三年前。
火星も、遠い。
「7年前世界で初めて小惑星の微粒子を地球に持ち帰ることに成功し、日本中を沸かせた小惑星探査機の初代「はやぶさ」。この「はやぶさ」の後継機として3年前に打ち上げられた「はやぶさ2」についてJAXA=宇宙航空研究開発機構は地球と火星の間にある目標の小惑星「リュウグウ」に到達するまであと1年に迫ったと発表しました。「はやぶさ2」が挑むのは、小惑星から生命の起源に迫る手がかりとなる岩石を持ち帰るという壮大な任務です。初代に続く大きな成果を持ち帰ることができるのか。今後迎える、小惑星着陸という最大の難関を前に研究チームは入念な準備を進めています。
ギネス世界記録には「世界で初めて小惑星から物質を持ち帰った探査機」として認定され、成果を披露する展示会には老若男女が詰めかけました。
この初代「はやぶさ」の後継機として3年前に打ち上げられたのが「はやぶさ2」です。
ニュース画像
小惑星から生命の起源に迫る手がかりを持ち帰る壮大な任務を負う「はやぶさ2」について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は今月12日会見し、地球と火星の間にある目標の小惑星「リュウグウ」到達まであと1年に迫ったと発表しました。
ニュース画像
はやぶさは、現在、秒速およそ30キロという超高速で飛行しながら、「リュウグウ」までおよそ3000万キロに迫っているということで順調にいけば、来年6月から7月ごろ「リュウグウ」まで20キロという至近距離に到達し、その後、1年半とどまる予定です。
生命の起源に迫る
「リュウグウ」は、なぜ生命の起源に迫る手がかりとなるのでしょうか。
それは「リュウグウ」の中に46億年前の太陽系が生まれたころにあった水や有機物がいまでも残されている可能性があると考えられているからです。
ニュース画像
実は、私たち人間も含めた地球上の生命につながる物質は地球にぶつかった小惑星からもたらされたのではないかとする説があります。水や有機物の存在が指摘されている小惑星のうち、現在の技術で探査が可能なのは「リュウグウ」のみで、「はやぶさ2」の探査によって水や有機物を含んだ岩石が見つかれば生命の起源にも迫れる可能性があると期待されているのです。
待ち受ける最大の難関
しかし、「リュウグウ」の探査は容易ではありません。
前回、初代「はやぶさ」が到達した小惑星「イトカワ」は、地球からレーダーによる観測ができたため、その形状や表面にある凹凸などについてもある程度把握できていました。
ところが「リュウグウ」はレーダー観測ができない位置にあり、わかっているのは直径およそ900メートルという大きさと自転の周期で、表面の形状や温度、自転軸の傾きなどはほとんどわかっていないのです。仮に巨大な岩が集まっている場所に着陸すれば、「はやぶさ2」の本体や太陽光パネルが損傷したり電波が通らず、地上との通信が出来なくなるおそれがあり計画の継続に重大な問題を引き起こす事態も考えられます。
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入念に準備を
機体の損傷リスクを最小限に抑えながら、研究に役立つサンプルを採取できるポイントをどう選び出すのか。カギを握るのが、「はやぶさ2」の観測機器です。
まずは「光学航法カメラ」。「リュウグウ」に20キロまで近づいた段階で、撮影したデータを地球に送り、表面の凹凸などを地上で即座に分析し、岩の分布なども把握します。
「LIDAR」と呼ばれる、レーザー高度計は、探査機から地表までの距離などを正確に計測します。
「TIR」という赤外線による観測からは地表の温度などをもとに地面を覆っているのが砂か岩石かなどを分析します。
「NIRS3」という機器では小惑星に反射した光を分析し、水を含んだ岩石の分布などを調べることができます。
現在、国の内外の研究者100人が参加して、疑似画像データを基に短期間で「リュウグウ」の詳細な立体画像を作り着地ポイントを選ぶシミュレーション訓練が続けられているということです。
シミュレーションの担当者の石原吉明研究開発員は「はやぶさ2がリュウグウに到着すれば、時間的余裕が全くない中で次々と重要な判断をしなければならない。訓練は非常に重要です」と言います。
」
一年か、火星の写真が、見える。
いや、「リュウグウ」の惑星か、星。
太陽系の内容が、見えるのか。
面白い。
火星も、遠い。
