どのようなスパンで評価すべきか

2010-03-19 16:58:12 | 雑感
ここ5,6年,「今置かれた状況」の捉え方に変化が生じていて(もちろん意識的に変えるようにしてきたのだが),これがいい結果につながることが多いような気がしている。

どういうことかというと,人生山あり谷ありは当然で,下手すれば谷の時間が妙に長くなってしまうことも珍しくない。問題は,このとき「谷だ」と思うだけでは人生は好転しないということに気がつかなければならないという点である。

大体,何故「谷だ」「ついていない」と「評価」してしまうのかというと,実は理由は簡単で,短いスパンで物事を評価してしまうからである。これを,もっと長い目で評価してみたらどうだろう。「ついていない」はずの出来事が,「実はあの時がターニングポイントだった」「もしあの時ああなっていなかったら大変なことになっていたかも」となることも多いのである。

答案練習会で考えてみよう。ある回のテストでボコボコになったとしよう。当然気分悪いし凹むしイライラするに決まっている。その際,「今回の試験の出来具合」という短いスパンで評価しようとすると単に嫌な思いをしただけ,ということになる。

しかし,自分に重大な問題があることに気が付き,それに対応することによって本試験で「助かった!」となればどうだろうか。本試験までのスパンで考えれば,「ああ,良かった」となるはずだ。

物事大体こんなこんな感じなのだ。長生きしてくると分かる(笑)。個人的には,「4年で一回り」と考えるようにしている。要は個々の出来事の評価は,4年くらいしないと何ともいえんだろう,という考えである。「底」だと思ったら,一気に上昇に転化する起爆剤だった,なんていくらでもある。そして大事なのは,その「底」当時ネガティブに過ぎると,起爆剤にすることができないで終わってしまうということである。「将来に向けて何かしら意味があるだろう」くらいに捉えていないと,「嗚呼,俺は不幸だ,ついてない」となって,本来「底」だったはずが,二番底・三番底が続きかねないのである。

大事なのは「ついてねーな。」と感じたら,「ま,なんか意味があるに違いない」と「同時に」考えるということである。「ついてない」という感情を否定する必要は無い。短絡的にはついていないのは(少なくとも主観的には)間違いないのだから,これを一生懸命否定しても仕方がないし無駄である。でもそれは一過性の判断であって結論付けてはいけないということである。「なんか調子悪いや」と思うと同時に,「でも何か意味があるに違いない」と思うことが大切だと思う。そうすると不思議に「まぁ,頑張ろうかな」,という気になるものである。

お試し下さいませ。
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高裁Round シリーズ第7戦

2010-03-18 18:05:43 | 司法試験関連
第7戦 違憲 @名古屋

違憲が4件,違憲状態が2件,合憲が1件となりました。

厳しい(正しい)判断がまだまだ続くことを祈りましょう。
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やるなIBM

2010-03-18 12:58:51 | 司法試験関連
豪快な話。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100318-00000504-san-soci

『コンピューター製造販売大手「日本アイ・ビー・エム」(日本IBM、東京都中央区)の企業グループが、東京国税局の税務調査を受け、平成20年12月期までの5年間で、4千億円超の申告漏れを指摘されていたことが18日、分かった。法人税の追徴税額は300億円以上とされ、申告漏れ額は過去最大規模とみられる。日本IBM側は争う意向を示している。

 業界関係者によると、日本IBMの親会社「アイ・ビー・エム・エイ・ピー・ホールディングス」(APH、同区)は平成14年ごろ、米IBMから日本IBMの全株(約2兆円相当)を購入。その後、株式の一部を購入時より安く日本IBMに売却した結果、20年12月期までの5年間で4千億円超の赤字を計上したとされる。

 APHは20年から子会社を含むグループの所得の損益を合算して申告・納税する連結納税制度を導入しており、同年は日本IBMの黒字がAPHの赤字と相殺されたことでグループの法人税納税額がゼロになったという。

 こうした税務申告に対し、国税当局は、APHは企業としての実態が乏しく、自社株取引で赤字を作り出し、連結納税制度と組み合わせて意図的に税負担の軽減を図ったと判断。その結果、4千億円超の赤字計上は認められないとし、赤字と相殺された日本IBMの所得約1千数百億円に対し、300億円超の追徴課税処分を行ったとみられる。』


