ロースクール2年生の方を中心に,ゼミの相談を受ける事があります。時期的にそろそろ後期から,という人も多いのかなと思います。自分の頃は3年になる前の春休みくらいから本格化していましたが,前倒しになってきているのかもしれません。
結論から言えば,何でも自己責任ですが,吉野が思うゼミの上手い活用法を述べてみたいと思います。
まず,インプット系のゼミは相当効率悪いと思います。インプットは最後は自分の頭に叩き込むしかないものですから,ゼミで完結しません。ゼミとは言うものの,インプット系の場合は,要はお互いが講師をしあうだけの講義みたいなものです。ゼミ形式に拘るものでもないと思います。
「ゼミ」という方法ならでは,つまりゼミ形式でないと効果が出にくいことをやるべきだと思います。インプットは自分でやるべきものだし,あえてゼミ形式でやらなければいけない必然性がないと言うことです。
では,ゼミ形式でやると良いのは何なのかといえば,答案の読みあわせです。第三者の目で見てもらう,というのは自分の勉強ではできません。論点の抽出,選別,事実の取捨選択,事実の評価の仕方などを相互に検討しあうのです。これが一番効果が高いでしょう。しかも時間もせいぜい1,2時間と決めた方がいいです。だらだら議論するのは勉強した気になるだけです。メンバーも3~5名くらいが適正規模だと思います。それ以上多いとまとまりがなくなります。延々と無目的に法律の議論をしあう「サロン」にならないよう厳重注意が必要です。
授業の予習ゼミ的なものあると思いますが,これも同じです。個々人が課題を検討した上で自分の意見をぶつけあう,なら意味があります。その場で皆で解いて検討しあうのは効率が相当悪いです。要は,問題を解いた上で,何故そう考えたのか,他にどのような考え方があるのか,をすり合わせていくものが一番効率良いのではないか,と考えます。
あとはメンバー構成の適切さですがこればっかりは自分達で判断するしかないです。ここはシビアに行った方が良いと思います。自主ゼミは,メンバー相互にプラスの面が無ければやる意味がありません。片面的な参加者の存在意義は無いです。厳しいようですがここは本当に気をつけないと駄目です。ボランティアで面倒見てやろう,という思いがあるなら別ですが,非常に厳しい試験ですから,まず第一に自分の合格の事を考えたほうが良いと思います。