「7年前世界で初めて小惑星の微粒子を地球に持ち帰ることに成功し、日本中を沸かせた小惑星探査機の初代「はやぶさ」。この「はやぶさ」の後継機として3年前に打ち上げられた「はやぶさ2」についてJAXA=宇宙航空研究開発機構は地球と火星の間にある目標の小惑星「リュウグウ」に到達するまであと1年に迫ったと発表しました。「はやぶさ2」が挑むのは、小惑星から生命の起源に迫る手がかりとなる岩石を持ち帰るという壮大な任務です。初代に続く大きな成果を持ち帰ることができるのか。今後迎える、小惑星着陸という最大の難関を前に研究チームは入念な準備を進めています。
ギネス世界記録には「世界で初めて小惑星から物質を持ち帰った探査機」として認定され、成果を披露する展示会には老若男女が詰めかけました。
この初代「はやぶさ」の後継機として3年前に打ち上げられたのが「はやぶさ2」です。
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小惑星から生命の起源に迫る手がかりを持ち帰る壮大な任務を負う「はやぶさ2」について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は今月12日会見し、地球と火星の間にある目標の小惑星「リュウグウ」到達まであと1年に迫ったと発表しました。
ニュース画像
はやぶさは、現在、秒速およそ30キロという超高速で飛行しながら、「リュウグウ」までおよそ3000万キロに迫っているということで順調にいけば、来年6月から7月ごろ「リュウグウ」まで20キロという至近距離に到達し、その後、1年半とどまる予定です。
生命の起源に迫る
「リュウグウ」は、なぜ生命の起源に迫る手がかりとなるのでしょうか。
それは「リュウグウ」の中に46億年前の太陽系が生まれたころにあった水や有機物がいまでも残されている可能性があると考えられているからです。
ニュース画像
実は、私たち人間も含めた地球上の生命につながる物質は地球にぶつかった小惑星からもたらされたのではないかとする説があります。水や有機物の存在が指摘されている小惑星のうち、現在の技術で探査が可能なのは「リュウグウ」のみで、「はやぶさ2」の探査によって水や有機物を含んだ岩石が見つかれば生命の起源にも迫れる可能性があると期待されているのです。
待ち受ける最大の難関
しかし、「リュウグウ」の探査は容易ではありません。
前回、初代「はやぶさ」が到達した小惑星「イトカワ」は、地球からレーダーによる観測ができたため、その形状や表面にある凹凸などについてもある程度把握できていました。
ところが「リュウグウ」はレーダー観測ができない位置にあり、わかっているのは直径およそ900メートルという大きさと自転の周期で、表面の形状や温度、自転軸の傾きなどはほとんどわかっていないのです。仮に巨大な岩が集まっている場所に着陸すれば、「はやぶさ2」の本体や太陽光パネルが損傷したり電波が通らず、地上との通信が出来なくなるおそれがあり計画の継続に重大な問題を引き起こす事態も考えられます。
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入念に準備を
機体の損傷リスクを最小限に抑えながら、研究に役立つサンプルを採取できるポイントをどう選び出すのか。カギを握るのが、「はやぶさ2」の観測機器です。
まずは「光学航法カメラ」。「リュウグウ」に20キロまで近づいた段階で、撮影したデータを地球に送り、表面の凹凸などを地上で即座に分析し、岩の分布なども把握します。
「LIDAR」と呼ばれる、レーザー高度計は、探査機から地表までの距離などを正確に計測します。
「TIR」という赤外線による観測からは地表の温度などをもとに地面を覆っているのが砂か岩石かなどを分析します。
「NIRS3」という機器では小惑星に反射した光を分析し、水を含んだ岩石の分布などを調べることができます。
現在、国の内外の研究者100人が参加して、疑似画像データを基に短期間で「リュウグウ」の詳細な立体画像を作り着地ポイントを選ぶシミュレーション訓練が続けられているということです。
シミュレーションの担当者の石原吉明研究開発員は「はやぶさ2がリュウグウに到着すれば、時間的余裕が全くない中で次々と重要な判断をしなければならない。訓練は非常に重要です」と言います。
」
一年か、火星の写真が、見える。
いや、「リュウグウ」の惑星か、星。
太陽系の内容が、見えるのか。
面白い。