緒になって
     「もっと捕まえろ」「もっと取り締まれ」と暴走するのではないか。
     オウム事件を取材していた時を思い出す。警察はあらゆる法令を
     駆使して信者を根こそぎ捕まえた。当時、幹部が「非常時だから、
     国民の皆様も納得してくれる」と話していた》

   『●「このまま死刑執行されてオウム事件は終わり、
      ということにされていいの」? 真相・全貌は解明されたか?

 【麻原死刑囚の刑執行 地下鉄・松本サリン首謀 元幹部6人も】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070602000282.html)によると、《幹部六人は、井上嘉浩(よしひろ)死刑囚(48)=大阪拘置所、新実智光死刑囚(54)=同、中川智正死刑囚(55)=広島拘置所、早川紀代秀死刑囚(68)=福岡拘置所、土谷正実死刑囚(53)=東京拘置所、遠藤誠一死刑囚(58)=同。上川陽子法相は同日午後、記者会見し、七人を死刑執行の対象とした理由について「答えを差し控える」と話した》。
 TBSの「ニュースバード」によると、ドイツ政府はいち早く、この死刑執行およびニッポンの死刑存置に対して抗議の声明を出した。

 かつて「死神」「死に神」と言われた法相が居た。〝素人裁判官〟に《死刑のスイッチ》を強制する制度導入のために、《最高検を頂点とする組織ぐるみで広報活動が行われ、検事正が法被を着たり、検察庁職員が幟を持って街頭キャンペーンをやったり、などというお祭り騒ぎが全国で展開され、挙句の果てには、「サイバンインコ」などという珍妙なキャラクターまで登場して、法務大臣がその着ぐるみを着てみせたりもしました。こうした関係者の滑稽とも思える努力》…。さらに、「『●「死に神」どころか』…ここまでノウテンキだったとは…。被害者・被害者家族への思いなど何もなく、死刑執行への懊悩もなく、単なる思いつき!!、とは恐れ入る」…そんな法相だった。
 もう一人、忘れられない法相。飯塚事件での冤罪死刑囚・久間三千年さんを死刑に…「『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」: 無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」』…冤罪者を死刑! 警察・検察・裁判所はどう責任をとるつもりだろうかか? 「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)」、飯塚は麻生太郎氏の「地元」だ。冤罪死刑に係わった者たちは、何の贖罪の気持ちもわかないのだろうか?」
 そして、上川陽子法相…何と表現すればいいのだろう。そして、アベ様…。ヒトデナシ。〝Fanatic〟。彼ら自身がカルト。《もはやこの国の総理はカルト教団の教祖のような絶対的存在となっているらしい》。このリテラの記事によると…《「…ある種の司法取引があった可能性が高い」…だが、今回、井上死刑囚もまた死刑を執行されてしまった。すべてのオウム裁判が終結したことで、もう用無しになったということなのか。もしそうならとんでもない話だが、実はもっとグロテスクな裏があるという指摘もある。それは、今回の死刑執行が法務・検察による口封じだった》。アベ様や上川陽子法相による《口封じ》って、唖然とします。

   『●《もはやカルトだ》…《もはやこの国の総理はカルト教団の教祖のような 
                               絶対的存在となっているらしい》
   『●斎藤美奈子さん「最低限の了解事項や整合性を放棄…液状化
                   …国ごと底なし沼に沈んでいくような気分。」

 東京新聞の記事【なぜ凶行、闇のまま 一審途中から沈黙 麻原死刑囚の刑執行】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070602000272.html)によると、《「全く動かず、普通ではない感じがした」。民主党政権時代に法相を務めた平岡秀夫氏は、就任直後の二〇一一年秋ごろ、東京拘置所で、モニター越しに麻原彰晃死刑囚を見た時の様子を振り返った。この日の死刑執行については「私が見た印象や周囲の情報からすると、執行には違和感がある私だったら、執行しなかっただろうどのような経緯で執行されたのか検証すべきだ」と述べた…弁護団は六人の精神科医に鑑定を依頼し、重篤な拘禁反応などの疑いがある…》。
 真相・全貌は解明されていたのか?