要は,APHが意図的に安く日本IBM株式を日本IBMに売却,「損失」を作り出して計上し,そのマイナス分を日本IBMのあげた利益と相殺して,グループとしての利益を0にし法人税課税を免れた,というのが国税当局の理解なんでしょう。

連結納税制度の制度趣旨は恐らく以下のとおり。
法人別に課税はなされるのが原則ですが,分社化の傾向が強まった場合妙なことになります。単純化すると,A部門とB部門が1つの会社内に設置されていれば,A部門が100億円の利益をあげ,B部門が50億円の損失を出した場合,当然その会社の利益は,100億-50億円となり,50億円をベースに法人税課税がなされます。ところが,分社化した場合,子会社Aは100億円の利益をあげたことになり,100億円をベースに法人税課税がなされてしまいます。子会社Bは利益を計上していないので赤字決算という事で終わりです。

この結論はいかにも形式論で奇異な感じがします。特にグループが事実上1個の会社として評価できるだけの一体性がある場合には殊更変な感じがします。そこで連結決算を認める意義が出てくる。日本で導入された背景はグループ企業内に赤字会社が続出した経済事情を受けてのものでしたが,本質的には以上のようなものだと思います。

またこうしないと,ペーパーカンパニーを作って,形の上では損失を全てその会社に移転し,本体は黒字であるかのような粉飾決算が可能になってしまいます。この場合投資家が,この会社の経理状況は問題ないと踏んで投資してしまう危険性が出てきます。

このような背景があって導入された制度なので,当然何でもかんでもグループ企業だからといって連結納税制度が利用できるわけではありません。税制度の大原則はあくまでも法人別課税です。連結納税制度は法人格基準ではなくグループ基準で課税するという例外になりますから,例外を認めるだけの説得力が必要です。そこで日本では,グループではあるが,事実上1個の企業と評価できるだけの「一体性」がなければならない,とされています。実際に,株式は100%持ち合いでなければ駄目なようです(趣旨からの論証になってますね)。

だとすると本件はどう評価されるのでしょうか。国税当局は「制度の濫用」と見たわけです。IBMとしては,APHが米国IBM本社から日本IBMの全株式を購入した後,短期間で当該株式の一部だけを日本IBMに購入価格より安い価格で売却した行為の正当性(経済的合理性)を説明できなければ負けるでしょう。税務当局は実務上,「経済的合理性」基準でものを見ます。いわゆる「経費」として認められるかどうかも「経済的合理性」の有無で判断されます。この合理性判断は,金額の多寡により厳しくなったり緩くなったりします。グループ企業内で,多少の「節税」を狙って「損失」が出るような「取引」をすることが全て駄目だ,というわけではありません。そこまで当局も鬼じゃない。また実際にそういう一見「不自然な」取引をせざるを得ないケースもある。

しかし今回は,さすがに金額がでかすぎた。国税当局も4000億円の「節税」は見逃せないと考えたのでしょう。税務実務は実際問題,問題となっている金額で対応の厳しさが決まってきます。ぶっちゃけちゃえば「小額」について一々チェックなんてしてられない。税務調査を全部やってたらきりが無いしコスト面で問題がある。そこで,「ああ,それでいいよ」となる。でも本件は「そうだね」とは言えないでしょう。素人が見たって,意図的に不自然な取引をしたと評価したくなります。制度の「濫用」との評価がなされるのも止むを得ない。IBMとしては審査請求をして,経済的合理性を主張するのでしょうが,正直厳しいような気がします。大手弁護士事務所がついて,当局と死闘ということになりそうですね。

この「スキーム」,どこかの法律事務所が入れ知恵したんですかね(笑)事実関係が詳らかではないですが,実際にはもっと複雑な動かし方をしているかなぁ。本当にこんな単純なスキームだったら,さすがにちょっと素直すぎる,という感じがしないでもないですね。


あ。  ちなみに私は租税法選択ではないので悪しからず(笑)。全て私見です。

連結納税制度に付き正確に知りたい人は,
http://yokosuka.jp/kkjm/hjn/b/hjn-b0301.htm
か国税庁のhttp://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/1282/index.htm を。
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教育成果を司法試験の合格者数で評価するのは不適切との考えがあった。

