勉強の質的変換

2010-03-10 14:56:27 | 司法試験関連
あと2ヶ月です。
そろそろ勉強の「質」を変えていくべき時期かも知れません。知識の「量的拡大」路線は,お仕舞いにするということです。もちろん,知識量が絶対的に不足している人は最後まで量的拡大路線を採らざるを得ませんが,それでも,「それだけ」で良いわけではありません。新司法試験は,知識の量の多寡を決する試験ではありません。

試験当日に要求されるスキルの実践,ということを意識する必要があります。基本書等の読み込み作業は,本試験当日に要求されるスキルに対応していません。ですから直前期に基本書ばかり読んでも試験当日頭が対応できません。そういうことです。

アウトプットを常に意識する勉強に切り替え,インプットも「量的拡大」より既にある知識の「精度」を上げるようなものにしていく必要があります。

判例も何故そのような規範になったのか,もう一度確認する。規範として挙げられた諸要素は,全て必ず必要なのかどうか。事案に即して(説得力を出す為に)「付言してみた」だけなのかどうか。意外に多いパターンです。当該事案における具体的要素を改めて確認して当てはめ部分の確認をする。そういう作業が大切だということです。

本試験では,「あの判例だ!」「あの事例だね!」と思いきや,事実関係を必ず変えてきます。結果似て非なる事案になっていたりします。にもかかわらず「知っている」規範をそのまま吐き出すとえらいことになります。第4回フレーム講義でもお話ししましたが,昨年の憲法で,スタンディングの問題を第三者所有物没収事件の規範を悩みも無くドーン!と書くと,当てはめ段階で普通は困るはずです。困らない人は本件事案の事実分析ができていないということになります。試験委員が受験生に「ヒネリを加えたバックドロップ」をかましてきたのは,刑事訴訟法の再現写真部分だけではありません。

判例学習も普段からこのように「意識して」勉強している人は問題ありませんが,そうではない人は今からセットアップしていく必要があります。これから2ヶ月は色々な面で「質の転換」が必要な時期です。
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