 死刑執行で、何か問題が解決するのだろうか? 《数々の“真相”が永遠に封印》。
 東京新聞の記事【オウム事件の被害者・遺族 「過去にしないで」「もっと話してほしかった」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070602000271.html)によると、《九四年の松本サリン事件で当初、容疑者扱いされた河野義行さん(68)は四月の本紙の取材に「麻原死刑囚は否認しているが、控訴審もしていない真実に迫るためには控訴審が必要だったのではないか。(起訴内容が)本当に事実かと疑問が出ても不思議ではない」と述べた。「命は大切なものだから死刑そのものには反対だ」とも話していた》。

 つぶやき(https://twitter.com/aritayoshifu/status/1015175418783993857)から:

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
有田芳生@aritayoshifu
死刑執行7人(はじめて)。教祖の精神鑑定さえ行わない執行は、事件史に特筆される異常事態です
首相と法相は前夜に宴会でした。壊れものとしての人間。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「前夜祭」を催し、死刑執行さへも「サーカス」に使う悪辣さ。台風や大雨で避難警報や警告は翌日に予想される中での「前夜祭」。その写真に写る面々のニヤケタ顔と酔い加減…。
 日刊ゲンダイの記事【地下鉄サリン事件から23年…オウム麻原彰晃ら7人死刑執行】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/232801)によると、《松本の死刑執行の時期については、かねて安倍政権による“政治利用”の懸念が指摘されてきた。延長国会も大詰めを迎え、「カジノ法案」や「参院定数増法案」などをめぐり与野党対決は必至。一方、サッカーW杯も日本代表の戦いが終わって、世間の耳目が国会に集まるタイミングでの死刑執行。まさか、法務省もモリカケ疑惑を蒸し返されたくない安倍首相の気持ちを忖度したのではないだろうな》…。
 正に、非法治国家…放置国家、アベ様独裁王国。取巻き連中や官僚がアベ様御夫妻のご機嫌伺いの過剰な忖度。よく分からないうちに、麻原氏の取巻き連中が過剰な忖度合戦をしていたと思われるオウム事件と構造としては同じではないのか。

 当時のマスコミの暴走、再び。2018年7月6日も、テレビが大暴走…「吊るせ」、「殺せ」という煽りにしか見えない。あまりに悍ましい。
 アサヒコムの記事【死刑囚写真に次々「執行」シール TV演出に疑問の声も】(https://www.asahi.com/articles/ASL7656K2L76UCVL01H.html?iref=comtop_8_04)によると、《中島岳志・東京工業大教授(日本思想史)は正午前、ツイッターに「いま行われているのは、死刑のショー化・見世物化に他ならない。執行場面だけが不可視化された公開処刑」と書き込んだ。番組内での演出にも注目が集まった。フジは、事件に関わった死刑囚の顔写真が並んだパネルを示し、執行が済んだ死刑囚の写真の上に「執行」のシールを貼るなどして状況を説明》。

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http://lite-ra.com/2018/07/post-4109.html

オウム死刑囚大量執行は口封じか…検察に全面協力していた井上嘉浩死刑囚の変心、再審請求に怯えていた法務省
2018.07.06

     (死刑を執行された麻原彰晃が87年に刊行した
       『超能力「秘密のカリキュラム」』 (健康編))

 衝撃のニュースが飛び込んできた。一連のオウム事件で首謀者として死刑が確定していたオウム真理教教祖・麻原彰晃松本智津夫)死刑囚に死刑が執行され、さらに新実智光、早川紀代秀、井上嘉浩、中川智正、遠藤誠一、土谷正実という計7人の死刑囚にも次々と刑が執行されたのだ。1日に7人もの死刑執行は戦後前例がない

 死刑の是非についてはあらためて別稿で論じたいが、それ以前に問題なのは、一連のオウム真理教事件にはいまだ数々の謎が残っており、それが解明されないまま麻原死刑囚らの刑が執行されてしまったことだ。