2010-03-17 14:02:27 | 司法試験関連
認証評価の判定基準に以下の基準が加味されるそうです。
①評価基準の項目に「修了した者の進路(司法試験の合格状況を含む)」。
②入試成績が悪くても学生を入れる大学院もある状況を改めるため、「入学者の適性の適確かつ客観的な評価」。

②は完全に余計なお世話のような気がしますがどうなんでしょう。実力不十分なら卒業させなきゃ言いだけの話じゃなかろうか。 また,かつてのハーバード・ロースクール(JDの方)で見られた,初年度成績下位10%は強制退学とかにすればいいだけの話。入り口をお上が狭める必要は無い様に思われます。

問題は①。今更何言っているのかなというのが本音ですね。試験偏重からの脱却,プロセス重視,多様な人材を法曹界に,というのが法科大学院プロジェクトの軸なわけです。しかも法科大学院を卒業しなければ新司法試験受験資格はない。「教育成果を司法試験の合格者数で評価するのは不適切との考えがあった。」そうなんですが,これについて誰もなんとも思わなかったのだろうか。

試験に受からなければ,多様な人材を法曹界に送り込むことはできないし,プロセス重視の教育成果も実務に広がらない。何はともあれ最終的には受からせないと法科大学院教育の意味が無いわけです。教育成果って何を思い描いているのだろうか。教育成果をはかる上で,合格実績を今まで評価基準に入れていなかった理由が全くもって意味不明である。「だけで」評価するのは抵抗があるのは分かるが,合格実績を評価基準に「入れない」というのは「専門職養成教育機関」という性質からはまことに奇異である。

ハッキリ言えば最初から結果が悪かった時に備えて言い訳を準備していただけと言わざるを得ない。やる方が最初から逃げ腰では結果は目に見えている。
大学受験などもそうだが,教える方が「結果だけが全てではない」といい始めたらかなり怪しいと思うべきである(「結果だけが全てではない」ということが「全て」である,という意味で言い出した場合である。正に今回がそう)。プロセス(本質)を重視しているのだから(結果なんてどうでもいいじゃん),というわけである。これじゃーいけません。

定員削減だって,東大・京大が2割も減らす理由が分からない。「企業努力」をし,結果を出してきたロースクールが評価されないのはおかしい。定員が多いところを減らせ,という声がかなり強く出ていたようだが,もうわけが分からん話である。一橋,慶應,中央の「ツッパリ」には意味がある。これも評価基準に試験成果を入れていない弊害である。入れていないから良いも悪いも一緒くたにされ「一律に減らせ」だの「成績が良かろうが大規模ローを減らせ」という主張がまかり通ってしまうのである。

これでようやく正常になるのかな。2012年の第7回試験からは,いよいよ法科大学院と予備試験の激突も始まるし頑張って欲しいです。いい方向に競争原理が働くよう祈りたい。


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憲法出題予想!?

2010-03-16 18:00:00 | 司法試験関連
第1回大会
 21条(消極的表現の自由),22条(経済的自由)or29条(財産権)
第2回大会
 20条(信教の自由),29条(財産権),地方自治
第3回大会
 21条(表現の自由・知る自由),適用違憲のところで思想良心の自由(19条),委任立法,スタンディング
第4回大会
 23条(研究の自由),13条(自己決定権),部分社会の法理,スタンディング


さて第5回大会の出場者は!
20,21,23,13という人権リーグの中でもメジャー・リーガー達は一通りメインを張っております。
残されたメジャーは,14条,25条かというところでしょうか。22条with21・13条というのもありそうですが。
個人的には,(制度依存型権利or外国人の政治活動の自由)with14条が怪しいと睨んでおります。参政権的な権利が危なさそうでして。
外国人の政治活動の自由が来れば,統治リーグからは「国民主権」が登場と言うことにもなります。話題性もあるところです。

あくまでも限りなく独り言に近い私見ですので悪しからず。
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「2011・12出陣式」

