長い夏の間に

2018-05-22 18:11:55 | 司法試験関連

5月に本試験が終わり、9月上旬の合格発表まで110日ほどあります。約4か月ですから、1年の3分の1にあたります。この時期は、今年受験してきた人たちはどうしても中だるみ状態に陥りやすいです。バイトしたり交友を深めたりする時期でもあります。勉強バリバリやる!と言う人は早々いないでしょう。

ただし、9月に受かれば全然問題はないですが、落ちた場合は状況は一変します。上記のように9月上旬まで1年の3分の1にあたる長さがあります。9月から再起動では、「もう1年」ではなく、もう「3ぶんの2年」なのです。これが怖いところです。

確かにやる気を出すのが非常に難しい時期です。9月~直前期までの時のような勢いで勉強をする人はあまりいないのではないでしょうか。しかし、来年合格を目指さなければならない人は、この点を強く意識した方がいいです。「ちょっと体を休める」にしては、あまりにも長いのです。1年の3分の1を「流した勉強」で過ごしたことになるからです。

特に短答で駄目だった人は、6月からそれこそ全力で走り出す必要があります(これは当然です)。基準点をクリアした多くの人がスパートをかけていない時期だからこそ、彼らとの差を詰めることができるのです。遊んでる場合じゃありません。

合格するまで戦いは続きます。

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答練の際に意識してほしいこと

2018-05-22 15:56:30 | 予備試験関連

予備試験受験生は、いよいよ天王山たる論文試験に挑むことになります。これからの勉強は、答練が主体となると思いますが、その際の注意点などを。以前書いたものですが重要なので再掲します。

自分の答案を読み返す際に,「主語・述語が対応しているか」,「主語が何か明確か」,「指示語の内容が明確に読み取れるか」,「自分の設定した問いに応えているか」,「規範で挙げた考慮要素につき全て当てはめた上で結論を出しているか」などの「形式面」の確認をすると良いと思います。

頭では分かっていても,書き進めるうちにこれらの要素が不十分になってしまうことが往々にしてあるからです。意外に見受けられるのが主語がハッキリしないというものです。大事なことは,第三者たる読み手が読み取れるかどうかであって,「自分はこういうつもりで書いた」というのは主張自体失当です。読みにくい答案,論旨不明瞭な答案という低評価になります。

第6回の刑事訴訟法の身柄拘束の違法性如何など典型です。「逮捕状に基づく逮捕が違法かどうか→逮捕状の疎明資料は違法収集証拠になっていないか→疎明資料の収集手続は別件捜索差押ではなかったか」,という形で論点が入れ子構造になっています。そのため,まずガツッと書くのは捜索差押の適法性如何なのですが,別件捜索差押か検討した後に,「したがって,本件捜索差押は違法であると考える。よって,違法である」と書いてしまうと,「よって違法である」のは「何か」と言えば,素直に読めば「本件捜索差押」になります。これを「本件逮捕がよって違法である」と読んでくれる人はまぁ,いないでしょう。だとするとこの答案は,身柄拘束の違法如何という設問に形式的に応えていない形で終わっていることになってしまいます。これは極端な例ですが,このような「端折り」は多くの人の答案で見かけます。

また,論旨不明瞭な答案や一読して分かりにくい答案の場合,どうしても読み返すことになりますが,この「読み返す」というのが受験生にとっては困りものなのです。一読してよく分からないから読み返す場合、どうしても読み手はジックリ読んでしまいます。ジックリ読まれると,細かいところも読み込まれてしまう危険性があります。「何を言っているのか」と確認しながら読むので「本当にそう言えるか?」なんて厳し目に見てしまいます。そのため,ボロが出やすくなります。そう言う意味でも論旨不明瞭な読み返し必須の答案は危険なのです。また夏場に他人の書きなぐった!?答案を数百通も読まされるわけですから、機嫌も悪くなるのも否めないですよね。

それからキーワードやお決まりのフレーズは正確に表現するようにしましょう。妙にアレンジすると読み手は「なんだ」と不必要なところで引っかかりを覚えることになります。これも余計なリスクです。

「読みやすさ」は、字だけの問題ではありません。

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