 これについては、被害者遺族からも疑問や謎をもっと解明してほしかったという声が上がっているほどだ。

 たしかに、政権にとって今年の死刑の執行は最良のタイミングだった。来年には天皇の退位、新天皇の即位と祝賀行事が続く。再来年は東京オリンピックがあり、国際社会の注目も高まるなか死刑を執行すれば国際的に強く批判されることになる。だから“今年中に”ということは既定路線だったはずだ。

 しかし、それでも、こんなにすぐに、オウム事件の死刑囚13人中7人を一気に執行するというのは異常としか言いようがない。

 しかも、13人の死刑囚のうちなぜこの7人が選ばれたのかもまったく不明だ。たとえば初期の坂本弁護士一家殺害事件の死刑確定囚からはじめたというわけでもなければ、全員が日本最悪のテロ事件である地下鉄サリン事件の確定死刑囚ということでもない。また死刑の確定順かといえば、そうではない。これについて本日午後行われた上川陽子法務大臣の会見でも説明さえなかった

 オウム事件に詳しい複数のジャーナリストや司法記者に訊いても、何が基準かについては、首をひねるばかりだ。「なんとなく知名度の高い受刑者を選んだだけではないのか。国民栄誉賞の人選じゃあるまいし」と語る記者もいたほどだ。

 しかし、もしかしたらこうした疑問を解く鍵になるかもしれない事実がひとつだけある。それは、7人のなかに井上死刑囚が含まれていたことだ。

 井上死刑囚といえばこれまでの一連のオウム裁判で、検察のシナリオに沿って、検察の都合のいい証言を続けてきた“最重要人物”だ

 たとえば、17年間の逃亡の末逮捕された高橋克也受刑者は地下鉄サリン事件や目黒公証役場事務長拉致監禁致死事件の関与に関して、「サリンとは知らなかった」「被害者の仮谷清志さんに注射を打つことも知らなかった」と主張したのに対し、井上死刑囚は「サリンを撒くから運転手をするように」「仮谷さんが暴れないようにクスリを打って眠らせることを高橋被告に確認した」と有罪の根拠になる重要な証言をしている。だが一方で井上死刑囚は逮捕当時「(仮谷さんの注射について)高橋は知らなかった」とまったく逆の供述をしていたのだ。

 さらにこの際、麻酔薬を投与した中川死刑囚から「ポア(殺害)できる薬物を試したら死んだと聞いた」とも証言しているが、中川死刑囚はこれを否定。さらにその場にいた元医師の林郁夫受刑者も「井上証言はあり得ない」と証言している。それだけでなく殺害された仮谷さんの長男でさえ、中川死刑囚の殺害示唆を「信じがたい」と井上証言に疑問を呈したほどだ。

 また井上死刑囚は、宗教学者のマンション爆破などが問われた平田信受刑者の裁判においても、事件前に平田受刑者に「これから『やらせ』で爆弾をしかけると言った記憶がある」と事前共謀、計画があったことを証言し、「何も知らなかった」と主張する平田受刑者と対立している。

 平田受刑者はともかく、すでに死刑が確定していた中川死刑囚が、殺意を否定するという嘘をつく理由はない。一方の井上死刑囚は、数々のオウム裁判において「これまで誰も知らなかった」新証言を不自然なまでに繰り出し、多くのオウム被告たちを“より重罪”へと導いていったのだ。


検察のストーリーに乗った証言でオウム信者を重罪に導いてきた井上嘉浩

 
井上証言のなかでもとくに大きかったのが、地下鉄サリン事件における麻原死刑囚の関与の証拠とされた、いわゆる「リムジン謀議」についての証言だった。

 地下鉄サリン事件の2日前の1995年3月18日、麻原死刑囚は都内の飲食店で会食後、井上死刑囚、村井秀夫、遠藤死刑囚ら幹部を乗せたリムジン内で、公証役場事務長拉致をめぐるオウムへの警察の強制捜査を阻止するために地下鉄にサリンを撒くことが提案され、麻原死刑囚もそれに同意したとされる。これが麻原死刑囚の地下鉄サリン事件関与の証拠となったが、しかし、それを証言したのは井上死刑囚だけだった。