2010-03-16 12:46:57 | 司法試験関連
無料公開講座の,「2011・2012年度 新司法試験合格へ向けて このままじゃ受からないと思ったあなたへ~新司合格のための勉強法教えます~」ですが,良く考えたら初陣の東京渋谷編は,丁度1週間後の23日です。先だと思ってたけどもうすぐだ。名古屋・京都は27日,大阪は28日です。名古屋・京都・大阪では,個別相談枠も物理的に可能な時間ギリギリ一杯設けましたのでご利用下さい。

今回は,新司法試験受験の実態から入り,試験突破のために必要な勉強作法についてお話しする予定です。「あの」第4回本試験憲法,刑訴法も題材にします。あわせて,「ケー論&ペー論」の意義についてもお話します。

要は,受かる為の「試験対策(受験勉強)」ってなんだ,という話であります。是非,新司法試験合格を真剣に考えている方は,これから1年ないし2年,何をどう意識して勉強すれば良いのか(特に判例),確認してみて下さい。既修も未修もありません。あるのは「司法試験受験生」という属性だけです。

入学前ないし春休み中ですので,「気合入れ」とばかりに生ガイダンスの方へお越し頂ければ幸いです。お待ちしております!



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権利の性質の確定練習問題!?

2010-03-15 13:38:02 | 司法試験関連
ちょいと前にこんなニュースがありました。省略しましたが,この前の部分では,園部元最高裁判事の例の意見が紹介され,その上で,「外国人参政権の立法化の大きな根拠が崩れたといえる。」と述べている記事です。

『また外国人に地方参政権を付与できるとする参政権の「部分的許容説」を日本で最初に紹介した長尾一紘・中央大教授(憲法学)も最近、自説に疑義を抱き始めたことを本紙に打ち明けている。昨年2月、韓国で在外選挙法が成立して在日韓国人が本国で国政参政権を行使できるようになり、状況が変わったことなどが理由だ。

長尾氏は政府が今国会提出を検討中の参政権付与法案に対し「明らかに違憲。国家解体に向かう危険な法案だ」とも警告している。判例だけでなく、学説面からも法案の根拠が揺らいでいる。』


今回政治論議をするつもりはありません。注目していただきたいのは,長尾教授関係の「自説に疑義を抱き始めたことを本紙に打ち明けている。昨年2月、韓国で在外選挙法が成立して在日韓国人が本国で国政参政権を行使できるようになり、状況が変わったことなどが理由だ。」という部分です。

最初私も「なるほどね」なんて読み流してしまったのですが,よく考えたら変な感じがしてきました。

生存権の保障の話でよく出てくる肯定理由として,「例えば在日韓国人は,韓国政府から生存権を保障されることは事実上ありえない。更に日本政府から保証されなかったら,どこからも生存権を保障されなくなってしまう」というものがあります。この考え方からすると,「本国政府から生存権が保障されれば,保障しなくても問題ない」と言えなくはないでしょう。しかし選挙権の場合も同じようにいえるのかな,と疑問に思ったのです。

生存権の場合,本国政府から保障されれば,とりあえず金銭的な問題なので何とかなりそうです。まぁ,この場合でも保障の程度が日本政府のものより劣るとどうであろう,というこれまた難しい問題が出てきますが,程度の差はあれ,目的は達成されそうです。

しかし選挙権の場合どうなんでしょう。選挙権を認めろという原告の真の目的はなんでしょうか。在日韓国人に韓国内での選挙権が認められれば全て問題はクリアーされるのでしょうか。ここが,「権利の性質を考える」ということなんだと思うのです。選挙権って自分達の代表を選ぶ為のツールです。だとすると国籍国での選挙権行使が認められれば全てよし,とは言えないような気がします。

こう考えると生存権と選挙権では,外国人に保障すべきか否かという問題は,同じように処理すれば事足りるとは言えなさそうです。正にその差は問題となっている「権利の性質」を実質的に考えるということから出てくるわけです。その権利が認められたら具体的にどういう結果になるのか,認められることで原告は具体的にどうしたいのか,ということまで普段から考えるようにしてみてください。本番で憲法の評価,跳ねると思います。

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Greatest Hits

2010-03-14 20:45:49 | 雑感
BackstreetBoysとAsiaのベスト・アルバムを買いました♪
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白い日

