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7208名

2010-05-07 18:32:15 | 法科大学院関連
DNCから適性試験の出願者数の速報が出ています(最終日)。
5月7日17時段階で7208名。昨年最終日17時段階では8527名ですから,また減っているようです。確定値の発表はは5月下旬のようです。

何はともあれ,上位校合格目指して頑張りましょう。全体の人数が減っても上位層にはあまり影響ありません。新司法試験合格への長い道のりの第1歩を踏み出す時がきましたね。
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未修者,逆転の作法

2010-05-07 17:29:28 | 司法試験関連
民事法研究会が出している,「LawSchool研究」という雑誌があります。その15号を読んでいたのですが,中々なことが書いてあります。15号の特集は,「新司法試験と法科大学院教育」というものなのですが,トップバッターの京大潮見教授の「新司法試験結果から見た傾向分析」が特に凄いです(同号5ページから11ページ)。現状の厳しさが客観的な数字と潮見教授のえぐい!?表現でレポートされています。普段あまり見ない形でのデータ分析がなされており,非常に興味深い考察がなされています。14個の表はいずれも一読の価値があると思いますが,潮見教授のストレートな考察をいくつか紹介したいと思います。


「未修者にあっては,当初より基礎知識を確実に獲得できない者の数が多く,しかも年次を重ねても基礎知識の獲得に汲々としている者が多いという特徴があるのではないかと思われる(浮かび上がれない未修者問題)」
「厳しい言い方に聞こえるかもしれないが,特別の短答式試験対策というものを講じなくても解けるはずである。それにもかかわらず,いくら年次を重ねても救われない未修者がいるというのは何故なのか,どこに問題があるのかということは,検証する必要がある・・・」

「いくら時間をかけても,基礎知識を自分のものとすることのできない既修者がいる・・・「既修者における6割4割問題」という言い方をしている。既修者の4割の者については,未修者と同じ問題を抱えているという問題である(どうしようもない既修者問題)」。

「既修,未修の別を問わず,受け控えをして捲土重来を期しても,その間に学習効果が上がったという者は意外に少ないのではないか・・・修了時の能力不足を自覚して受控えした者達の再チャレンジ成功率は極めて低いのではないか」

この辺りが代表格である。潮見先生がこのような評価を下すに至る客観的なデータが14個の表である。

さて,どう考えるか。私の狭い範囲における知見からしても「短答3連敗」で三振してしまった人,というのは少なくない。これは事実である。また客観的なデータからも2回目3回目受験の成功率が低いのも事実である。

見方は色々ある。特に未修者の苦戦振りが語られる場合,「勉強期間の短さ」が要因として挙げられる。しかしこれは,3月のOSでもお話したが,半分正しく半分間違いである。1回目の受験において失敗要因,受験回避理由として,「勉強期間の短さ」はまったくその通りであろう。しかし,三振した場合は話は違う。少なくとも在学中3年,卒業後3年の合計6年間勉強しているわけで,これでは勉強期間が短いから,というのは理由にならない。この点についての指摘は聞いた事が無いが,何故誰も指摘しないのか不思議である。この点を見落とす限り,未修者の合格率アップは実現できない。何故なら単なる勉強期間の長短で片付づけてはならない問題だからである。

結論を言えば,勉強初期の段階で大混乱した場合,一回リセットし直さないと立ち直れないのである。大混乱状態の土台に,対症療法,応急処置で対応するような勉強では駄目である。最初から整理しなおす必要がある。脆弱な凸凹土台の上にいくら応急処置で飾り付けても絶えず不安定である。寧ろ逆に飾り付けが増えれば増えるほど不安定になってしまうのである。

実は私は民法でこれを経験している。民法の基礎段階が曖昧なまま論文対策に追われ,中々苦手意識が抜けなくなってしまった経験があるのだ。これは民法だけ何故か下手に基本書ベースでやろうとしたのが原因である。択一にも影響した。安定して点が取れるようになったのはなんと民法が最後である。憲法,刑法が先に択一・論文共に安定したのである。理由は簡単で,この2科目は初期段階から,体系性や答案構成,処理手順,基礎知識,論証パターンなどを叩き込んでいたからである。このような「磐石な基礎」が一度出来てしまえば,飾り付けが増えれば増えるほど実力は増していく。しかしそうでないと常に崩落の危険にさらされ続ける。
今でも合格者メッセージなどで,「基礎マスター段階が大切です」,なんてのを聞くと恥ずかしくなってくるくらいだ。正にその通りだと自分が苦労してきたので痛感するのである。「基礎段階の重要性論」は,基礎的知識の定着が重要という意味だけではなく,実は「初期段階で(早い段階で)」という「時的限界」があるのである。この縛りは非常に大きな意味を持つ。この点が見落とされているように思う。

ちなみに私は抜本的にやり直すべく,当時の応用マスター・論文マスターを在宅で全科目受講しなおした。中々のお値段で痛いといえば痛かったがそのためにバイトして金をためた。途中ブランクができるが最終的にこれが慶應トップ合格の起爆剤になったのは間違いない(これしかやってない)。今から考えると英断である。

だから未修者でも6年勉強しているのだから,というのは実は意地悪な言い方ではある。混乱状態のままの6年間と基礎固めありきの6年間では全然中身が違ってくるからである。

個人的には,未修者コースは4年にするか,3年制の場合でも,最初の2年は未修者のみのクラス編成にし,基礎7科目を2年かけて履修するスタイルにすべきであると考える。既修者と合流するのは3年次でよい。いやそうすべきである。
また,危機感を覚えた方は,急がば回れでは無いが,基礎マスターをがっちり受講するのがベストである。何度も言うが「とりあえず演習」とか「とりあえずゼミる」というのは絶っ対駄目である。短期集中で抜本的な対策を採るべきである。OSでもお話しているが,新司法試験に受かる為には,幾つかの段階を経なければならない。その都度,どこを鍛えるか,どう鍛えるかが変わってくる。ここは情報戦である。

ちなみに,再挑戦組の成功率がかなり低い理由は,いつもOS等でお話している通りである。自分では自分のボトルネックに気がつかないため,同じことを3回繰り返してしまう危険性が極めて高いのである。努力していなければ止むを得ないが,方法を間違えては,折角の努力が実らないのである。そうならないよう,本当に気をつけて欲しい。
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