合格者の有効活用

2013-09-11 14:37:27 | 司法試験関連

来季に向けて,「合格者の話を聞く」,「アドバイスをもらう」という行為が全国各地で展開されます。合格者もしがらみがなくなるので,出し惜しみ的なことをしないですし,何より機嫌が良いので(笑)積極的に協力してくれる人も多いのです。

ただ,毎年毎年,この「合格者の言ったこと」のせいで,おかしな方向に驀進してしまう人が続出するので,合格者の話を聞くときの注意点をこれから説明します。

まず,合格者が語ることは,あくまでも「自分自身の経験」であるということを肝に銘じてください。普遍性のある話ではないですし,何よりも聞き手の立場に立って話をするわけではない,ということです。この視点が欠落したまま話を「鵜呑み」にするとえらい目に遭います。

また「合格する上で役に立ったこと」,「論文対策は何をしましたか」という質問などがされたときに,合格者の多くは何を語るかといえば,「直近の話」をすることが殆どだ,と言うことを忘れないようにしてください。初学者の頃から翻って話をするわけではないということです。

特に2回目・3回目で合格した人は,「直近1年は,こうしたら受かった」的な話を必ずします。本人にしてみれば合格する上で欠けていた「最後のワンピース」を埋めたのが直近1年の勉強だから当然です。問題は,その「最後のワンピース」は人によって様々だ,ということを聞き手が理解していないことにあります。聞いたとおりにすれば,「自分の問題も解決する!」と早合点するのです。なので,「そうか,ゼミが良いのか。ゼミ申し込むか!」,「事例研究をガンガンやるのが良いのか」などということになるのです。

しかし冷静になりましょう。「貴方にとって」足りないピースは,本当にそれで埋まる物なのでしょうか。この点を自問自答してください。基礎力不足が主原因の人が,本試験的な問題を解き捲くる,答練ゼミを受け捲くって何か解決するのでしょうか。自分ではリサーチした上で戦略を決めたと思うかも知れませんが,「とりあえず」答練を受ける人と「正しい試験対策」と言う観点からは何も変わりは無いのです。単純に間違っています。

大体既修者と未修者では前提が異なる事が多いので,既修者のとった方法がそのまま妥当するということは中々ないのです。Ⅼ2が仕上がっていない人が,ゼミや事例研究をやることがその人にとっての「合格への道しるべ」になるとは到底思えません。むしろやればやるほど合格から遠のいていくことになるのです。

私は非常に多くのこの手の問題を抱えた人をみてきました。人の話を無条件に鵜呑みにするのはやめましょう。結局は冷静な自己分析ができていなので,無駄に情報に振り回されて終わることになってしまうのです。合格者が修習に行くまでの約2ヵ月は非常に貴重な時季です。来季必勝にためにも合格者を「有効活用」して欲しいのですが,くれぐれも「活用の仕方」を間違えないようにして欲しいです。

 

 

 

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