2010-03-14 18:41:45 | 雑感
白い日・・・。最近あまり話題にもならず。4月23日「サン・ジョルディの日」=「本の日」に至っては生存が危ぶまれております(笑)

「3倍返し」という自己中心的かつ意味不明な基準は、今でも生きているのでせぅか。マシュマロにクッキー、キャンディーで意味あるんだよね。好き、嫌い、友達みたいな。違ったかな。

時は今、確定申告でございますわよ。
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水温む季節

2010-03-13 17:14:17 | 司法試験関連
あと2週間もすれば桜が満開になるのでしょうか。木蓮が今は綺麗です。
伊藤塾前の桜坂もいよいよです。花粉も随分飛散しているようで困ったものです。

水温む季節、受験生にとっては正念場。緊張感は重要ですが焦らずに、です。
今ある知識力でどれだけ点を上げられるか、スコアの最大化を意識した方が良いです。
完全な準備なんてできません。司法試験は特にそうです。不完全な準備が当然なんだ、というくらいが丁度良いと思います。
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1票の価値~高裁Round~

2010-03-12 15:23:42 | 雑感
第1戦 違憲    @大阪
第2戦 違憲    @広島
第3戦 違憲状態 @東京
第4戦 違憲状態 @福岡(那覇支部)
第5戦 合憲    @東京
第6戦 違憲    @福岡
5勝1敗。

東京高裁の腰の引け振りがやや気になります(笑)やはり最高裁裁判官15人のうちの裁判官枠に一番近いポジションの人が多いので,つい上を向ふがふが。・。・。自主規制。
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タイムボカン,1500人時代へGO!?(補綴)

2010-03-12 12:10:40 | 司法試験関連
すったもんだの挙句,日弁連の新しい会長が決まりました。受験生的にどうしても気になるのは,新会長が掲げる「合格者数1500人政策」でしょう。

私が受験生の時にも似たようなことがありました。やはり気になって仕方がないところです。合格発表という蓋を開けてみないとその年の合格者数の目安さえ分からないという珍妙な「競争試験」なので尚更不安になります。

問題は,「1500人が適正規模」である,という主張の論拠でしょう。正直,人数だけの主張が乱れ飛び,その数字の根拠が示されていないのはいただけません。論文の答案なら不合格答案です。

読売新聞等の論調もそうなんですが,法曹の質低下云々は説得力がなく,一般には「既得特権の確保」と受け止められていることを日弁連は真摯に受け止めるべきだと思います。
合格者数削減と言う主張を強く推し進めるのならば,①何故「1500人」だと適正なのか,②法曹の質の低下を示す具体的なデータは何なのか,この2点の具体的な説明をすべきだと思います。

法曹の質の低下と言う主張の根拠はあるのか。何をもって「質」といい,どのような変化をもって「低下」と評価しているのか,事実関係が全く出てきていません。出てきているのは現役弁護士の「最近は質の低下が見られる」という主観的な意見だけです。

少なくとも,「こうこうこういう事例があった,増えた」ということを示した上で,「だから自分は最近の法曹は質が低下していると思う。そしてそれは新司法試験合格組だけにみられる現象なので,2000人は多すぎると思う」程度の主張はして欲しいものだし,すべきであると考えます。

以前も書きましたが,2回試験の不合格者数が増えていることを質の低下の論拠にするのは間違っています。不合格であれば,法曹にはなれませんから彼らのせいで法曹の質が下がることはありえません。100人の不合格者がでるような母集団のレベルは全体的に低いという推認ができる,ということなのでしょうか。しかしそれもおかしな話です。