 逆に、この井上証言がなければ、麻原死刑囚を有罪とする法的根拠はなかったとの見方もある

 数々のオウム裁判で「これまで誰も知らなかった」新証言を不自然なまでに繰り出し、多くのオウム事件の被告たちを“より重罪”へと導いてきた、井上死刑囚。だが、他のオウム被告たちの証言はことごとく食い違っており、検察が公判を維持するために描いたストーリーに無理やり沿っているとしか思えないものだった。

 そのため、井上死刑囚と検察との関係をめぐっては、さまざまな疑惑がささやかれてきた。長年オウムの取材を続けてきた公安担当記者の多くもこんな見方を述べていた。

 「井上死刑囚の取り調べの過程で、検察はオウムへの帰依や洗脳を捨てさせる一方で、逆に検察への逆洗脳を誘導したとみられています。その後、井上死刑囚は、まるで“検察真理教”となったがごとく、検察にとって有利な証言を繰り返し、“有罪請負人”の役割を果たしてきた。オウム事件は多くの信者が関わり、その役割は物証ではなく彼らの証言に依存せざるを得なかった。そしてその見返りとして、ある種の司法取引があった可能性が高い

 実際、井上死刑囚は、一審ではオウム事件で死刑を求刑された者のなかで唯一、無期懲役の判決を受けている。結局、二審では死刑判決に変わるが、それでも、執行を遅らせる、すぐには執行しないなどというような暗黙の取引があったのではといわれていた。

 だが、今回、井上死刑囚もまた死刑を執行されてしまった。すべてのオウム裁判が終結したことで、もう用無しになったということなのか

 もしそうならとんでもない話だが、実はもっとグロテスクな裏があるという指摘もある。それは、今回の死刑執行が法務・検察による口封じだったというものだ。


■井上が再審請求をした日に7人の死刑囚を執行準備のため移送

 前述したように、検察のストーリーに沿って、多くのオウム被告たちを“より重罪”へと導いてきた井上証言だが、その証言内容については、根本から再検証すべきではないかという声があがっていた。

 とくに大きかったのは、3年前、当の司法からも井上証言に疑問符がつけられたことだ。2015年11月、17年間の逃亡の後逮捕された菊地直子氏は、一審では実刑判決だったものが一転、高裁で無罪となる。その際、一審有罪の根拠となった井上死刑囚の証言の信用性についても、高裁は「(井上証言は)不自然に詳細かつ具体的で、信用できないとして認めなかったのだ。

 数々のオウム裁判の方向性を決定づけてきた井上証言の信用性に疑問符がついたことで、司法界やジャーナリストのあいだでも、その他のオウム事件についても再検証が必要ではないか、という声が高まっていた。

 そして、井上自身にも大きな姿勢の変化が現れていた。今年3月14日、まるでそういった動きに呼応するように、自らの事件について再審請求をしていたのだ。弁護人によると「死刑を免れたいわけではなく、事実は違うことを明らかにしたい」と語っていたという。

 そのため、一部では井上死刑囚が再審で、検察のストーリーに沿って虚偽の証言をしていたことを自ら認め、真実を語るのではないかという声があがっていた。

 もちろん、井上死刑囚が再審でこれまでの証言を翻しても判決は変わらない。しかし、もし本当にそんなことになったら、それこそ、麻原死刑囚はじめ、他の死刑判決の信用性が根底からひっくり返り検察と裁判所はメディアから大きな批判を浴びることになる。また、再審は阻止しても、もし井上死刑囚が本当にそう考えているなら、メディアにそのことを語る可能性もあった。

 法務省はこうした井上死刑囚の変化を察知して、井上死刑囚が真実を語る前に、刑の執行を急いだのではないか。そんな疑いが頭をもたげてきたのだ。そして、井上死刑囚だけがクローズアップされないように、複数のオウム死刑囚を一気に執行した。

 麻原死刑囚以外の6人の死刑囚が執行準備のために一斉に東京拘置所から各地の拘置所に移送されたのは、井上が再審請求をした3月14日のことだったこれはたんなる偶然だろうか

