多論点問題の対処法

2018-05-28 19:56:15 | 司法試験関連

ちょいと個別に相談を受けたものなんですが、共有しておいた方がいいかと思うので、書いておきます。「多論点型」の問題の対処の仕方です。

多論点型の場合、各論点ごとの分量面での「メリハリ付け」が勝負になりますが、その基準は一概には言えません。

ただ、大まかに言って、①問題文中の各論点に関する記述量が一つの目安になります。これが第一かなと思います。私が提唱してきた「問題文の読み方スキル」を使うわけです。特定の論点に関する記述や、ある論点でもその特定の要件部分に関する記述が多い場合、その部分は厚めに攻めて行く感じです(その他の要件は軽く認定する程度)。問題の所在や悩みどころ(結論の妥当性、すわりの良さなど)が指摘できるだけでもポイントになります。

次に、②論点そのものの重要度(典型論点の場合)も目安にはなります。それなりにメジャーな論点だから厚めに書くと言うわけです。また、この②と関連して、③答案構成上のメリハリで修正する場合もあります。本問では軽く流してよい事情などがあれば如何に重要論点と言えども流せばいいと言う感じです。

特定の論点を「完全に無視する」のはリスクが大きいと言えます。相対評価なのでそれでも受かる可能性はありますが、結果オーライ的な危険はついてきます。また、削った分、当然「内容勝負」になりますので、それなりのことを書かないといけません。分量が減るわけでは無いと思います。

ただ、Aという問題とBという問題がある場合に、Aと言う問題をメインに据えつつ、その中でB問題に関する記述をねじ込んでいく場合は書きかたの問題なのでそれもよし、と言う場合はありえます。例えば、憲法の人権問題で、複数の人権にかかわる場合、各人権ごとに分けて書くのではなく、軸となる人権をメインに据えつつ、他の人権の側面に言及していく、という書きかたです。私の言うところの「権利の多面性」として言及していくパターンですね。

多論点型の処理の仕方として、「淡々と全ての論点に言及する」と言うある意味「正面突破」していく手もあります。確か第4回の総合2位答案は全科目4ページ程度でまとめていました。これはこれで確実にポイントゲットできるので、総合的に見て確実性は高いです。その代わり無駄を省いた、かつ正確な論述が必要条件にはなりますが。問題文に現れた重要な事実関係を拾ってはコメントし、という感じで淡々と流していく感じですね。あっさり書くけども「一言言及はする」と言う書きかたです。

こんな感じですが、もちろん一つの解決法に過ぎないので、参考になればと思います。

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