何故ならば,最高裁が2回試験を適切に運営している限り,最高裁のお墨付きがある人だけが法曹デビューをするわけです。もし問題があれば最高裁の2回試験の運営の仕方に問題があるということになるはずで,日弁連はそこをまず指摘すべきですが,そういう指摘は見られません。最高裁自身も,判定基準は変えていないと発表しています。だとすれば認定基準を緩和していない結果,100人程度が不合格になっているだけということになります。逆に不合格者数の絶対数が増えているのは健全な証拠です。2回試験受験者数は増えているのに不合格者数が以前と変わらない方が怪しい話です。むしろこのような場合にこそ認定基準を緩和しているのではないか,という推認が働きます。しかし現に不合格者の絶対数は増えているのですから,適切に排除する運営がなされているとみるべきです。
したがって,基準は変えずに合否認定をしている以上,母集団のレベルに応じて毎回2回試験不合格者数が変動することにはなりますが,現に第1回・第2回・第3回合格組で不合格者数と割合に変動が見られています。毎年一定数に固定されているわけではありません。ですから,毎年晴れて2回試験をクリアーした人たちには問題がないということになりますし,不合格者数が増えたから,母集団「全体に」問題があるという見方はできないと思います。問題がある部分をはじいた結果が毎年の不合格者数になっているだけだからです。2回試験の不合格者が多い云々は,法曹の質の低下を根拠付けることは無いと思います。

また質の低下が認められた場合でも,では合格者数は何人規模が適正なのか,という議論が必要です。新会長は,何故「1500人」なのか,今すぐ具体的な説明をすべきです。1500人にすれば,全て解決すると考えているのでしょうか。1500人だと問題がないと考える根拠が必要です。単に,旧司法試験の合格者数が1500人だったから,というだけの理由な気がしますがどうでしょう。昔も1500だったんだから我慢してくれよ,と地方の反乱を抑えられるから,というのが本音なのではと勘繰りたくなります。恐らく1500人にしても,例えば新人弁護士の就職難が改善されなければ,いずれ1200人にすべきだ,とか言い出すのが目に見えています。その次は1000人でしょうか。

別のうがった見方(笑)もできます。法務省も本音は3000は無理,と思っていると思います。しかしながら裁判員制度やら制度改革の錦の旗は降ろせません。さてどうしよう,という時期だと思います。法務省は2000人ラインで着地を狙っているような気がします。議論としては「3000人の是非」なんですが,日弁連会長の思惑は,実際には既に2000人でも多い,なわけです。気をつけたいのは,3000人増員の是非,という議論をしているように見えますが,実際には2000人ラインの是非が争点となっているという点を見抜かなければならない,という点です。日弁連会長サイドは,2000人を1人でも多く割り込ませたいのが本音でしょう。しかし法務省も面子がありますから,「へぃ,合点承知の助!」とばかりに減らしてはくれません。そこで日弁連としては,時間を元に戻す「1500人」という「受け入れがたい」数字を最初にぶちかましておきます。法務省は当然そんな数字は受け入れられない。かといって減らさないわけにもいかない。ほいじゃ間を取って1700~1800あたりで手を打つ,という筋書きです。2000人より減らしたけど,1500人時代よりは法曹増員路線を維持したことにはなります。正に「大人じゃーん」な筋書きですが,ありうる展開だと思います。

最後に日弁連をかばうとすれば,やはり裁判官と検察官があんまり増えていない,という点です。これは確かにひどい。裁判官,検察官の数が足りないから事件処理が遅くなっている,10年裁判なんてやってる場合じゃない,というところが増員路線の元もとのきっかけです。しかし毎年せいぜい各100人程度しか任官・任検はされていないのが実情です。財務省から予算ぶん取って,各200~300人くらい確保しないとあかんやろーと思います。

どうでもいいけど,試験直前にこういう議論をするのはせめて止めて欲しいです。

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ロナルド・アラン・マクリーンさん

2010-03-11 16:19:31 | 司法試験関連
弥生の吉野カウンセリングは,次回は3月17日18時半から20時半です。是非ご利用下さい。

マクリーン事件判決,しっかり理解しておいて下さい。
外国人,参政権的権利,14条あたりを複合的に絡めた問題,危ないと思いませんか。特に,何故14条を持ち出すのか常に意識してください(まぁ,14条に限りませんが特にです)。

国籍法違憲判決と非嫡出子相続分合憲判決をどうやって整合的に説明するか考えてみてください。いい勉強になります。

もうすぐ近所の木蓮が咲きそうです。例年より開花時期が1週間くらい遅いです。

最近,マイ・チャリンコのチェーンがよく外れやがります。お陰で直す腕前が上がりました。今朝はなんと10秒もかけずに1発でさらりと再装備完了。ちょっと自分でも驚く早さでした(笑)最近の特技です(笑)
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勉強の質的変換

