夕刊フジの記事。
そうか、死んでいるのか。2014か。
「個性派俳優として知られた名バイプレーヤー、蟹江敬三が死去して、はや10年。テレビ俳優と思われがちだが、もとは舞台出身。今回は出演した映画を中心に、その業績をしのびたい。
1944年10月、東京都江戸川区小松川で生まれた江戸っ子だ。彼が俳優になったのは、都立新宿高校在学中にふとしたことで舞台に立ったことからだ。
彼はその風貌に似合わず(失礼)とてもシャイで内気な青年だった。それが、いざ人前に立ってみると快感に襲われた。それが忘れられず俳優を目指すことになった。
「子供時代からおとなしすぎて人前に出ていくことができなかった。そのコンプレックスが今でもある」と本人が週刊誌のインタビューで語っている。だからこそ「悪役や犯人に憧れた」と明かしている。「社会から逸脱した自分とは全く違う芝居の世界で体験してみたかった」とも。逆もまた真なりということか。
当初は悪役や汚れ役が多かった。その例がチンピラや日活ロマンポルノでのレイプ犯など。役柄のせいで小学生の息子がいじめにあったというから笑えない。商売とはいえ因果な人生だ。
それが「熱中時代」以降、ベテラン刑事や気のいいオヤジといった世間受けする善人役が増えていく。さて本題。
67年にNET(現テレビ朝日)で全26話で放送された「あゝ同期の桜」(全26話)は、神風特別攻撃隊で若くして散った海軍飛行兵の話だ。
1話完結で西村晃がナレーションを担当。毎回主演が違った。原作は海軍飛行予備学生14期による遺稿集「あゝ同期の桜 帰らぬ青春の手記」(毎日新聞社刊)。放送は大反響となり、これを東映が映画版として製作したものが本作。メガホンは中島貞夫が取った。
主演は高倉健だが、むしろ松方弘樹、千葉真一、夏八木勲らともいえる。原作と同じ14期生の鶴田浩二も陣之内大尉役で出演を快諾。千葉は「夢にまで特攻隊が出てくる」といって喜んだらしい。蟹江は不破少尉役を演じる。
戦争に疑問を持つ松方や千葉に対して、保守的な蟹江は怒る。鶴田や高倉は板挟み。その対立が顕著に出ている。出演シーンはそれほど多くないが、蟹江の立ち位置がはっきりしていてよくわかる。映画もヒットし、国内興行成績第7位を記録した。 (望月苑巳)
■蟹江敬三(かにえ・けいぞう) 1944年10月28日生まれ、東京都出身。2014年3月、胃がんのため69歳で死去した。テレビ、映画での出演多数。「人間だったらよかったんだけどね~」のせりふが流行した「日刊アルバイトニュース」のCMや、「Gメン’75」の凶悪犯・望月源治役、「あまちゃん」の祖父役などで知られる。」
一番は、脇役でも鬼平犯科帳の、盗賊から、鬼平の手下役がいい。
鬼平の配下は、面白かった。
多くが、あの世。
鬼平も、あの世。
鬼平と江戸屋猫八と美味いもの食う、場面はいい。
江戸の美味いもの、食う場面がいい。