「視線が合う」って、実はスゴい事なんじゃないかって思うんですよ。
まぁ聞いてください。まぁ、聞いてください。
そもそも「視線」というものは、瞳孔から一直線にのびていて、その直線上にあるものを「対象」として捉えるわけですよ。つまりピントが合うわけです。「視界」が“面”を意味するのに対して、「視線」はズバリそのまま“線”を意味しているのです。
目標に対し「視線を向ける」だけならば向けるだけで十分なのですが、「視線が合う」ためにはもう一つ重要なファクター、すなわち「相方」の存在が必要となってくるのです。
考えてください。考えてください。「視線が合う」という事を。
「視線」は上下左右360度の範囲を自由に動けます。見回す事ができるのです。相手も同じく、360度を見回せる目、視線を持っています。もしも視線が「のびる」だけのものであったならば、「視線が合う」という状況はきわめて起こりがたい、確率の低いものとなっていたでしょう。
では、本来ならば実現困難ともされるべきこの現象を、日常茶飯事たらしめている要因は何か?「視線が合う」ための切り札、それは視線を「送る」という事なのです。
無論、視線は目を向けた対象に送られます。その感覚は動いているもの、変化しているものに対して特に鋭敏になり、そういった対象には自然と目が向くものなのです。そう、ヒトの「目の動き」に対しても。
そのような対象を目にした場合、私達はそれを目に留めます。意識するわけでもなく、じっと、見てしまうのです。でも不思議な事に、見るときに無意識でも、視線を外すときには意識が働くんですよね。
「視線を送る」という行為は、視線に電気を流すようなものです。そして、ちょうど互いのアンテナが電波を受信しあい、繋がりあうという状態が「視線が合う」という事なのです。そう、繋がりあう。
“なにか”を探し求めるもの同士が、やがて磁石のようにひかれ合う、そんな少しロマンチックなやり取りが「視線が合う」という現象の中には、垣間見える。ステキじゃないですか。
まぁ簡単に言うと、
知らない人と目が合うのってメッチャ嫌だな、って事です。
あれは一瞬の事ですが、ホント死にたくなる。
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