2010-03-10 14:56:27 | 司法試験関連
あと2ヶ月です。
そろそろ勉強の「質」を変えていくべき時期かも知れません。知識の「量的拡大」路線は,お仕舞いにするということです。もちろん,知識量が絶対的に不足している人は最後まで量的拡大路線を採らざるを得ませんが,それでも,「それだけ」で良いわけではありません。新司法試験は,知識の量の多寡を決する試験ではありません。

試験当日に要求されるスキルの実践,ということを意識する必要があります。基本書等の読み込み作業は,本試験当日に要求されるスキルに対応していません。ですから直前期に基本書ばかり読んでも試験当日頭が対応できません。そういうことです。

アウトプットを常に意識する勉強に切り替え,インプットも「量的拡大」より既にある知識の「精度」を上げるようなものにしていく必要があります。

判例も何故そのような規範になったのか,もう一度確認する。規範として挙げられた諸要素は,全て必ず必要なのかどうか。事案に即して(説得力を出す為に)「付言してみた」だけなのかどうか。意外に多いパターンです。当該事案における具体的要素を改めて確認して当てはめ部分の確認をする。そういう作業が大切だということです。

本試験では,「あの判例だ!」「あの事例だね!」と思いきや,事実関係を必ず変えてきます。結果似て非なる事案になっていたりします。にもかかわらず「知っている」規範をそのまま吐き出すとえらいことになります。第4回フレーム講義でもお話ししましたが,昨年の憲法で,スタンディングの問題を第三者所有物没収事件の規範を悩みも無くドーン!と書くと,当てはめ段階で普通は困るはずです。困らない人は本件事案の事実分析ができていないということになります。試験委員が受験生に「ヒネリを加えたバックドロップ」をかましてきたのは,刑事訴訟法の再現写真部分だけではありません。

判例学習も普段からこのように「意識して」勉強している人は問題ありませんが,そうではない人は今からセットアップしていく必要があります。これから2ヶ月は色々な面で「質の転換」が必要な時期です。
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4勝0敗!?

2010-03-09 17:00:14 | 司法試験関連
第1戦 違憲    @大阪高裁 
第2戦 違憲    @広島高裁
第3戦 違憲状態 @東京高裁(3月8日原告上告)
第4戦 違憲状態 @福岡高裁

ある意味,4連勝ストレート勝ち,SWEEPと言う感じですが。
外堀が確実に埋まってきている感じがしますが,本丸最高裁の判断が非常に興味深くなって来ました。
同時に,ある意味当事者である民主党ないし鳩山政権が何考えているか知りたいです。一体どうする気なんでしょう。

そういえばこんなニュースも。http://sankei.jp.msn.com/politics/election/100305/elc1003052035001-n1.htm 参照

『法令解釈を担当する枝野幸男行政刷新担当相は5日の参院予算委員会で、永住外国人への地方参政権(選挙権)付与に関し、平成7年の最高裁判決が判例拘束力のない「傍論」部分で「憲法上禁止されていない」との判断を示したことについて、「傍論といえども最高裁の見解なのは間違いない。行政府で(傍論と)異なる見解をとることは憲法に照らして許されない」と述べた。
 ただ枝野氏は、この最高裁判決に加わった園部逸夫元最高裁判事が産経新聞の取材に「(同判決には在日韓国・朝鮮人を)なだめる意味があった。政治的配慮があった」ことを明らかにした点について「最高裁判事は法と事実と良心に基づいて判決をしているのであって、政治的配慮に基づいて判決したのは最高裁判事としてあるまじき行為だ」と批判した。』

まぁ,最高裁のあるべき姿という意味では,正論でしてそりゃそうなんでしょうが(園部元最高裁判事も齢80ということで,今のうちに事実を言っておこう,という気持ちが先走ったんでしょうね),最高裁が「政治的配慮」をしてくれているから国会議員の身分でいられるんじゃないのかぃ,って思っちゃった。これからは,最高裁も何の遠慮なく「選挙は違憲無効!」って言えるようになりますね(笑)
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