 もちろん、これらの見方は推測の域を出ない。しかし、タイミングは偶然だったとしても、今回の死刑執行によって、一連のオウム裁判の鍵を握っていた井上が真実を語る機会がつぶされ、井上死刑囚と検察の取引疑惑や、地下鉄サリン事件での「リムジン謀議」をはじめとする数々の“真相”が永遠に封印されてしまったことには変わりはない。

 さまざまな謎を残したカルト事件は、事件首謀者たちの“異様な”死刑執行によって歴史の闇へと消え去ろうとしている。いや、国家権力が葬り去ろうとしているのだ

(編集部)
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●『思考停止社会 ―「遵守」にむしばまれる社会―』読了(2/3)

2010年02月14日 14時01分37秒 | Weblog

郷原信郎著、思考停止社会 ―「遵守」にむしばまれる社会―

 上手く理解できない部分・・・。「二〇〇六年の前半、「史上最強の捜査機関・東京地検特捜部」が、堀江貴文と村上世彰という二人の「時代の寵児」に対して行った「劇場型捜査」は日本中を興奮の坩堝(るつぼ)に巻き込みました。・・・。検察が主体となって企業や証券市場に関連する経済犯罪を行うことの怖さを思い知らされたためか、その後三年以上、特捜警察による経済犯罪の摘発で目立ったものはありません。/一方で・・・消極姿勢をとっていることで、証券市場の公正を害し、一般投資家の利益を著しく損なう、悪質な証券犯罪が野放しになりかねない状況が生じています」(pp.78-79)。
 
やはり、裁判員制度には非常に大きな問題が。「・・・強盗のような伝統的な犯罪に対しては適切に対応できても急激に変化する経済社会の中で起きる経済犯罪や企業買収などに対して、適切な判断を維持していくことは極めて困難です。/・・・/この状況を打開するためには経済分野の事件の判断に関して検察、裁判所の組織を市民に開かれたものにしていくしかありません。司法制度改革の対象として、まず取り組まなければならないのは、経済司法の分野なのです」(pp.84-85)。「殺人、強盗致死などの伝統的な重大犯罪だけに市民を参加させようと裁判員制度は、司法制度の改革としてまったく方向を誤ったものと言わざるを得ないのです」(p.86)。

 
「市民が、被告人が死刑無期懲役かを判断する心理的重圧にさらされることです。それは、職業裁判官にとってすら、とてつもなく重いものです。・・・市民がそのようなとてつもなく重い重圧にさらされるのが、裁判員制度なのです」(pp.92-93)。ヨーロッパ型参審制とアメリカ型陪審制の「両者を混ぜ合わせて妥協した結果、・・・世にも稀な国民の司法参加制度が出来上がったのです」(p.95)。「最高検を頂点とする組織ぐるみで広報活動が行われ、検事正が法被を着たり、検察庁職員が幟を持って街頭キャンペーンをやったり、などというお祭り騒ぎが全国で展開され、挙句の果てには、「サイバンインコ」などという珍妙なキャラクターまで登場して、法務大臣がその着ぐるみを着てみせたりもしました。/こうした関係者の滑稽とも思える努力・・・」(p.96)。その法務大臣は「死神」と揶揄されたりした、現首相の弟である。
 
公判前手続きや裁判員の就業予定期間など、「そのような中途半端な状態で有罪か無罪かをきめたりすること自体が大きな問題になるでしょう。・・・/・・・ラフジャッジ粗雑司法)の恐れを生じさせます」(p.98)。
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●『創 (9・10月号)』読了

2008年10月31日 07時56分25秒 | Weblog

『創 (2008910月号)』、9月に読了。

森達也さん『極私的メデェア論』第36回「「死神」騒動」。朝日新聞コラム「素粒子」と鳩山元法相との一連の騒ぎ。オウム関係者の文章を引用したこの森さんの文章に対して、とあるジャーナリストが森さんへ罵声。翌月の『 (200811月号)』にその経緯が。

斎藤貴男さん『「非国民」のすすめ』第38回「学生運動への相次ぐ弾圧」。連載タイトルは、本と同じ名前なのに今更ながら気づく (1)
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